いつ使う?「200km /h超えの超高速直進性」 自動車評論家の桂伸一、田中誠司が試乗した高性能ハイブリッド・スーパーセダンとは?

いつ使う?「200km /h超えの超高速直進性」 自動車評論家の桂伸一、田中誠司が試乗した高性能ハイブリッド・スーパーセダンとは?

今年もやりました2025年版「エンジン・ガイシャ大試乗会」。上半期注目の総勢33台の輸入車にモータージャーナリスト33人が試乗!

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メルセデスAMG E 53ハイブリッド・4マチック・プラスには、渡辺慎太郎さん、河村康彦さん、大谷達也さん、桂伸一さん、田中誠司さんの5人が乗った。今回は桂伸一さん、田中誠司さんの「ここがスゴイ」リポートをお届けする。

「高速安定性こそ真髄」桂伸一

BEVへの道はメルセデスもEQシリーズとして探っているが、HEV、PHEVも実は抜かりなくバリエーションを充実させている。

最新のEクラスはトップモデルのAMG E53ハイブリッド4マチック+で、ドラポジを合わせると、愛車のようにしっくり馴染む。

インパネ中央部から助手席の前まで大型の液晶ディスプレイが拡がり近未来的な内装は近年のメルセデス共通のデザイン。

アクセルを軽く踏む、バッテリーの残量にもよるが、静寂な室内空間そのままにモーター走行開始。タイヤが踏む小石とそれが跳ねる音を感じつつ状況が合えば101kmまでEV走行が叶う。つまり日常使いのほとんどを電気で行ける。

無論そのままエンジンが融合するので燃料がある限り走行できる点がHEV、PHEV最大のメリットで、環境対応含めてこれが主流になる。

2.4トン越えとは思えない車重に瞬発力をもたらせるのはモーターの威力だが、AMGらしく点火した3リッター直6エンジンは加速の延びを倍増する。

国内では余裕としての使用に留まるが、200km /h超えの超高速直進性に無用な操作を必要としない安定性、操作に正確に曲がる特性こそAMGの真髄だと改めて思う。

「さすがAMGのEクラス!」田中誠司

日常の移動手段が先代メルセデスE220dオールテレインゆえ、新型Eクラスには強い興味を持っていた。

結論からいえば機械としての手触りに総じて大きな変化はなかったから「今のクルマは気に入っているので、保証が切れるまでは乗り続けよう」と思ってはいるのだが、新しいPHEVに惹かれる気持ちもある。

E53の電気モーター出力は163ps/480Nmと、それ単体でも筆者の220dが示す194ps/400Nmに遜色ない。西湘バイパスに合流して巡航する程度ならまったくエンジンの世話にならずに済む。

AMG RIDE CONTROLサスペンションの快適性は想像どおりだが、後輪操舵システムを組み合わせた操縦性は、ステアリング中立付近の遊びが目に見えて減り安定性がさらに向上している。ロングランをより楽しめると感じた。

主にモーターによる静かなクルージングを楽しんだので、449psの直6ガソリンターボユニットを満喫するには至らなかったが、一瞬右足に力を込めた際の鋭くも滑らかな加速には、「さすがAMGのEクラス!」と感服した。

メルセデスAMG E 53ハイブリッド・4マチック・プラス

メルセデスAMG E 53ハイブリッド・4マチック・プラスは現行EクラスのAMGトップ・モデルとして日本では2024年12月に発売。449ps/560Nmを発生する3リッター直列6気筒ターボに163ps/480Nmの永久磁石同期モーターを組み合わせ、システム最高出力585ps、最大トルク750Nmを発生する。全長×全幅×全高=4970×1900×1475mm。ホイールベース=2940mm。車重=2430kg。車両価格=1698万円。

写真=山本佳吾/茂呂幸正/小林俊樹

(ENGINE2025年4月号)