写真で見る トヨタ新型「RAV4(6代目)」
新型RAV4の日本での発売は2025年度内の予定
トヨタ自動車「RAV4」はミドルサイズのクロスオーバーSUV。今回ワールドプレミアとなった6代目モデルではガソリンエンジン車を廃止し、新開発のハイブリッドユニットを搭載したハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)のラインアップとなる。また、ソフトウェアづくりのプラットフォーム「Arena(アリーン)」を新たに採用し、さらなる「安心・安全」とともに「移動の楽しさ」を実現する。
なお、今回紹介するのはすべてプロトタイプで、詳細なスペックも未公表となっている。そのあたりは2025年度内とアナウンスされている正式発表を待ちたい。
RAV4はRVブームまっただ中の1994年にデビュー。本格オフロード4駆が人気を集める中、街乗りでも扱いやすいライトなモデルとして登場。デビュー当初は3ドアモデルのみだったが、後に5ドアが追加されたことで乗用車からの乗り換えユーザーが増加し人気を集めた。その後、2001年に2代目、2006年に3代目、そして2013年には4代目へとモデルチェンジ。ただ、4代目モデルはRV市場が縮小傾向にあったこともあり日本市場に投入されることはなく、ここでいったん歴史にピリオドが打たれた。だが、2019年に登場する5代目(現時点での現行モデル)はオフロード色を強めるとともに、パワートレーンも大幅に強化。ガソリンエンジン車だけでなくHEVを用意したほか、のちにPHEVも追加するなど、電動化時代のSUVらしいラインアップとなった。こうした結果、国内をはじめ180以上の国や地域で販売され年間100万台以上、累計1500万台以上を販売するグローバルモデルへと成長を遂げている。
2025年度内中に発売予定の新型RAV4プロトタイプ。左からRAV4 Woodland(RAV4 ADVENTUREの北米仕様)、RAV4 CORE、RAV4 GR SPORT
歴代モデル
1989年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカー「RAV-FOUR」
1994年登場の初代モデル
2001年登場の2代目
2006年登場の3代目
2013年登場の4代目は日本市場への投入が見送られた
2019年登場の5代目(現行モデル)
6代目となる新型は「Life is an Adventure」を開発コンセプトとし、「だれもがこのクルマでそれぞれのアクティブな生活を楽しんでいただける」ことを目指した。そのために用意されたのが、新開発のハイブリッドシステムをはじめ新時代にふさわしいデザイン、そして使い勝手や知能化を推し進めるキーとなるAreneの採用といった部分だ。
まずはパッケージから見ていきたい。クルマの骨格は先代から引き続き「GA-K」プラットフォームとなるが、ねじり剛性やサスペンション剛性をアップさせた改良型となり、従来モデルより約10%の向上をはたしている。加えてフロアまわりに微小な振動を取り除く高減衰接着剤を使用することで、よりフラットな走り出しときびきびしたコーナリング性能を実現しているという。
ボディサイズはユーザーからの「ちょうどいい」に応え、4600×1855×1680mm(全長×全幅×全高)と、全高が5mm抑えられた以外は先代モデルを踏襲。そのうえで、「Big Foot」(大径タイヤを強調)、「Lift-up」(高い走破性を想起)、「Utility」(使いやすい荷室空間)をポイントに、「CORE」「ADVENTURE」「GR SPORT」と3種類の異なるスタイルを用意することで多様化するユーザーニーズに応えている。
RAV4 COREプロトタイプ
RAV4 GR SPORTプロトタイプ
RAV4 Woodlandプロトタイプ(RAV4 ADVENTUREの北米仕様)
ラゲッジスペースに関しても荷室容量を733Lから749Lへと拡大しつつ、リアシート折り畳み時の角度を10度から5度に抑えるなど使い勝手をアップしている。内装も同様に水平基調としつつ、運転のしやすさやデジタルデバイスの使い勝手の向上を目指すなど、イマドキのクルマらしいコンセプトで仕上げられている。
パワートレーンはHEVとPHEVの2タイプを用意。スペックに関する詳細な情報は公開されていないので、現地での取材による予想を含めた話になってしまうがご容赦いただきたい。まず、エンジン部分は「基本的に先代同様」とのことなので、2.5リッター直列4気筒ユニットになる。そのうえでトランスアクスル、パワーコントロールユニット、電池などの改良を実施しモーター出力を向上することで、シームレスな加速感や軽やかな出足などを実現。4WDに関しては従来型と同じくE-Fourで、リアモーターは据え置きとなるようだ。
