東山と京都精華学園が近畿大会連覇!女子決勝はライバル対決による延長戦に[近畿大会]
東山と京都精華学園が近畿大会連覇!女子決勝はライバル対決による延長戦に[近畿大会]
6月20〜22日にかけて兵庫県・グリーンアリーナ神戸にて「第72回近畿高等学校バスケットボール大会」が開催され、男子は東山、女子は京都精華学園(いずれも京都1位)がそれぞれ大会連覇を果たした。
準決勝の“大ピンチ”を切り抜け東山が大会連覇!
男子ベスト4に勝ち残ったのは東山、洛南、京都精華学園の京都府勢に、地元・兵庫県の報徳学園の4校。地元の大歓声を受けた報徳学園は、準決勝で東山に3点差の大接戦を演じる。序盤からエースの#34 松本晃瑶を中心にスコアを重ね、守ってもルーズボールやオフェンスリバウンドにハッスルを見せた報徳学園は、4Qを残して55-44と2桁のリードを奪った。両校とも留学生を擁しながら、報徳学園はトンプソン・クリントンが日本人選手をマッチアップ。東山のピック&ロールに対してスイッチ前提でマッチアップを工夫し、見事なローテーションで得点を抑えていた。
報徳学園#34 松本晃瑶
しかし、4Qに入ると自軍の得点がパタリと止まる。松本が「自分たちがリードしている展開で自分たちは個人技メインの戦いになってしまって、報徳らしいチームバスケができませんでした。相手のディフェンスの寄りも早くなって、点差のことなどをいろいろ考え過ぎてしまった」と振り返ったように、報徳学園のオフェンスは5人それぞれが孤立したような形になり、その間に東山がじわじわ迫る。
4Qのファーストポゼッションで#14 佐藤久遠がコーナー3Pを沈めると、#8 中村颯斗もタフな3Pをねじ込み肉薄。残り2分で#4 藪元太郎がトランジションからレイアップを決め切って逆転すると、最後は#5 佐藤凪がぷるアップジャンパーを決め切り勝負あり。報徳学園は4Qはなんと無得点と、最後の10分間で14-0のランを展開した東山が58-55で決勝進出を決めた。
逆の山からは洛南が決勝戦へ。府内のライバルで、直前のU18日清食品ブロックリーグ参入戦で1点差(65-66)で惜敗していた京都精華学園に見事リベンジ。控えの2年生PG#9 安川要大のゲームハイ24得点を筆頭に計4人が2桁得点を記録するバランスの良い戦いで快勝(93-76)を収めた。
洛南#4 小杉思
迎えた決勝戦は、2019年以来6年ぶりの東山vs洛南のライバル対決。しかし、試合は終始、東山優勢の一方的な展開となる。1Qから藪、佐藤凪、中村らが着実に得点し、21-10の2桁リードを奪うと、2Qには佐藤(久)の3Pや#6 カンダ・マビカ・サロモンのインサイドなどでさらにリードを拡大。佐藤凪を起点としたアップテンポな展開で洛南に付け入る隙を与えない。
前半で47-19の大差を付けると、そのまま1度も反撃という反撃を許さず83-48で完勝。洛南は司令塔の#4 小杉思が最後までアグレッシブに攻め気を貫き12得点を挙げたが、一矢報いるまでには至らなかった。試合後、東山・佐藤凪は「大会を通して内容的には反省すべきところばかりでしたが、勝って終えることができたので、そこはホッとしています。インターハイに向けても良い形で準備して臨めるんじゃないかと思います」と結果に安堵した。
東山#5 佐藤凪
延長に及ぶライバル対決は京都精華学園に軍配
一方の女子決勝は、京都精華学園と大阪薫英女学院による延長戦に及ぶ大激戦となる。準決勝で前者は三田松聖を、後者は京都両洋をそれぞれ101-53、73-64と下して決勝に進出。先行したのは薫英だった。キャプテンでシューターの#4 幡出麗実が連続で3Pシュートを決めてリズムをつかむと、個々のマッチアップでもサイズとフィジカルを生かして優位に立つ。京都精華学園は#15 ンガルラ・ムクナ・リヤの高さと、#14 吉田ひかりのスピーディーなゲームメイクで対抗し、1Qは19-16の薫英リード。
京都精華学園#14 吉田ひかり
2Qも薫英がリードをキープしたが、留学生が陣取るインサイドにガード陣、フォワード陣が積極的にペイントアタック。そこから#5 三輪美良々や1年生の#15 今井優蕾らビッグマンがカットインで合わせてイージーレイアップを何本も生み出しリズム良く試合を進めていく。
