地方発・スナックママの「麻婆豆腐の素」人気の訳

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける, 日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い, スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ, レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり, 商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント, 知ってもらうために店舗オープン, 店舗オープンに際して調味料を開発, 「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ, 麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

地方発「麻婆豆腐の素」のヒット商品とは……?(筆者撮影)

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける

連日の猛暑が続く今夏、発汗を促しスカッとする「辛口グルメ」が人気だ。

【画像を見る】美味しそうすぎる…四川伝統製法の豆板醤を使った麻婆豆腐はこんな感じ。

家庭で作る辛口グルメの代表格と言えば麻婆豆腐。筆者は先日、熊本の道の駅で見かけた「熊本敏敏(ミンミン)麻婆豆腐の素」を何気なく購入して自宅で調理したみたところ、そのおいしさと本格的な味に衝撃を受けた。

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける, 日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い, スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ, レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり, 商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント, 知ってもらうために店舗オープン, 店舗オープンに際して調味料を開発, 「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ, 麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

熊本敏敏の麻婆豆腐(2~3人前・700円※直営店価格)。辛さは微辛、中辛、大辛の3段階ある(筆者撮影)

食べてみると、まずしっかり旨みがあり、後からほんのりと辛さが追いかけてくる。辛さと旨みのバランスが絶妙なのだ。そこに山椒が華やかに香る。山椒は舌を刺すような刺激はなく上品で最高においしかった。

「熊本敏敏(ミンミン)麻婆豆腐の素」は2022年に開発して、通販や熊本県内15カ所以上の店舗や道の駅で展開。好評を受けて、2023年にイートインができる麻婆豆腐専門店「熊本敏敏」をオープンしている。

おいしさの決め手は、中国・四川省の伝統製法に習った自家製豆板醤にあるという。「熊本敏敏」では、日本の気候では再現が難しい四川伝統製法の豆板醤づくりを再現することに成功している。

そこで、この麻婆豆腐の素を手掛ける親子、陳敏敏(チンミンミン)さんと坂口斉(さかぐちひとし)さんにこの味の秘密を伺ってみることに。

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける, 日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い, スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ, レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり, 商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント, 知ってもらうために店舗オープン, 店舗オープンに際して調味料を開発, 「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ, 麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

陳敏敏(チンミンミン)さんと坂口斉さん。「熊本敏敏の麻婆豆腐」は開発者である陳敏敏さんの名前から付けられている。店舗の名前は「熊本敏敏」(筆者撮影)

日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける, 日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い, スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ, レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり, 商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント, 知ってもらうために店舗オープン, 店舗オープンに際して調味料を開発, 「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ, 麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

店内の一角には、仕込み年や番号を振って管理された壺入りの自家製豆板醤がずらり。今も発酵・熟成中である(筆者撮影)

豆板醤は、本来はそら豆をたっぷり使用した調味料だ。本場・四川省ではそら豆を発酵させた「そら豆麹」に唐辛子、粒山椒、塩を独自の配合で加えて、数年かけて熟成させる。

「中国では、豆板醤は『寝かせれば寝かせるほど良いもの』であるとされ、熟成期間が長いほど価値が高まり高価になります。ウイスキーやビンテージワインのように資産価値を持つ調味料なんです」と坂口さん。

一方で、日本のスーパーでよく売られている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近く、本場の豆板醤とは似て非なるものだという。

「裏の成分表示を見ると一番頭には『唐辛子発酵物』とあります。その後にそら豆麹、食塩、みそなどと続くので、やはり日本の豆板醤は塩蔵唐辛子という感じかなと」(坂口さん)

日本で本場・四川と同じように豆板醤を大量生産するのは、湿度や気候の影響もあり非常に難しいとされている。麻婆豆腐を作る日本のメーカーや飲食店でも、本場・四川省の豆板醤を使っているところは非常にまれである。

熊本敏敏の麻婆豆腐は、この難易度の高い豆板醤づくりあってこその味なのだ。

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける, 日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い, スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ, レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり, 商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント, 知ってもらうために店舗オープン, 店舗オープンに際して調味料を開発, 「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ, 麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

店舗では豆板醤の試食ができる(筆者撮影)

スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ

では、熊本敏敏ではいかに豆板醤づくりを成功させたのか? その前に、そもそもなぜ「麻婆豆腐の素」を売り出すことになったのかを振り返ろう。

きっかけは、料理好きなミンミンさんがスナックで出した手料理。熊本で長年スナックを営むミンミンさんは、日替わりで作るパスタやロールキャベツなどが常連客から大好評。「ママ、またあれ食べたい」とリクエストされることもしばしばあった。

そんな中、ある日振るまった麻婆豆腐が特に評判を呼んだ。

それはミンミンさんが中国に里帰りした際に姉の知人(四川省在住)からもらった自家製豆板醤を使って作ったものだった。

5年熟成の豆板醤は味、香り、旨味が格別。しかし、もらった豆板醤はすぐに底をついてしまった。

試しに、日本のスーパーで普通に手に入る豆板醤を使ってみても、求める味にはならない。前述の通り、あれらは「唐辛子の塩漬け」に近いからだ。そら豆は少ししか入っておらず、山椒も入っていない。

求める味は四川省の自家製豆板醤。あれがあってこその麻婆豆腐だ。しかし、その後コロナが流行し、中国への里帰りは困難に。

「じゃあ自分で作ってみたらって始めました。姉ちゃんに連絡して、四川省の知人が豆板醤作る時に行って、覚えてきてもらうことにしました」(ミンミンさん)

四川省では、自家製豆板醤を作る家庭がほとんど。書き起こされたレシピがあるわけではなく、長年の勘や経験でやっている作業だ。だから姉は仕込んでいる様子を横で見てメモしてミンミンさんに送り、その情報をもとにミンミンさんは豆板醤づくりにチャレンジすることに。

レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり

四川省では5月に山椒の収穫が終わり、8月に唐辛子の収穫が終わる。唐辛子の収穫後が豆板醤づくりのタイミングだ。

現地では生の唐辛子を使って仕込むようだが、日本で流通しているのは乾燥させた唐辛子が主流で、生の唐辛子をたくさん手に入れるのは難しい。生の唐辛子は乾燥させると大体十分の一になるため、計算して1kgなら100gとレシピを計算し直した。

さらに、そら豆麹をおこすための麹選びにも苦労した。でも「日本は醤油を作るから麹はたくさんあるから。ネットで調べて似たやつを取り寄せました」とミンミンさん。

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける, 日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い, スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ, レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり, 商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント, 知ってもらうために店舗オープン, 店舗オープンに際して調味料を開発, 「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ, 麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

そら豆麹の様子(画像:熊本敏敏)

苦労して仕込み、半年後、できた豆板醤で麻婆豆腐を作ってみると……これがまたとびきりおいしい!

「これは本格的に商品化できるのでは」と考え、福岡でEC関連の仕事をしていた息子の坂口斉さんも加わり、本格的に商品化に乗り出すことに。

さらに、近くの飲食店・店主からも「横浜の中華街で食べた高級中華と遜色ない味だ。ぜひこの味をうちの店でも出したい」と言われ、まずは飲食店の卸用に「麻婆豆腐の素」を開発することになった。

商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント

商品化の際は、飲食店や自宅で簡単に調理できることをポイントにした。

素にはひき肉はすでに入っているため、後は豆腐と片栗粉を用意すればよい。(片栗粉はなくても大丈夫)。自分でひき肉を買ってきて炒める必要はなく、かなり手軽に本格的な味が楽しめるのが魅力だ。

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける, 日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い, スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ, レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり, 商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント, 知ってもらうために店舗オープン, 店舗オープンに際して調味料を開発, 「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ, 麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

調理の様子(筆者撮影)

ひき肉は、豚と牛の合いびき肉で、脂や赤身の割合、豚と牛の比率は肉の加工業者と直接やり取りしながら最適なバランスを探った。

「もう百回くらい作りました」とミンミンさん。脂っぽくなりすぎず、おいしく食べられるバランスを徹底的に追求して味を決めた。

完成した「麻婆豆腐の素」を最初にリクエストしてくれた飲食店に卸した後、坂口さんはさらに地元の飲食店にサンプルを渡して回り卸先を拡大した。

さらに、道の駅には「麻婆丼」や「麻婆豆腐」を惣菜の形で売り始め、併せて家庭向けにラベルを貼ってパッケージを整えた「熊本敏敏 麻婆豆腐の素」も置いてもらうように。徐々に浸透し、売れ行きが良くなってきたタイミングで総菜を辞めて「麻婆豆腐の素」だけの販売にした。

