従業員2万人削減から3日後…日産が選んだのは「フォーミュラEへの全力投資」だった

日産自動車は14日、東京・有明で今週開催されるフォーミュラE東京大会に出場する日産フォーミュラEチームの記者会見を行った。自国開催となる今回のレースに向けて、チームは好成績への強い意欲を語った。これは、従業員2万人削減を含む経営再建計画を発表してからわずか3日後の出来事だった。

レーシングチームの運営には、通常であれば数百億円規模の資金が必要とされる。それにもかかわらず、営業利益率が0.6%という厳しい経営環境の中で、日産はこの分野への投資を選択した。一般的には採算性が重視されるが、同社はあえて異なる道を歩んでいる。それにもかかわらず、自動車専門メディアからは批判の声が聞かれていない。

日産フォーミュラEチームは、「Tokyo E-Prix」への出場に向けて盤石の体制を整えている。ここまでのシーズンでは、モナコグランプリ第6戦でオリバー・ローランドが優勝、第7戦ではポールポジションを獲得後に2位でフィニッシュするなど、安定した成績を収めている。今シーズン7戦で3勝を挙げたローランドは、ドライバーランキングで115ポイントを獲得し、現在首位に立っている。チームランキングでも日産は現在2位につけており、好調を維持している。

フォーミュラE東京グランプリは市街地サーキットでの開催となるため、コースは狭く変化に富んでおり、観客との距離も近い。視覚的にスリリングな展開が期待される。日産フォーミュラEチームは、ジェッダやモナコに続いて「アタックモード」を導入する。これは出力を10%向上させる仕組みで、瞬間的な性能アップが可能となる一方、発動タイミングを誤ると順位を落とすリスクもある。勝敗の鍵を握る戦略要素として注目されている。

会見では、日産がEVレースゲーム「ニスモ エレクトリックレーサー 東京」を同時発表。さらに、自国開催を記念し、イラストレーター吉田健太郎とのコラボによるビジュアル作品も披露された。

一方、日産は13日、2026年までに総額5000億円のコスト削減を図る経営再建計画を公表。計画には従業員2万人の削減と、7つの生産工場の縮小が盛り込まれている。また、新型スカイラインに加え、グローバル市場向けのCセグメントおよびDセグメントSUVをそれぞれ1車種投入する方針も示された。

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