カワサキ「Ninja ZX-9R」の系譜|カワサキらしい個性と実用性を備えた万能スーパースポーツ【バイクの歴史】
1994年にデビューしたカワサキ「Ninja ZX-9R」。現代の「Ninja ZX-10R」へとつながる系譜を見ていこう。
まとめ:オートバイ編集部

カワサキ「Ninja ZX-9R」の特徴

Kawasaki Ninja ZX-9R 2002年・輸出車総排気量:899cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:827mm 乾燥重量:188kg
ハイパフォーマンスと扱いやすさの好バランス
ZZ-R1100で世界最速の座を手に入れていたカワサキ。1992年にホンダから登場した初代ファイアーブレード・CBR900RRの大ヒットをきっかけに気運が盛り上がったスーパースポーツカテゴリーへの参入を狙って開発したのがニンジャZX-9Rだった。
1994年登場の初代はスーパーバイクのZXR750がベース。エンジンはボア・ストロークを拡大。899ccの排気量から143PSを叩き出し、CBR900RRに肉迫したが、ライバルに対して車格がやや大柄だったこともあり、ユーザーからはスポーツツアラー的なイメージも持たれがちであった。
それを受けて、1998年登場のC型ではベースをZX-6Rとすることで大幅な軽量化に成功。以降、2000年登場のE型と、年を追うごとに9Rも高性能化の道を歩むことになる。
ただ、最終モデルのF型以外は全てテールカウルにグラブバーを備えるなど、実用性も重視されており、SSながら使い勝手の良さも特徴のひとつだった。
カワサキ「Ninja ZX-9R」の注目ポイント

下部に小さな液晶モニターを備えるが、メーターはオーソドックスなアナログ2眼。色気はないが、視認性と実用性は文句ナシだった。

消音効果の高い大型サイレンサーはオーソドックスな丸形。チェーン調整も一般的なスライドカム方式となっている。

撮影車は9R最終型となる2002年のF型。この年からブレーキキャリパーが4ポットに変更された。フォークは最後まで正立だった。

最終のF型では車体各部の剛性が見直され、エンジンマウントもリジッド化。スイングアームも補強アームの付くやぐらタイプになった

1998年のC型以降、テールカウルには大型のグラブバーが標準装備されていたが、F型では廃止。タンデムシートの座面はは大きくフラット。
カワサキ「Ninja ZX-9R」の動画・写真
カワサキ「Ninja ZX-9R」の系譜
Ninja ZX-9R (B型)/1994年

輸出車
ホンダCBR900RRを対抗馬に作られたスーパースポーツ。基本構成はZXR750を踏襲し、エンジンもZXR用をスケールアップしたもので、ツインラムエアにより最高出力139PSを実現。「マジック9」の愛称でも親しまれた。
Ninja ZX-9R (C型)/1998年

輸出車
先代モデルで課題だった車重の重さをフルモデルチェンジによって35kgの軽量化に成功。完全新設計の水冷直4ユニットによってパフォーマンスが大きく向上した。
Ninja ZX-9R (E型)/2000年

輸出車
新設計のアルミペリメターフレームにメッキシリンダー採用の新型直4エンジンを搭載。外観は大きく変更され、足まわりも作動性をさらに向上させたものとなっている。
Ninja ZX-9R (F型)/2002年

輸出車
エンジンはクランクマス増量やCVKDΦ40mmキャブの採用など、細部まで煮詰めらている。本モデルから排ガス対策も施され、車重は3kg増となっている。
Ninja ZX-10R /2003年

輸出車
国産4メーカーで1000ccのスーパースポーツ最後発となったZX-10R。サーキット性能ナンバーワンを目指し、乾燥重量170kgに対し、フルブーストで185PSを発生。パワーウエイトレシオは1kg/PS以下を実現した。
まとめ:オートバイ編集部