40代50代、「更年期」の動悸・ホットフラッシュをがまんしないで。医師が教える対処法
健康や心のモヤモヤが増えてくる40代50代。お悩みに際して少しでも心が軽くなるように、産婦人科専門医の高尾美穂先生が親身になって答えます。ここでは、49歳の読者の「動悸やホットフラッシュが増えた」というお悩みについて、ほかの病気が潜んでいる可能性を教えてくれました。
※画像はイメージです。(画像素材:PIXTA)
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読者のお悩み:動悸やホットフラッシュに悩まされています
半年前から毎日動悸が、2~3日に一度はホットフラッシュが…。健康のため運動を心がけていますが、寝不足や疲れがたまると起こります。深呼吸をしてやり過ごしますが、よい対処法を知りたいです。(Mさん・49歳)
ほかの病気が隠れていることも…循環器内科にかかってみて
産婦人科専門医の高尾美穂先生
動悸とホットフラッシュ、どちらも更年期に差しかかるとよく見られる症状です。原因は女性ホルモン(エストロゲン)の減少により、心拍をコントロールする自律神経が乱れがちになるため。
ただ、動悸やホットフラッシュに隠れている病気はいくつかあります。代表的なものに、不整脈や狭心症、心筋梗塞などの心臓の病気。そしてバセドウ病といった甲状腺疾患です。
相談者さんの年齢を考えると更年期症状の可能性はありますが、40代以降では心臓や血管の疾患が増えるもの。命に関わりますから、健康診断の心電図だけで安心せず、この機会に循環器内科でしっかり調べてもらいましょう。
一方、甲状腺疾患に対してはひとまず血液検査を行います。内科系の検査で問題がなければ、婦人科を受診してくださね。ひととおりの検査の結果、ほかに考えられる疾患がないようなら、今の症状は更年期由来のものだと考えてもいいでしょう。
「セルフケアでなんとかしよう」と思わなくていい
ここであらためて皆さんにお伝えしたいのは、動悸もホットフラッシュも、「セルフケアだけでなんとかしよう」と思わないでほしいということです。
もし、今の症状が更年期による不調でしたら「HRT(ホルモン補充療法)」で、かなり改善されます。とくに閉経前後は、エストロゲンが減少する影響で心身ともにゆらぐ時期ですから、気になる症状があったら、我慢せず婦人科で相談しましょう。
また自律神経の乱れは、ストレス、疲れ、寝不足などでも起こります。ですから生活の見直しも忘れないでくださいね。手っ取り早くできる対策は休息をしっかりとること。動悸を感じたら動きを止め深呼吸する、無理をせず少し休むなどしましょう。急に心拍が上がるような運動や動作は、できるだけ避けるようにしてくださいね。