ガンホー、物言う株主からの「社長解任」提案に強く反対表明「一発屋」など指摘に反論
ガンホー、物言う株主からの「社長解任」提案に強く反対表明「一発屋」など指摘に反論
「パズル&ドラゴンズ」などで知られるガンホー・オンライン・エンターテイメントは15日、9月に開催予定の臨時株主総会にて議案として株主のストラテジックキャピタルから挙がった「森下一雄社長の解任」提案について、取締役会として反対する見解を発表した。
【画像】解任すべき根拠にならない――ガンホー取締役会側の反対見解
ストラテジックキャピタルはいわゆる物言う株主として、同社株式を10パーセント以上保有。臨時株主総会の開催を請求しており、その中での議案として森下社長の解任を要求していた。
この議案に対し、同社は「当社見解に関する説明資料」を公表。森下社長について「当社の業績に大きく貢献しており、当社の企業価値向上の観点から引き続き取締役を務める必要がある」と説明し、森下社長が解任された場合、「当社の企業価値が大きく毀損されるおそれがある」として強い懸念を示した。
森下社長の貢献として、ラグナロクオンラインの日本導入によりオンラインゲーム市場を創出し、パズル&ドラゴンズのリリースでスマートフォンゲーム市場を開拓したことを挙げた。ゲーム事業全体の売上高約1000億円を10年間維持し、子会社化したGravity社の時価総額を3倍に増加させるなど、継続的な成果を上げているとした。
そして、ストラテジックキャピタルが提案理由として挙げた時価総額や営業利益の減少、大手ゲーム企業(任天堂など)との株価パフォーマンス比較について、同社は「恣意的かつ当社の事業実態に整合していない」と反論。
パズドラを「一発屋」とする指摘に対しては、「13年の長期にわたり安定した人気と収益を維持する世界的にみても稀有なタイトル」であり、森下社長の指揮下での絶え間ないアップデートと創意工夫の結果だと主張した。
また森下社長の報酬増額や面談拒否などの指摘についても、「いずれもストラテジックキャピタルの独自見解にすぎない」として退けた。
同社は、森下社長が解任されれば全社特にゲーム開発における統率力とリーダーシップが失われ、ゲームタイトルの収益大幅低下やゲーム開発人材の流出を招くと警告。ストラテジックキャピタルの提案について「解任後の経営体制や悪影響への対応方法が全く示されておらず、無責任」と厳しく批判している。