絶滅危惧種のアジサシ、保護が奏功し23羽ふ化 中国浙江省舟山市

舟山市の五峙山列島に生息するヒガシチュウゴクアジサシ。(6月18日撮影、舟山=新華社配信)
【新華社舟山7月23日】中国の国家1級保護野生動物で、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでも「深刻な危機(CR)」に分類されているヒガシチュウゴクアジサシ(学名:Thalasseus bernsteini)は、カモメ科の中で最も数が少ない鳥の一種で、世界に200羽余りが生息している。

9日、舟山市の五峙山列島上空を飛ぶ鳥の群れ。(舟山=新華社記者/劉梓漪)
浙江省舟山市自然資源・規画局定海分局自然保護地管理科の張剣(ちょう・けん)科長によると、同市の五峙山列島では過去3年間に安定して約50羽が繁殖している。通常は年に一度の繁殖で卵を1個しか産まないため、個体数の安定には繁殖地の適切な保護が極めて重要になるという。

舟山市の五峙山列島で、デコイ(おとりの模型)に片足で止まるヒガシチュウゴクアジサシ。(5月22日撮影、舟山=新華社配信)
五峙山列島の鳥類省級自然保護区は2001年に設立され、現在は希少なヒガシチュウゴクアジサシやオオアジサシ、ウミネコなどの成鳥が約1万4千羽生息している。

舟山市の五峙山列島で撮影したオオアジサシのひな。(7月4日撮影、舟山=新華社配信)
舟山市は近年、鳥島生物多様性保護プロジェクトを含む省レベルの山岳、河川、森林、農地、湖沼、草地、海の一体的な保護・修復事業を実施してきた。周辺海域の環境は著しく向上し、アジサシの餌となる魚やエビも増えている。五峙山鳥類自然保護区ではデジタル管理プラットフォームの構築に注力し、鳥類の全天候・全域的な検出と識別を実現。繁殖期前には雑草やネズミ、ヘビなどのマイナス要因を取り除き、平地での繁殖を好むアジサシの習性に合わせて島に砕石を敷いている。五峙山列島では今年、ヒガシチュウゴクアジサシが53個の巣を作り、23羽のひながふ化し、繁殖率は43%を超えた。(記者/劉梓漪)

舟山市の五峙山列島でひなに魚を与えるヒガシチュウゴクアジサシ。(7月8日撮影、舟山=新華社配信)

舟山市の五峙山列島上空を飛ぶヒガシチュウゴクアジサシ。(5月30日撮影、舟山=新華社配信)

9日、舟山市の五峙山列島上空を飛ぶ鳥の群れ。(舟山=新華社記者/劉梓漪)

9日、舟山市の五峙山列島に生息するオオアジサシ。(舟山=新華社配信)

舟山市の五峙山列島で撮影したヒガシチュウゴクアジサシのひな。(6月17日撮影、舟山=新華社配信)

舟山市の五峙山列島でふ化したヒガシチュウゴクアジサシのひな。(6月18日撮影、舟山=新華社配信)

9日、数多くの鳥が生息する舟山市の五峙山列島。(舟山=新華社記者/劉梓漪)