毎年、2カ月に1度支給される給付金「老齢年金生活者支援給付金」とは?「月額9000円以上」を受けとる人も…!《国民年金保険料の納付状況で受給額が計算されます》

新たに対象となる人には日本年金機構から9月1日より順次「請求書」を送付

「年金生活者支援給付金」とは?《老齢年金・障害年金・遺族年金の3種類》, 「老齢年金生活者支援給付金」を受けとれるのはどんな人?, 「老齢年金生活者支援給付金」の給付基準額は前年度から2.7%も引き上げ!, 「老齢年金生活者支援給付金」の目安金額を早見表でチェック!, 【国民年金と厚生年金】シニアの年金受給額(平均月額)はいくら?, 国民年金の平均月額はいくら?, 厚生年金の平均月額はいくら?, 新たに対象となる人には9月頃に請求書送付!「年金生活者支援給付金」の申請方法, これから65歳を迎える方の申請方法, すでに年金を受給中の方の申請方法, 「年金生活者支援給付金」の支給日はいつ?次回は「10月15日」に支給, 高齢者の生活を支える施策は他にも…

毎年、2カ月に1度支給される給付金「老齢年金生活者支援給付金」とは?「月額9000円以上」を受けとる人も…!《国民年金保険料の納付状況で受給額が計算されます》

老後、年金が少なく、その他の所得を合わせても一定額に満たない方は「老齢年金生活者支援給付金」の対象となります。

公的年金の支給日に、公的年金と同じ口座に振り込まれるこの給付金。次回は、10月15日に8月分と9月分の2カ月分が支給されます。

この給付金の主なポイントは以下のとおりです。

・公的年金の支給日にあわせて、2カ月に1度受け取れる

・給付額は、現役時代の国民年金保険料の納付状況によって決まる

・「請求書」を提出しなければ受け取れない

・支給要件を満たす限り、継続して受給できる

2024年3月末時点での平均支給額は「月額4014円」ですが、人によっては「月額9000円以上」を受け取っているケースもあります。

本記事では、老齢年金生活者支援給付金について、制度の内容や支給要件、給付額、申請方法を解説します。

保険料納付状況ごとの給付額の目安表も掲載していますので、参考にご覧ください。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

「年金生活者支援給付金」とは?《老齢年金・障害年金・遺族年金の3種類》

「年金生活者支援給付金」は、低所得の年金受給者の生活をサポートするための給付金制度で、財源の一部には消費税率引き上げ分が充てられています。

「年金生活者支援給付金」の支給要件

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出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」について

この給付金は2カ月ごとに年金に上乗せして支給され、受給している年金の種類に応じて3つの区分があります。

・老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)

・障害年金生活者支援給付金

・遺族年金生活者支援給付金

今回は、その中でもシニア世帯の生活に深く関係する「老齢年金生活者支援給付金」の支給条件を見ていきます。

「老齢年金生活者支援給付金」を受けとれるのはどんな人?

ここからは、老齢年金生活者支援給付金の支給条件を確認していきます。

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「老齢年金生活者支援給付金」対象となるのはどんな人?

この給付金は、すべての年金受給者が対象となるわけではありません。

支給対象となるのは、以下のすべての条件を満たす方に限られます。

65歳以上の老齢基礎年金の受給者

・同一世帯の全員が市町村民税非課税

・前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方は88万7700円以下

老齢年金生活者支援給付金の判定には、障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。

また、「基準額ぎりぎりで給付対象となる人」との間に不公平が生じないよう、「基準額をわずかに超えて給付対象外となる人」は「補足的老齢年金生活者支援給付金(※)」の支給対象となる点も留意しておきましょう。

※補足的老齢年金生活者支援給付金

1956(昭和31)年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、1956年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。所得が増えるにつれて、補足的老齢年金生活者支援給付金の給付額は減ります。

次章では、老齢年金生活者支援給付金の給付基準額について見ていきます。

「老齢年金生活者支援給付金」の給付基準額は前年度から2.7%も引き上げ!

国民年金や厚生年金と同様に、年金生活者支援給付金の給付基準額も毎年見直されます。

2025年度は、前年度に比べて2.7%の引き上げとなりました。

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【2024年・2025年】年金生活者支援給付金の支給金額

2025年度の給付基準額

・老齢年金生活者支援給付金・基準額(月額):5450円

老齢年金生活者支援給付金の基準額は月額5450円で、この基準をもとに保険料の納付期間などに応じて給付額が算出されます。

また、厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024年3月時点の平均給付月額(※)は4014円となっています。

※2024年3月において認定されている平均給付金額

「老齢年金生活者支援給付金」の目安金額を早見表でチェック!