PHEVに関しては組み合わされるハイブリッドユニットが第6世代へと進化しており、従来別体となっていたDC-DCコンバータを一体としつつ高さを15%、重さを18%低減。そのうえで出力に関しても12%向上するなど小型・高効率化が進められている。同時にフロントの駆動モーターも強化されており、こちらでも約12%の出力アップを実現。組み合わされる電池はリチウムイオンバッテリで変わらず容量を30%向上。従来型のEV走行距離は95kmだったが、高効率化の恩恵もあり150km(開発目標値)へと約1.5倍まで伸ばした。また、V2H(Vehicle to Home)や急速充電にも対応するなど利便性も向上。50kW以上の急速充電使用時(最大125A)は約30分で満充電の80%まで充電することが可能になった。
第6世代へと進化したハイブリッドユニット
リチウムイオンバッテリは容量を30%アップ
先進安全機能はToyota Safety Senseの最新版を搭載。ドライバー異常時対応システムに減速して路肩に寄せて停車(条件あり)するといった機能などが追加されている。
RAV4 CORE
クラウンやプリウスなど最近のトヨタ車のデザインをSUV向けに落とし込んだ「SUVハンマーヘッド」を採用。バンパーとフロングリルを一体化したデザインとすることで先進感と強さを立体的に表現している。
RAV4 CORE
撮影車両はプロトタイプでHEVモデル
ヘッドライト
テールランプ
エンジンは直列4気筒2.5リッターを搭載
撮影車両のタイヤはトーヨータイヤ「プロクセスsport」。サイズは235/50R20
水平基調のインパネ。大きくワイドなデジタルメーターパネルとセンターディスプレイが目をひく。上面が40mm低くなったため見晴らしがいい
ステアリングは乗用車系モデルとは異なるデザイン。四角いホーンパッドあたりは「ランドクルーザー250」に似た印象
デジタルメーターはさまざまなスタイルの表示が可能
メーター表示のアレンジ
シフトバイワイヤー&電動パーキングブレーキの採用でシンプルになった
エアコン吹き出し口下は中央がワイヤレス充電を備えたスマホ置き場、左右にドライブモードの切り替えスイッチなどが並ぶ。その下段は小物入れとUSB端子など。ヒルディセントやオートパーキングらしきボタンもある
インパネ中央に大型のディスプレイを配置。詳細は不明ながら「新世代マルチメディアをトヨタ初採用」と紹介されており音声認識にも対応
フロントシート
ドアにはパワーウィンドウスイッチなど
リアシート。中央には収納式のアームレストが備わる
フラットなラゲッジスペース。開口部との段差が従来モデルより抑えられている
RAV4 GR SPORT
モータースポーツの知見から生まれたスポーツコンバージョンモデル。国内では「カローラクロス」「アクア」「ランドクルーザー」などに次ぎ7車種目としての設定となる。外観には専用フロントバンパーのほか専用リップスポイラーや専用リアスポイラーを装着するほか、足まわりでも20mmのワイドトレッド化と専用サスペンションチューニングが組み合わされるほか専用EPSチューニング、フロントパフォーマンスバンパー、専用リアサスペンションブレース、専用軽量アルミホイールなどを装着する。
RAV4 GR SPORT
撮影車両はプロトタイプでPHEVモデル
専用デザインのフロントバンパーはGRに共通の「G」をモチーフにした六角形のメッシュ形状「Functional MATRIX」グリルを採用
大型リアウイングスポイラーにより走行安定性を向上
リアバンパーは下部がディフューザー形状
ホイールは鋳造ながら1本あたり2.2kg軽量化した専用形状
リアサスペンションブレースはノーマル(写真左)が凹形状なのに対しGR SPORTでは開口部をふさいだ専用パーツとすることで剛性をアップ
ボディ下面の空気をスムーズにディフューザーに導くためにサスペンションにもカバーを装着
ロアアームに同カバーが装着されている
フロントまわりの剛性をアップするパフォーマンスダンパー
専用のスポーツシートは静電気除去機能付き
PHEV仕様のエンジンルーム
左サイドに急速充電用のCHAdeMO(チャデモ)コネクタ
右サイドには普通充電用のコネクタがある
専用アルミホイールを装着。撮影車両のタイヤはブランド、サイズともRAV4 CORE同じ
インパネまわり
ステアリングはレッドステッチを採用した専用アイテム
シフトまわり
ペダルはアルミタイプ
オートモード付きのEV、HV切り替えスイッチを用意
標準装備またはオプションで専用タイプのスカッフプレートやフロアマットが用意されるようだ
運転席ドアトリム。
RAV4 ADVENTURE(実車は北米仕様のWoodland)
アウトドアテイストのモデル。ワイドトレッド化&専用ホイールアーチモール、縦比率の高い大型グリルなどを採用することでラギット感と力強さを表現する。
北米仕様となるRAV4 Woodland。日本国内では右ハンドルでRAV4 ADVENTUREとして販売される。撮影車両はプロトタイプでHEVモデル
ルーフレール活用事例
タイヤはダンロップの「グラントレック」を装着。サイズは235/65R18
コクピットまわり
ステアリング
シフトまわり
前席
後席
ラゲッジスペース
後席を倒した状態のラゲッジスペース
ラゲッジスペースにもAC100V電源を用意