FIRE達成者7人が教えてくれた、「貯金」に関する最も賢いアドバイス

収入ではなく支出に注目する, 最初の小さな蓄えをつくるために、懸命に働き、多くを犠牲にする, 稼いで、ためて、投資する, クレジットカードの特典を最大限に活用する, コンフォートゾーンを出て、お金に関する厳しい決断を下す, 純資産の目標を決める

FIRE達成者が貯金する最善の方法を教えてくれた。

  • 100万ドルを超える純資産をもつFIRE達成者は、お金を貯め、富を築く方法に精通している。
  • 彼らは、純資産の目標額を設定することが重要だと指摘する。また、自分自身に投資することも大切だと指摘する。
  • FIRE達成者がBusiness Insiderに教えてくれた貯蓄のヒントから、最善のものをピックアップした。

若くしてじゅうぶんなお金をため、FIREに成功した人々は、当然ながらお金をためる方法に詳しい。

私はこれまで数多くのFIRE経験者と話し、多くを学んできた。彼らのほとんどはミリオネアとして退職した。私は資産形成に関する洞察に満ちたアドバイスだけでなく、彼らのお金そのものに対する考え方にも、何度となく感銘を受けてきた。

特筆すべきは、彼らの知恵が、FIREを目指す人だけに参考になるわけではない点だ。「普通の」定年退職のために貯金している人やほかの長期的な目標を追っている人も、大いに参考にできる。

純資産の目標額を決めることに始まり、収入の20%を貯金に回すこと、さらには投資して複利を得ることにいたるまで、以下で彼らのアドバイスを紹介する。

収入ではなく支出に注目する

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クリス・ライニング氏。

一代でミリオネアになり、37歳で引退したクリス・ライニング氏は、「リッチに暮らすこと」と「豊かであること」のあいだには違いがあると考える。

彼はこうツイートしたことがある。「リッチに暮らすこと:50万ドル(約7500万円、1ドル=150円換算。以下同)を稼ぎ、50万ドルを使い、あとには何も残らない。リッチであること:10万ドル(約1500万円)を稼ぎ、4万ドル(約600万円)を使い、銀行には100万ドル(約1億5000万円)がある」

富を数字や物質で測るのではなく、行動の観点から豊かさを定義しているのだ。 「リッチになりたいと言う人々は、実際には、リッチな人のようにお金を使いたいと言っているのだ。彼らは高額の給料を稼ぐことに意識を向ける」とライニング氏は私に語った。「ですが、それはリッチであることの定義ではない。リッチであるとは、生活費を超える収入を生み出す資産がある状態を指す」

ライニング氏はこう続けた。「寝ているあいだにも配当や投資の利益で年間5万ドルを稼ぎ、そのうち4万ドルを使って生きている人はリッチだ。私の友人は50万ドルを稼ぎながら、私立学校、別荘、贅沢なライフスタイルを維持しているため、銀行口座には何も残っていない。貧しいのだ。つまり、“豊かさ”は給料の額とはほとんど関係ない」

「豊かになり、豊かであり続けることで最も重要なのは、収入以下の生活を維持すること。それができれば、リッチに暮らす人々には決して経験できない自由が得られるだろう」

最初の小さな蓄えをつくるために、懸命に働き、多くを犠牲にする

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Courtesy of JP Livingston

200万ドル(約3億円)の資産を築いて28歳で退職したJP・リビングストン氏は、お金がまったくないのと、お金が少しだけあるのでは、その違いは「驚くほど大きい」とBusiness Insiderへの投稿で指摘した。

「お金が多ければ多いほど、選択肢が増える」と彼女は書いている。「優れた選択肢が増えるのだ。お金は増えれば増えるほど、巨大な富に向かうスピードも速くなる。お金がお金を生むので、最初の小さな蓄えをつくるために、懸命に働き、多くを犠牲にすることに価値があるのだ」

たとえば、彼女は富を蓄積してきたおかげで、大手銀行の個人顧客として住宅ローン金利の割引を受けることができた(住宅ローンの割引は個人顧客であることの特典)。その資格を得るために、長期保有株の一部をその銀行が管理する口座に移した。

蓄積してきた資産があったため、ローン期間全体にわたって30万ドル(約4500万円)分の割引を得たうえに、証券会社の契約ボーナスを利用することもできた。

「最初の1万ドル(約150万円)、2万ドル(約300万円)、あるいは10万ドルをためるために、あらゆる努力をしよう」とリビングストン氏は書いている。「それが雪だるまとなって、富が予想よりも速く膨らんでいくだろう」

稼いで、ためて、投資する

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ESI Money

ESI Money」というパーソナルファイナンス系ブログを運営し、52歳で300万ドル(約4億5000万円)の資産を築いて退職したジョン氏(フルネームは明かしていない)は、過去数年で100人のミリオネアを取材した。