「総菜は売れ残るとロスになってもったいないと感じていました。その点『麻婆豆腐の素』なら賞味期限は半年と長くロスも少ないのが良さです」(坂口さん)

最終的に、熊本県内の飲食店約10店舗、道の駅やスーパー、百貨店へは5カ所ほど素を取り扱ってもらうようになった。

素の開発からわずか3年、かなり好調な広がりに思えるが、坂口さんは「今は地元だけなので、もっと広く広げたいですね」と意気込む。

それにはまだ壁があるという。まずは「自家製豆板醤」の価値をきちんと伝えていくこと。自家製で最低でも1年は寝かせているため、作るのにも時間がかかる上に、値段もその分上がる。

「うちの素は700円(※直売価格)なので、スーパーで買える麻婆豆腐の素の数倍します。人によってはある程度高いという感覚を覚えるかもしれません。その値段の価値をどう伝えていくのかが課題だなと」(坂口さん)

知ってもらうために店舗オープン

自慢の麻婆豆腐の味を直接体験してもらうため、2023年に麻婆豆腐専門店「熊本敏敏」をオープンした。

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける, 日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い, スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ, レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり, 商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント, 知ってもらうために店舗オープン, 店舗オープンに際して調味料を開発, 「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ, 麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

熊本敏敏外観(筆者撮影)

「素を売るために始めました。食べてもらわないことには魅力は伝わりませんし、まずは名前を知ってもらいたかったんです」と坂口さん。

興味深いのは、通常の「店を開いてから商品開発」ではなく、「素を開発してから店を開く」という逆の流れだったことだ。

坂口さんは「東京や大阪には麻婆豆腐の専門店がありますが、地方ではほとんど見かけません。新しい形を地方でも試したかった」と語る。

さらに、スーパーの中華調味料売り場では、麻婆豆腐の素が他の調味料を圧倒して売れていることも後押しとなった。これだけ浸透しているなら、まだ伸びる余地がある——そう感じたという。

「カレーやラーメンみたいに、気軽にぱっと食べて帰る存在になれたらいいですね」(ミンミンさん)

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける, 日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い, スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ, レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり, 商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント, 知ってもらうために店舗オープン, 店舗オープンに際して調味料を開発, 「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ, 麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

店の一番人気は麻婆豆腐定食(1200円)。辛さは5段階あり、筆者は中辛を注文した。ご飯は無料で大盛にしてくれる(筆者撮影)

なお、店舗で提供する麻婆豆腐は、市販している「麻婆豆腐の素」の味とほぼ変わらないという。ここで知って気に入ってもらい、素で自宅で楽しんでもらいたいと考えているそう。

店舗オープンに際して調味料を開発

一方で、「店舗も素も味がほぼ同じなら、わざわざ店にいく良さは……?」と思うかもしれない。安心してほしい。行くとさらなる感動があるのだ。

その理由は各テーブルに置かれた2つの調味料「葉ニンニク辣油」「赤山椒」にある。店舗オープンに当たって開発した調味料だ。

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける, 日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い, スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ, レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり, 商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント, 知ってもらうために店舗オープン, 店舗オープンに際して調味料を開発, 「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ, 麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

各テーブルにはたっぷりの冷えた水、ミックス塩、葉ニンニク辣油、赤山椒、ティッシュが置かれている(筆者撮影)

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける, 日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い, スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ, レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり, 商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント, 知ってもらうために店舗オープン, 店舗オープンに際して調味料を開発, 「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ, 麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

赤山椒(筆者撮影)