後半に入っても薫英が5点前後リードで試合が推移し、薫英はルーキーの#11 大槻佳子が果敢なドライブやジャンパーでスコアし、対する京都精華は#4 坂口美果や#5 金谷悠加の得点で付いていく。しかし、クォーターエンドに吉田が3Pシュートファウルを受けると、3ショット全てを決め切り、初めてのリード(51-49)を奪ってみせた。
その後は京都精華がじわじわ点差を拡大し、4Q残り5分57秒に#18 オディア・カウェル・リッツがゴール下をねじ込んで最大リードとなる7点差(61-54)。薫英はたまらずタイムアウトを要求した。すると、タイムアウト明けに#10 杉山ももの3Pと#7 松本璃音の連続レイアップで同点に追い付き、試合は延長線に突入。この5分間でも終始リードを保ったのは気を遣うで、薫英も幡出の3Pで一時1点差と追いすがったが、最後は72-69で京都精華が逃げ切り。ライバル対決は京都精華の大会連覇という形で終幕した。
大阪薫英女学院#4 幡出麗実
勝利した京都精華はリッツとリヤがそれぞれ17得点、14得点とチームを引っ張り、吉田が13得点、#6 石渡セリーナが11得点を記録。敗れた薫英も幡出と三輪の16得点を筆頭に、大槻やベンチから14得点、松本も12得点と続いた。
京都精華・吉田は「接戦になったときにガードが落ち着いてプレーしないといけないところを、焦って攻めてしまうことが多かったです。そういうミスが逆転されることにつながるので、そこを減らしていかなければなりません」と、勝利の中にも課題を口にした。
京都精華は明日6月25日からシンガポールで開催される「NBA Rising Stars Invitational」に参加する。この近畿大会や国際大会での経験を糧に、インターハイへのピーキングを目指していくことだろう。
大会最終順位(上位4チーム)
[男子]
優勝:東山
2位:洛南
3位:京都精華学園、報徳学園
[女子]
優勝:京都精華学園
2位:大阪薫英女学院
3位:三田松聖、京都両洋
全試合結果(男子)
[決勝]
東山 83-48 洛南
[準決勝]
東山 58-55 報徳学園
洛南 93-76 京都精華学園
[準々決勝]
東山 91-56 関西大北陽
報徳学園 71-44 近畿大附
洛南 83-62 光泉カトリック
京都精華学園 76-71 阪南大
[2回戦]
東山 99-63 大阪学院大
関西大北陽 91-61 比叡山
近畿大附 63-48 立命館守山
報徳学園 71-67 大阪桐蔭
光泉カトリック 99-42 初芝橋本
洛南 71-64 育英
京都精華学園 85-45 金光藤蔭
阪南大 108-46 和歌山北
[1回戦]
大阪学院大 136-50 星陵
関西大北陽 81-56 天理
比叡山 81-71 関西学院
立命館守山 81-69 鳥羽
近畿大附 95-52 明石南
大阪桐蔭 100-60 高野山
初芝橋本 82-73 神戸科学技術
洛南 92-57 箕面学園
育英 78-44奈良
京都精華学園 84-80 彩星工科
金光藤蔭 78-62 奈良育英
和歌山北 87-65 神港学園
全試合結果(女子)
[決勝]
京都精華学園 72-69 大阪薫英女学院(OT1)
[準決勝]
京都精華学園 101-53 三田松聖
大阪薫英女学院 73-64 京都両洋
[準々決勝]
京都精華学園 94-61 近江兄弟社
三田松聖 78-75 樟蔭
京都両洋 77-68 大阪桐蔭
大阪薫英女学院 90-50 好文学園女
[2回戦]
京都精華学園 148-43 大商学園
近江兄弟社 85-75 日ノ本学園
三田松聖 65-46 関西大第一
樟蔭 91-71 神戸星城
京都両洋 86-50 大塚
大阪桐蔭 78-65 奈良文化
好文学園女 108-82 市尼崎
大阪薫英女学院 101-34 草津東
[1回戦]
大商学園 87-71 百合学院
近江兄弟社 86-36 市和歌山
日ノ本学園 83-66 奈良女
三田松聖 102-60 郡山
関西大第一 79(-52 京都西山
神戸星城 74-51 星林
大塚 73-57 神港学園
大阪桐蔭 99-41 比叡山
奈良文化 68-55 神戸龍谷
好文学園女 83-77 和歌山信愛
市尼崎 91-77 福知山成美
草津東 64-53 園田学園