実は夜食べるのが正解?健康・美容・メンタルにも◎【納豆】食べ方の新常識|管理栄養士が解説

納豆が“ただの大豆発酵食品”ではない理由
● 「ナットウキナーゼ」が血栓を分解
納豆にしか存在しない酵素ナットウキナーゼは、血液中の血栓(フィブリン)を溶かす働きがあるとされ、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などのリスク低減に効果がある可能性が研究で示唆されています。血栓リスクが高まる「夏の脱水シーズン」にも、実は納豆はおすすめです。
● 「ビタミンK₂」が骨に効く
意外と知られていませんが、納豆はビタミンK₂(メナキノン)を多く含む唯一の食品です。これは骨の形成を助け、カルシウムを骨に届ける働きがあり、骨粗しょう症の予防に強い効果が期待されています。
● 腸にも、女性ホルモンにも、認知機能にも
- 大豆イソフラボンが、PMSや更年期症状をケア
- 納豆菌が腸内環境を整える(善玉菌の増加&悪玉菌の抑制)
- レシチン・チロシンなどのアミノ酸が脳神経をサポートし、集中力・記憶力の向上にも関与
発酵×植物性たんぱく質という組み合わせが、多角的な効果を持つ点が際立ちます。
【意外ポイント】「夜納豆」が本当は効率的!?

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一般的には「朝食に納豆」が定番ですが、実は夜に納豆を食べることでナットウキナーゼが血栓を分解する働きがより活かされるとも言われています。ナットウキナーゼの活性は摂取4〜8時間後にピークを迎えるため、夜に食べておくと、深夜から朝にかけて血液がサラサラに。
→ 寝ている間の血栓予防に◎
【注意点】薬との相互作用に注意
納豆は健康に良い反面、ワーファリン(血液をサラサラにする薬)と相性が悪いとされています。これは納豆に含まれるビタミンK₂が、薬の作用を弱めてしまうためです。該当する薬を服用中の方は、医師に相談の上、摂取を調整してください。
納豆のちょい足しアレンジアイデア
「アボカド×納豆」=美容と脳のサポート
アボカドのビタミンE+納豆のイソフラボンで、抗酸化・ホルモン・脳機能に◎。

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「キムチ×納豆」=腸と免疫を整える最強タッグ
発酵食品×発酵食品で、腸内環境をダブル強化。

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「オリーブオイル×納豆」=血管ケアと便通サポート
意外な組み合わせですが、クセがまろやかに。脂質バランスも向上します。

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冷蔵庫の片隅にある“最強の機能性食品”
毎朝の納豆は、実は「骨」「血管」「腸」「女性ホルモン」「脳」までも支える万能選手。
保存性や価格、アレンジ性にも優れており、日々の食事に取り入れやすい食品です。健康管理のパートナーとして「とりあえず納豆」の食養生、始めてみませんか?
参考文献
- 厚生労働省「e-ヘルスネット」
- 文部科学省「食品成分データベース」
- 日本ナットウキナーゼ協会「ナットウキナーゼ研究と健康への効果」
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」
記事監修/亘美玲
管理栄養士。病院栄養士を7年経験後、食品会社で約15年間メディカルサプリメントや機能性表示食品の商品開発責任者として従事。2児の母で、自身の妊娠と出産、離乳食作りの経験から母子栄養の研究を重ね、産前産後ママの栄養サポート、栄養相談、料理教室、レシピ提案、執筆、栄養学講座の活動を行っている。離乳食や調理の基本についてSNSでも発信をしている。
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