赤山椒は、好みで麻婆豆腐にかけて食べる。試しに使ってみると、爽やかな良い香りと上品で穏やかな辛さが心地よい。決して舌がビリビリするほど辛くない。

四川省から取り寄せた赤山椒で、日本で加工しているものだ。

「中国では、山椒を食べるときは一度火を通して香りを立たせ、辛みをやわらげるんです」とミンミンさんは説明する。

その製法にならい、加工時には軽く炒って香りを引き出し、粗挽きではなくココアパウダーのように細かく粉砕。その後さらにふるいにかけ、口当たりの良い部分だけを残す。

「山椒の皮は硬く、口に残りやすいので取り除いています」(坂口さん)

こうした丁寧な処理のため、1kgの山椒から取れるのはおよそ半分。徹底した味への追及姿勢が伺える。

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける, 日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い, スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ, レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり, 商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント, 知ってもらうために店舗オープン, 店舗オープンに際して調味料を開発, 「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ, 麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

葉ニンニク辣油。葉ニンニクは地元農家からまとめて仕入れている(筆者撮影)

「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ

もう一つの卓上調味料「葉ニンニク辣油」は、葉ニンニクの香りをしっかり油に移した香りのよい辣油。これもかけることで麻婆の風味がさらに良くなる。

赤山椒、葉ニンニクをかけて「味変」を楽しみながら、最後まで飽きることなく麻婆豆腐を楽しみつくせる仕掛けになっているのだ。

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける, 日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い, スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ, レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり, 商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント, 知ってもらうために店舗オープン, 店舗オープンに際して調味料を開発, 「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ, 麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

ごはんに葉ニンニク辣油をかけた「麻薬ラー油ご飯」(筆者撮影)

そして、お店が推奨する食べ方「麻薬ラー油ご飯」。ごはんに葉ニンニク辣油とミックス塩をかけて食べると、病みつきになる美味しさだ。最初は白ご飯と麻婆豆腐で楽しみ、後半は「麻薬ラー油ご飯」にするなど、変化を付けながら食べ進められるのが楽しい。

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける, 日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い, スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ, レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり, 商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント, 知ってもらうために店舗オープン, 店舗オープンに際して調味料を開発, 「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ, 麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

豆板醤の香りをぜひかいでみてほしい。山椒を入れているため、爽やかな柑橘のような香りもする(筆者撮影)

さらには、自家製豆板醤や自家製にんにく豆板醤など、いろんな加工品の味見、購入も可能。物によっては通販で取り扱っていないため、店に来ないと購入できない。店で食べて楽しんで、買って帰れば家でもさらに楽しめる。

麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

客足は特に夏の方が多くなるという。暑い夏こそ、味の濃いもの、辛いものを涼しい部屋で食べて爽快感を感じたくなるもの。筆者の取材は7月末、暑い日で客がひっきりなしに入ってきており、ラストオーダーぴったりの14:40にも客が入るほどの賑わいだった。

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける, 日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い, スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ, レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり, 商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント, 知ってもらうために店舗オープン, 店舗オープンに際して調味料を開発, 「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ, 麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

店内にはテーブル席とカウンター席が。調理風景も見えるようになっている。店の内装は、ラーメン屋の造りを参考に、女性ひとりでも気軽に入れる雰囲気を大切に考えたという(筆者撮影)

道の駅で出会った麻婆豆腐のおいしさに衝撃を受ける, 日本で売っている豆板醤は「唐辛子の塩漬け」に近い, スナックの常連さんに麻婆豆腐が大ウケ, レシピを元に四苦八苦しながら豆板醤づくり, 商品化は「自宅で簡単においしく」がポイント, 知ってもらうために店舗オープン, 店舗オープンに際して調味料を開発, 「味変」からの「麻薬ラー油ご飯」にチャレンジ, 麻婆豆腐をもっと誰もが、気軽に食べられる存在に

注文を受けて麻婆豆腐を作る様子(筆者撮影)

地方ではまだ珍しい麻婆豆腐専門店として、地元客だけでなく遠方からこの味を求めて来る人もいるという。

ミンミンさんは「カレーのように、誰もが気軽に食べられる存在にしたい」と意気込む。四川伝統製法の豆板醤を使った麻婆豆腐が、地方から麻婆豆腐の新時代を切り開こうとしている。

【画像を見る】美味しそうすぎる…四川伝統製法の豆板醤を使った麻婆豆腐はこんな感じ。本編で紹介しきれなかった画像も