カワサキ「ZRX1100」の系譜|ZRX1200ダエグまで続いた現在でも人気の水冷ビッグネイキッド
カワサキ「ZRX1100」は1996年にデビューした。その後排気量アップを伴うモデルチェンジを経て、2016年の「ZRX1200ダエグ ファイナルエディション」までシリーズは継続した。
まとめ:オートバイ編集部

カワサキ「ZRX1100」の特徴

Kawasaki ZRX1100 1996年総排気量:1052cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:790mm 乾燥重量:222kg発売当時価格:94万円
コンパクトな車体にZZ-R系のエンジン
ゼファーの大ヒットでネイキッドブームを巻き起こしたカワサキだったが、ほどなくライバルメーカーたちも追随。強力なライバルたちの包囲網を打破するため、新たな個性と商品力を備えた新シリーズの誕生が求められ、カワサキが1994年に400ccクラスに投入したのがZRXだった。
かつてのZ1000R“ローソンレプリカ”を思わせる角ばったスタイリングとパワフルな水冷エンジンの採用で、ZRXは一躍人気となる。
この流れで1996年に投入されたのが、シリーズの旗艦・ZRX1100。人気ビッグネイキッドであるCB1000SFを追撃する、カワサキの切り札だった。
エンジンはZZ-R1100をルーツとする1052ccユニット。パワーは国内仕様で実に100PSを実現。車体と足まわりも走りを意識した構成で、大型ながら軽快なフットワークを披露。400同様、ローソンレプリカ風のスタイリングも好評で、ZRXシリーズはカワサキの人気ブランドのひとつに成長。2001年にはZRX1200、2009年にはZRX1200DAEG(ダエグ)へと発展していく。
カワサキ「ZRX1100」の注目ポイント

アナログ2眼メーターはメッキ仕上げの砲弾型ケースを備える。これは同年登場のカウルレス版「ZRX1100 II」とパーツを共用していたため。

エンジンの直接のベースは1994年に登場したGPZ1100だが、これはZZ-R1100のユニットがルーツ。吸気をサイドドラフトに戻し、国内仕様のパワーは100PS。

Φ310mmダブルディスクにトキコ製6ポットキャリパーの組み合わせで、ブレーキまわりは豪華だった。フロントフォークは正立。

アルミ製トラス型スイングアームはローソンレプリカ・Z1000Rベースの市販レーサー、Z1000S1風。リアショックはリザーバータンクつき。
カワサキ「ZRX1100」の系譜
GPZ1100/1995年

発売当時価格:86万9000円
「スポーツとツーリングの融和」をコンセプトに開発された、カウルを備えるスポーツツアラー。低回転からでもスムーズに噴け上がる特性や、ゆったりとした乗車姿勢、高い防風性能からツーリングユースとして人気を博した。ZRX1100はこのモデルと同系エンジンを搭載し、異なる方向性に仕立てられた。
ZRX1100/1996年

発売当時価格:94万円
1980年代に大人気となったZ1000R“ローソンレプリカ”のスタイルを巧みに再現したスポーティなビッグネイキッド。コンパクトなサイズと力強いZZ-R1100ベースのエンジンは軽快な走りを可能にした。
ZRX1100 II/1996年

発売当時価格:92万円
ZRX1100からビキニカウルを取り外したオーソドックスなネイキッドモデル。6ポットキャリパー、トラススイングアームなどの基本構成は共通だ。
ZRX1200R/2001年

発売当時価格:96万円
排気量が1164ccにアップし、メッキシリンダーやK-TRIC付きのCVK36Φキャブレターを採用した新型エンジンを搭載。フレームの改良や、楕円断面トラススイングアームの採用でスポーツ性能が大幅に向上している。
ZRX1200S/2001年

発売当時価格:99万円
ZRX1200Rをベースに、マルチリフレクターデュアルヘッドのハーフカウルを装備したツアラーモデル。エンジンやシャシー構成はRと共通。メーターは専用品で独特なアナログ3連タイプを採用。
ZRX1200 DAEG/2009年

発売当時価格:112万円(ツートーンカラーは114万円)
日本専用モデルとなり、市街地や峠道など日本の道路環境に合わせて大幅改良。FI化された新エンジンは最高出力110PSを発揮し、そして剛性バランスに優れたシャシーでスポーツ性も大きく向上した。2016年9月発売のファイナルエディションまでその歴史は続いた。現在でも中古車市場で人気を博している。
まとめ:オートバイ編集部
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