【関東オークス回顧】メモリアカフェが5馬身差完勝 ルメール騎手「僕はただのパッセンジャーでした」
【関東オークス回顧】メモリアカフェが5馬身差完勝 ルメール騎手「僕はただのパッセンジャーでした」
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
3連勝で重賞制覇
18日に川崎競馬場で行われた3歳牝馬限定戦、関東オークス(JpnⅡ・ダ2100m)はC.ルメール騎手騎乗のナダル産駒メモリアカフェが勝利。キャリア2戦目の未勝利戦から3連勝で重賞制覇を果たした。
スタートして大外枠から勢いよくハナを奪ったジョートビーが6.7-10.2-12.0とオーバーペース気味に飛ばしていく。1周目のスタンド前に差しかかると12.6-12.9とペースは落ち着いたが、後続を大きく引き離す一人旅。しかし、2角から2周目の向正面にかけて14.2-15.5と一気に失速して後続に飲み込まれていった。
隊列は入れ替わったが、勝負所を迎えてもペース自体は13.4-13.5と上がることはなく、メモリアカフェは序盤の5番手というポジションから楽に3番手の外まで進出開始。「自分で進んでいきましたので、僕はただのパッセンジャーでした」というルメール騎手の言葉どおり、抜群の手応えで最後の直線に向くと後続を寄せ付けることなく5馬身差。勝ちタイムは2:17.3(良)での決着だった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
2走前の未勝利戦(中山ダ1800m)を1:53.3(稍重)で7馬身差、前走の3歳1勝クラス(東京ダ1600m)はクビ差ながら1:34.7(重)と、いずれも好タイムで勝利してきた能力はここに入ってもレベルが違った。
同時に、この勝利は今年3月に開業した柄崎将寿調教師にとっても重賞初制覇となった。馬名の“メモリア”はスペイン語で“記憶”という意味。「僕も初勝利をさせてもらって記憶に残るすごい一頭ですが、皆さんの記憶に残る馬にこれから育っていってほしいなと思います」と語った。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
また、次走については「距離もこなしてくれましたし、ダート競走はJRA、地方競馬、海外でもいろんな選択肢があると思うので、適正なレースを見極めて出走させたいです」とのこと。
いずれの路線にせよ相手関係はより強くなるが、陣営がどういう選択をするのか注目したい。
愛知所属のコパノエミリアが2着
2着には前走、園田で行われた重賞・のじぎく賞を8馬身差で制しての参戦となった愛知所属コパノエミリアが入った。
レース前半は8番手のインを追走し、勝負所では6番手まで徐々に進出。最後の直線だけ外へと持ち出されるとジリジリと脚を伸ばした。3走前の東海クイーンCと前走の勝利で合計20ポイント、今回の2着好走で40ポイントを加算したことで、『グランダム・ジャパン3歳シーズン』の総合優勝にも輝いた。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
コパノエミリアから3/4馬身遅れた3着には、南関東3歳牝馬クラシックの一冠目・桜花賞を制している船橋所属プラウドフレール。序盤は離れた2番手を追走し、2周目向正面で先頭に立ってからも13秒台半ばのラップでうまくペースをコントロールできたことが粘り込みに繋がったと言える。
地方所属馬が2、3着に入った一方で、その他のJRA勢はチューリップ賞の勝ち馬でこれが初ダートだったクリノメイが最後まで上位争いに食い下がったものの、プラウドフレールからクビ差遅れの4着まで。
好位から運んだクリノスワローは2周目4角で手応えが怪しくなり、さらに4馬身離された5着。中団を追走していたツキノアカリも最後は失速する形でクリノスワローから1馬身半遅れた6着に終わった。
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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