ジョンはあるブログ記事で、その取材から学んだことを発表し、彼らが富を築くために用いていた単純な戦略を明かした。

「取材したなかには、ひとりやふたりぐらいは運がよかった人もいたが(スタートアップで働いていて、その会社が大きくなってストックオプションが支払われた、など)、彼らのほとんどは昔ながらの方法で富を築いていた。たくさん稼いで、たくさん貯金して、長期的に投資していたのだ」と、ジョン氏は書いている。

そして、こう付け加えた。「彼らは時間をかけて堅実にお金を動かし、最終的に裕福になったのだ」

とても単純に聞こえるが……実際に、単純な話なのだ。

「豊かになるのは簡単だ。何年も、収入と支出のあいだにギャップをつくればいい」。さらにこう書いている。「莫大な遺産も、株式に関する裏情報も、必要ないのだ」

クレジットカードの特典を最大限に活用する

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Courtesy of Mr. Crazy Kicks

34歳で退職し、ブログを運営しているミスター・クレイジー・キックスは以前Business Insiderに、彼が早期退職する前に知っておけばよかったと後悔したことを教えてくれた。

その話によると、旅行節約術は「簡単かつ実り豊か」で、もっと前から利用していたらよかったのに、と思ったそうだ。

「トラベルカードに申し込み、いつもどおりの支出でかなりの入会ボーナスを得ることができた」とミスター・クレイジー・キックスは言う。「数カ月後、私たちはそのボーナスを使って無料でコロラドへ飛び、その旅行でさらに2400ドル(約36万円)の旅行クレジットを獲得した。それ以来、私たちは10を超えるカードに申し込み、スペイン、コスタリカ、ジャマイカ、グレナダに旅行した。すべて無料だ」

「結局のところ、無料マイルをためるのに使う時間は、かつて格安航空券を探すのに費やしていた時間と大差ない。たった1年で、私たちはおよそ1万ドル分を無料で旅行できた。数枚のクレジットカードを管理するのに時間を費やしたかいがあったと言える」

注:クレジットカードの残高を毎月きちんと全額返済している場合にのみ、そのような価値が得られる。

コンフォートゾーンを出て、お金に関する厳しい決断を下す

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写真はイメージ。

ブログ「Think Save Retire」を運営するスティーヴ・アドコック氏によると、支出を減らして貯金額を増やすなど、それまで避けてきたお金にまつわる厳しい決断を下すには、コンフォートゾーンを出る必要があるそうだ。

「支出は依存症で、人々は精神的に、意思決定プロセスに快適さの種を植えようとする」と、彼は言う。

「逆に言えば、FIRE達成者は、たとえそうするのが快適でなかったとしても、自分の経済目標に合致している有益な決断を下し、社会あるいは友人や家族が自分の経済状況に干渉してくるのを拒む」

自分に投資する

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写真はイメージ。

43歳で退職したカール・ジェンセン氏は「GoBankingRates」に寄稿し、そのなかでみずからのFIREまでの旅を振り返っている。今思い返すと、彼は、幸福は経済的自立からではなく、自分の内側から得られるのだと、もっと早く知っておきたかったそうだ。

「私は外的な要因(仕事を辞める)が幸せをもたらしてくれると信じていた。でも本当は、その時間を、もっと内的な幸せのために使うべきだったのだ」という。「今になって、幸せは自分の内側からくることに気づいた」

「自分を高めるべきだ。毎日の暮らしのなかに美しさを見つけよう。意味と目的と意図をもって生きるのだ」

純資産の目標を決める

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Financial Samurai

早期退職し、「Financial Samurai」というブログを運営するサム・ドゲン氏は経済的なゴールにたどり着き、退職計画を実現するには、純資産の目標額を決めることが重要だと強調する。

「誰もが、年齢、職歴、収入に応じて、純資産目標をもつべきだ」と彼は書いている。「目標があれば、計画を守りやすくなるし、遅れが生じたときにその分を取り返すやる気も出てくる」

「あまりにも多くの人が、10年後ぐらいに目を覚まし、お金がどこへ消えてしまったのかと首をかしげるのだ。純資産目標を印刷して冷蔵庫に貼っておきさえすれば、彼らも道を外れることはなかっただろう」

ドゲン氏は、年齢と勤続年数にもとづいて総収入を数倍に乗算し、年を取るにつれていくら貯蓄しておくべきかのガイドラインを作成した。それを利用すれば、仕事を始めてから10年で勢いを増し、より高い倍数にもとづいた純資産目標額の達成が容易になるそうだ。

※本記事は、2024年6月21日に初出した記事の再掲です。