【注目2歳馬】リアルスティール産駒モノポリオが2馬身半差完勝 ダービー馬弟など有望株を一蹴
【注目2歳馬】リアルスティール産駒モノポリオが2馬身半差完勝 ダービー馬弟など有望株を一蹴
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
母ミスエーニョ8番仔にして初の牡馬
9週連続東京開催の最終週となった6月21、22日に撮影した2歳戦からピックアップするのは、21日の東京5Rに組まれた芝1800m新馬戦だ。
今年のダービー馬クロワデュノールの全弟チャリングクロスや、セレクトセールで3億円超の値がついたダノンオブアイデア、2021年の青葉賞など重賞2勝を挙げたワンダフルタウンの全弟ワンダフルデイズといった良血馬をおさえ、1番人気の支持を集めたC.ルメール騎手騎乗のモノポリオが勝利した。
父リアルスティール、母はミスエーニョ。半姉に2016年ファンタジーS勝ち馬ミスエルテ、2024年フラワーCを勝利したミアネーロ、そして今年のフィリーズレビューを制したショウナンザナドゥと重賞勝ち馬が名を連ねるお馴染みの血統だ。
モノポリオはミスエーニョの8番仔にして初めて産まれた牡馬で、馬体重472kgでデビューを迎えた。12頭立てとなったレースは、内からブラックハヤテが逃げて2番手の外にワンダフルデイズが並ぶ展開。モノポリオはスタートして外にヨレる場面もあったが、すぐに立て直され単独5番手を追走。12.9-11.3-12.1-12.6-12.0(1:00.9)と新馬戦としてはペースが流れた。
4角から直線に向くところで反応の鈍さがあったのか、鞍上が少し気合いをつけるところも見られたが、手応えよく外に持ち出されて前に並びかけると残り200m手前で先頭へ。最後は他馬とはスピードが違ったという印象で、後続に2馬身半差をつける完勝だった。
1:47.8という好タイムでの決着で、後半800mにフォーカスしても12.2-11.5-11.5-11.7(46.9)は優秀と言える。モノポリオ自身もレースの上がり3Fを0.7秒上回る34.0を記録しており、高い能力を秘めていることは証明した。
開催最終週はDコースへと変わったことで前半から流れることが多く、全体的に速いタイムが出たものの、先行馬が有利で上がり自体はそれほど速くないという傾向があった。それらを考慮しても、デビュー戦としては文句なしでレースセンスも感じる内容。中距離の重賞戦線で活躍が期待できそうだ。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
上がり断トツ33.9で差し切りV
22日の東京5R、芝1600mの新馬戦は横山琉人騎手騎乗で5番人気だったグレーターロンドン産駒サノノグレーターが勝利した。
兄姉に目立った活躍馬はいないものの、祖母が2009年のクイーンSを制したピエナビーナスという血統。2024年の北海道サマーセールにて484万円(税込)で落札された。
当初は6月8日、ダノンヒストリーが勝利したレースでデビューを予定していたが出走取消に。仕切り直しで迎えた新馬戦だった。
レースは最内枠からスタートしたマゲバスピードとカズノダイジョウがレースを引っ張る形で隊列は縦長、前半800m通過47.3と流れる。出遅れ気味のスタートとなったサノノグレーターは、中団よりやや後ろの12番手のインを追走していた。
直線に向いて残り400m標識を通過したところでは、各馬ずらっと横に広がっての攻防となったが、大外へと持ち出されると一気の末脚で差し切り。勝ちタイム1:34.6という好時計が記録された。
斤量1kg減の横山琉人騎手騎乗ということもあったにせよ、この日の東京競馬場はかなりの強風で、ゴール前は向かい風。2歳馬にとっては厳しい展開のなか、他馬を1.2秒以上も上回る上がり最速33.9でまとめた点も高く評価できる。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
また、3/4馬身差で2着に敗れたマゲバスピードもしぶとく逃げ粘り、3着の1番人気ダーリングハーストには3馬身差をつけるなど、こちらも能力は高そうだ。
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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