飲むタイミングも大事!「痩せホルモン」がどんどん増える飲み物とは|管理栄養士が解説

そもそも「痩せホルモン」とは?
“痩せホルモン”は医学的な用語ではありませんが、体脂肪の燃焼や食欲のコントロールに関わるホルモンを指す言葉です。代表的なものには以下の3つがあります。
アディポネクチン:脂肪の分解・燃焼を促進
GLP-1:血糖値の急上昇を抑え、満腹感を持続
レプチン:脳に「満腹」のサインを送り、食べすぎを防止
これらは年齢、ストレス、睡眠、食生活の影響を受けやすく、日々の小さな積み重ねで整いやすくなることがわかっています。
その入り口のひとつが“飲み物の選び方”です。
痩せホルモンを増やす飲み物と取り入れのポイント

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ホルモンの分泌や働きを直接・間接にサポートする飲み物は、実は意外と身近なものばかりです。ここでは2つの観点からご紹介します。
ホルモンに直接働きかける可能性のある飲み物
・緑茶(カテキン)
アディポネクチンの働きを高め、脂肪燃焼や血糖コントロールにも関与します。
⇒朝食や食事と一緒に、常温〜あたたかめで
・無調整豆乳(イソフラボン+たんぱく質)
大豆イソフラボンがホルモンバランスをやさしく整え、たんぱく質がGLP-1の分泌をサポートします。
⇒1日100〜150ml。朝食時や間食代わりに
・黒酢ドリンク(酢酸)
酢酸は血糖値の上昇を穏やかにし、GLP-1を刺激するといわれています。
⇒黒酢+炭酸水+レモン+ラカントなどのアレンジがおすすめ
・シナモンジンジャーのハーブティー
インスリン感受性を高め、GLP-1やレプチンにも働きかけるとされます。香りによる食欲抑制効果も。
⇒カフェインを含まないハーブティータイプがおすすめですが、紅茶ベースのものはカフェインを含むため夜に飲む場合は注意
ホルモン環境を間接的に整える飲み物
・ホットココア(純ココア使用)
テオブロミンやポリフェノールが自律神経を整え、ストレス過食や代謝の乱れを緩和します。
⇒砂糖不使用&豆乳割りで、ごほうびドリンクに
・コーヒー(カフェイン)
カフェインには脂肪燃焼をサポートする働きがあり、特に運動前に取り入れると効果的とされています。エネルギー消費を高めることがわかっており、体脂肪の減少にもつながる可能性があります。
⇒午前中や運動前に1杯を目安に。ブラックや無糖タイプで
飲むタイミングは?

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飲み物の「内容」と同じくらい大切なのが、「タイミング」です。
以下のように、自分の目的やリズムに合わせて飲んでみてくださいね。
・食前・間食前:血糖値の急上昇を防ぎます
・朝:代謝のスイッチを入れます
・午前〜昼過ぎ:代謝が高まる時間帯にはカフェイン系がおすすめ
・夜:ノンカフェインでリラックス&ホルモンを整えましょう
まとめ
痩せホルモンは、特別なことをしなくても、飲み物の選び方とタイミングを少し意識するだけで、じわじわ整えていくことができます。
まずは「自分にとって心地よい一杯」から……
その積み重ねが、自然と“痩せやすい体のリズム”をつくる第一歩になりますよ。
【参考文献】
内閣府 食品安全委員会「大豆イソフラボンに関する評価結果」
Rasaei, N., Jafarirad, S., Hashemi, R., & Taghizadeh, M. (2024). The impact of cinnamon supplementation on glucagon-like peptide-1 (GLP-1) levels: A systematic review and meta-analysis. Heliyon, 10(2), e23456.
Nagao, T., Hase, T., & Tokimitsu, I. (2007). A green tea extract high in catechins reduces body fat and cardiovascular risks in humans. Obesity (Silver Spring), 15(6), 1473–1483.
Johnston, C. S., & Gaas, C. A. (2006). Vinegar: Medicinal uses and antiglycemic effect. Medscape General Medicine, 8(2), 61.
Corrado, D., Rabin-Pérez, A. M., Merellano-Navarro, E., & Del Coso, J. (2020). Effects of acute caffeine intake on fat oxidation rate during exercise: A systematic review and meta-analysis. Nutrients, 12(12), 3603.
國吉容梨子
管理栄養士。病院、保育園、行政での勤務を通して現場経験を重ねる中で、忙しさの中で自分の健康や心の余裕が後回しになっていることに気づき、働き方を見直すように。自分自身の暮らしも大切にしながら、誰かの役に立てる形を探し、現在はフリーランスとして活動中。3児の母としての実生活での気づきを活かしながら、特定保健指導や乳幼児健診での栄養相談、商品監修、コラム執筆など幅広く行っている。暮らしに根ざした視点で、“ちょうどいい栄養”を提案している。小さな工夫で、体も心もラクになる。そんな栄養のヒントを届けている。