麻薬王から没収の2兆円超、最貧困層に分配を メキシコ大統領

麻薬王から没収の2兆円超、最貧困層に分配を メキシコ大統領

【AFP=時事】メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は27日、米国に対し、有罪判決を受けたメキシコの麻薬王イスマエル・サンバダ被告から没収する見込みの150億ドル(約2兆2150億円)をメキシコの貧困層に分配するよう求める意向を示した。

麻薬王から没収の2兆円超、最貧困層に分配を メキシコ大統領

メキシコの麻薬組織「シナロア・カルテル」の共同創設者の一人であるサンバダ被告は25日、米ニューヨークの裁判所で殺人、フェンタニルなどの違法薬物取引密売の罪を認めた。フェンタニルは強力な合成麻薬で、米国では毎年数万人が過剰摂取により死亡している。

麻薬王から没収の2兆円超、最貧困層に分配を メキシコ大統領

サンバダ被告は有罪を認めたことで死刑こそ免れたが、後日、終身刑を言い渡される可能性がある。

当初無罪を主張していたサンバダ被告はこの合意の一環として、不正利得150億ドルの没収に同意した。

シェインバウム氏は午前の定例会見で、「米政府が資産を回収するのであれば、それをメキシコの最貧困層の人々に分配するよう求める」と述べた。

同じくシナロア・カルテルの共同創設者の一人で、既に米国で終身刑に服している麻薬王、「エル・チャポ」ことホアキン・グスマン受刑者に続くサンバダ被告の陥落は、シナロア・カルテルの終焉(しゅうえん)が近いとの臆測を呼んでいる。

だが、メキシコのオマル・ガルシア・アルフシュ治安・市民保護相は27日、シナロア・カルテルの一部派閥の勢力は衰えたが、組織の終焉には程遠いと述べた。

米国がテロ組織に指定しているシナロア・カルテルは、世界最大の麻薬密売組織とみなされており、米・メキシコ国境の両側で活動している。(c)AFP

【翻訳編集】AFPBB News