トヨタが新型「RAV4」を世界初公開 デザインとハイブリッドシステムを刷新

トヨタが新型「RAV4」を世界初公開 デザインとハイブリッドシステムを刷新
トヨタ自動車は2025年5月21日、SUV「RAV4」の新型を世界初公開した。
トヨタRAV4は今を時めくクロスオーバーSUVのパイオニアとして1994年に初代モデルがデビュー。以来、180以上の国と地域で累計1500万台以上が販売されてきたベストセラーモデルである。
今回の新型は6代目。「Life is an Adventure」をコンセプトに掲げ、誰もがこのクルマでそれぞれのアクティブな生活を楽しめることを目指したという。技術的には最新のハイブリッドシステムの搭載や新たなソフトウエアづくりプラットフォーム「Arene(アリーン)」の採用がトピックだ。
新型のボディーサイズは全長×全幅×全高=4600×1855×1680(プラグインハイブリッド車は1685)mmで、ホイールベースは2690mm。好評を得ている先代モデルからサイズを変えないことを念頭に置いたとのことで、全長と全幅、ホイールベース、前後のオーバーハングに至るまで全く同じ数値を維持している(全高は5~10mm低くなった)。
シャシーはこれまでと同じエンジン横置きの「GA-K」の改良型を使う。ねじり剛性やサスペンション支持剛性の強化を図ったほか、微小な振動を取り除く高減衰接着剤を新規採用。足まわりにはレクサス等でも採用しているショックアブソーバーを採用し、高入力時の乗り心地の悪化を抑制したという。
純ガソリンモデルの設定がなくなり、新型RAV4はプラグインハイブリッド車(PHEV)とハイブリッド車(HEV)の2本立てになった。いずれも細かな諸元は未発表ながら、PHEVにはトヨタ初搭載の第6世代のハイブリッドシステムを搭載。フロントアクスルへのシリコンカーバイド半導体の採用などによって小型化と効率化を実現したほか、駆動伝達系の損失を低減して燃費を向上。駆動用電池の大容量化と合わせてEV走行換算距離をこれまでの95kmから150kmに延ばしたという(開発目標値)。
効率の追求ばかりではなく、「電動車だからこそ」カスタマーに満足してもらうことを目指してモーター出力を12%強化し、RAV4らしい走破性を実現。V2Hにも対応したほか、DC急速充電もできるようになった。
一方のHEVはトランスアクスルとパワーコントロールユニット、電池等の改良によってこちらもモーター出力を強化。軽やかな出足とダイレクトな駆動力レスポンスが味わえるという。
エクステリアデザインは「Bigfoot(大径タイヤを強調)」「Life-up(高い走破性を想起)」「Utility(使いやすい荷室空間)」の3つをテーマに「どこへでも行けそう」というRAV4らしさを表現。世界中のカスタマーの要望に応えるべく「CORE(コア)」「ADVENTURE(アドベンチャー)」「GRスポーツ」の3つのスタイルを設定している。コアはボディー全体の塊で構成した「SUVハンマーヘッド」と呼ばれるデザインを採用し、バンパー一体型グリルで先進感と強さを立体的に表現した。アドベンチャーはワイドトレッド化と専用ホイールアーチモール、縦比率の高い大型グリルを採用し、SUVらしい力強さを強調。ハンマーヘッドのノーズピークも高くなっている。GRスポーツはGRモデルに共通の「ファンクショナルマトリックスグリル」の進化型を採用したほか、前後スポイラー等で空力性能も強化。ワイドトレッド化(+20mm)に加えて、サスペンションや電動パワーステアリングには専用のチューニングを実施し、専用の軽量アルミホイールも装備する。アドベンチャーとGRスポーツは全幅が1880mmとなる。
インテリアにはディスプレイやシフトセレクターなどを島のように一体的に配置する「アイランドアーキテクチャー」を採用。インストゥルメントパネルの高さを従来モデルよりも40mm下げて前方視界を拡大している。小型のシフトセレクターと電動パーキングブレーキ&ブレーキホールドのスイッチを一列にまとめてレイアウトし、運転中の視線移動を最小化。普段はアームレストとして使用し、裏返すとトレイになるリバーシブルコンソールボックスも新しい。車両サイズを維持しつつ荷室容量を749リッターに拡大したほか(これまでは733リッター)、後席格納時の跡地をよりフラットにすることで長尺物の収納性向上を図っている。
ウーブン・バイ・トヨタで開発を進めるアリーンの採用により、新世代のマルチメディアシステムと最新の「トヨタセーフティーセンス」の搭載が可能になった。
大型のセンターディスプレイはグラフィックの表現力が大幅に向上し、表示コンテンツは好みに合わせたカスタマイズが可能。音声認識機能は応答速度と認識性能が進化した(認識結果表示までが3.6秒→1.0秒に)ほか、音声で操作できる機能も大幅に増えたという。
最新のトヨタセーフティーセンスでは、急病などでドライバーの運転が困難になった場合に自動的に減速・停車するドライバー異常時対応システムが進化。路肩に退避スペースができた場合には、減速後に路肩に寄せて停車できるようになった。また障害物の有無にかかわらずアクセルの踏みすぎ・踏み間違いを検知すると加速を抑制する「急加速抑制」も標準装備化されている。
新型RAV4の日本での発売は2025年度内の予定。それまでにはパワートレインの諸元をはじめとしたより詳細な情報が発表されるだろう。
(webCG)

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