前述のとおり、老齢年金生活者支援給付金の給付額は、基準額を基に保険料の納付済期間や免除期間などに応じて算出されるため、参考として保険料納付済期間や全額免除期間ごとに、月額の給付額の目安を確認してみましょう。

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【早見表】老齢年金生活者支援給付金の給付額の目安

・納付済期間240月・全額免除期間0月:給付額(月額)2725円

・納付済期間240月・全額免除期間60月:給付額(月額)4169円

・納付済期間240月・全額免除期間240月:給付額(月額)8501円

・納付済期間360月・全額免除期間120月:給付額(月額)6976円

・納付済期間280月・全額免除期間200月:給付額(月額)7992円

・納付済期間200月・全額免除期間280月:給付額(月額)9008円

上記はあくまで給付額の目安ですが、納付済期間が同じでも、残りの期間が未納か免除申請かによって給付額に大きな差が生じることがわかります。

次章では、公的年金の平均月額を改めて見ていきましょう。

【国民年金と厚生年金】シニアの年金受給額(平均月額)はいくら?

厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、国民年金と厚生年金の平均年金月額を確認していきましょう。

上記の資料によると、平均月額は国民年金(老齢基礎年金)が5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台となっています。

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国民年金・厚生年金《平均月額と個人差》

国民年金の平均月額はいくら?

・〈全体〉平均年金月額:5万7584円

・〈男性〉平均年金月額:5万9965円

・〈女性〉平均年金月額:5万5777円

厚生年金の平均月額はいくら?

・〈全体〉平均年金月額:14万6429円

・〈男性〉平均年金月額:16万6606円

・〈女性〉平均年金月額:10万7200円

グラフからもわかるように、実際の年金受給額には大きな個人差があります。

これは、正社員やパート、自営業などの働き方、厚生年金の加入期間や加入時の賃金、国民年金の保険料納付状況などが影響しているためです。

厚生年金で月額25万円以上を受給している高額受給者は、長期間にわたり高収入で加入していたと考えられます。

一方で、国民年金・厚生年金ともに月額2万円未満の低年金者は、非正規雇用の期間が長かったり、保険料の未納や免除期間が多いケースが想定されます。

年金生活者支援給付金のような制度は、低年金者の生活を支える重要な役割を担っていますが、この給付金は申請しなければ受け取れないため注意しましょう。

新たに対象となる人には9月頃に請求書送付!「年金生活者支援給付金」の申請方法

公的年金と同様に、年金生活者支援給付金を受け取るには請求手続きを行う必要があります。

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はがき(年金生活者支援給付金請求書)の記入例

これから65歳を迎える方の申請方法

誕生日の3カ月前頃に、老齢基礎年金の請求書と一緒に給付金請求書が郵送されます。

必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書と合わせて提出してください。

すでに年金を受給中の方の申請方法

年金生活者支援給付金の新規対象者には、毎年9月1日以降、順次「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されます。

届いた請求書に必要事項を記入し、郵便ポストに投函してください。

一度請求手続きを済ませれば、支給条件を満たす限り、2年目以降は手続き不要で継続受給が可能です。

給付額が改定される際には、「年金生活者支援給付金支給金額改定通知書」が送付されます。

反対に支給対象外となった場合は、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が届きます。

受給には自ら請求手続きを行う必要があることを忘れないようにしましょう。

「年金生活者支援給付金」の支給日はいつ?次回は「10月15日」に支給

年金生活者支援給付金は、年6回、偶数月の15日に分割して支給され、15日が土日や祝日の場合は、その直前の金融機関営業日に振り込まれます。

支給は年金と同じ口座に、同じ日に別々に振り込まれるため、通帳にはそれぞれ別の入金として記録されます。

2025年の年金の支払日は、下記のとおりです。

「年金生活者支援給付金」とは?《老齢年金・障害年金・遺族年金の3種類》, 「老齢年金生活者支援給付金」を受けとれるのはどんな人?, 「老齢年金生活者支援給付金」の給付基準額は前年度から2.7%も引き上げ!, 「老齢年金生活者支援給付金」の目安金額を早見表でチェック!, 【国民年金と厚生年金】シニアの年金受給額(平均月額)はいくら?, 国民年金の平均月額はいくら?, 厚生年金の平均月額はいくら?, 新たに対象となる人には9月頃に請求書送付!「年金生活者支援給付金」の申請方法, これから65歳を迎える方の申請方法, すでに年金を受給中の方の申請方法, 「年金生活者支援給付金」の支給日はいつ?次回は「10月15日」に支給, 高齢者の生活を支える施策は他にも…

出所:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」をもとにLIMO編集部作成

各支払月には、原則として前月までの2カ月分の年金生活者支援給付金が支給されます。

たとえば、10月の支払いは8月分と9月分の給付金が含まれます。

高齢者の生活を支える施策は他にも…

今回は「年金生活者支援給付金」について、支給日や申請が必要なこと、要件を満たせば継続して受け取れることなど、基本的なポイントを確認しました。

この給付金には3つの種類があり、それぞれ支給要件が異なります。対象となる可能性がある方は、事前にしっかり確認しておくことが大切です。

また、老齢年金生活者支援給付金のほかにも、高齢者の生活を支える施策はいくつかあります。

さらに、今後新しい制度や給付が始まる可能性もあるため、常に最新の情報に注意を向けておくと安心です。

参考資料

・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

・日本年金機構「年金生活者支援給付金制度について」

・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」

・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内(令和6年度)」

・日本年金機構「年金生活者支援給付金の概要」

・日本年金機構「年金Q&A (年金生活者支援給付金の受け取り・通知書)」