「大谷の残骸だけが残った…」崩壊したチームで菊池がただ燃え尽きていく無援のマウンド

引用:gettyimagesKOREA

大谷翔平が去った今、エンゼルス先発陣の命運を背負うのはベテラン左腕・菊池雄星(34)だ。だが、勝利という結果にはなかなか手が届かない。

4日(日本時間)、ボストンのフェンウェイ・パークで行われたレッドソックス戦に先発登板した菊池は、5回を投げて8被安打(1本塁打)、5奪三振、5四球、3失点。試合は勝敗つかずで終えた。

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今季から3年6300万ドル(約90億427万円)のFA契約でエンゼルスに加入したが、13試合を投げて1勝5敗、防御率3.23と、数字ほどの「悪さ」はない。WHIPは1.59、被打率.266でキャリア平均をやや上回るが、内容は悪くない。むしろ「勝てるはずの投球」が続いている。

昨季途中、トロント・ブルージェイズからアストロズへ移籍した際には、10試合で5勝1敗、防御率2.70とエース級の働きを見せた。フォーシームは150キロ超え、スライダー、チェンジアップ、カーブで緩急を操るスタイル。制球にムラがあるとはいえ、打者を翻弄するには十分な武器を持つ。

この日も13人の走者を出すなど安定感に欠けたが、大量失点を防ぎ試合を壊さなかった。だが、味方打線の援護が続かない。3回に3点を奪った以外は沈黙し、勝利投手の権利を活かせなかった。

そもそも今季のエンゼルス打線は深刻だ。チーム打率.225はメジャー27位。OPSは10位と健闘しているものの、得点圏打率.243(MLB19位)、得点圏OPS.734(13位)と、要所での決定力に欠ける。

大谷翔平が移籍し、マイク・トラウトも度重なる故障で「総合病院状態」。この日も安打と四球を1つずつ記録したものの、攻撃をけん引するには至らなかった。

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先発陣全体で見ても苦しい。今季最多勝は4勝のホセ・ソリアーノ(12試合4勝5敗、防御率3.41)。防御率3.86のタイラー・アンダーソンも2勝2敗。エース格の3人が勝ち星を稼げない状況では、チームの上昇気流も望み薄だ。

菊池自身、圧倒的な投球を続けているとは言い難い。それでも毎試合、最低限の役割は果たしている。問題は「勝てるはずの投球」が報われない環境にある。

「ポスト大谷」時代のエンゼルスは、打線・投手・チーム力すべてが再構築の段階にある。菊池雄星がこの混迷を乗り越え、もう一度「勝利の系譜」に戻れるか。次回登板に注目が集まる。

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