日産の軽スーパーハイトワゴン「ルークス」がフルモデルチェンジ! “キューブミニ”と呼びたくなる「実用的なのにおしゃれな内外装」とは

“キューブミニ”と呼びたくなる新型「ルークス」のおしゃれな内外装

 2025年秋に新しくなる日産自動車の軽スーパーハイトワゴン「ルークス」と初めて対面したとき、ビックリしました。なぜならそのルックスと世界観が、同社の2代目「キューブ」を想起させる仕上がりだったからです。

日産の新型「ルークス」

【画像】「えっ!…」人気の2代目「キューブ」が現代に復活!? これが初公開された日産の新しい「ルークス」です(30枚以上)

「キューブ」は2020年3月末までに生産が終了した日産自動車のコンパクト・トールワゴン。初代、2代目、3代目と3世代が展開されましたが、そのうち筆者(工藤貴宏)が、最も素晴らしいデザインだったと評価しているのが、2002年にデビューした2代目です。

“カドをまるめたシカク”をモチーフに、リアのクォーターウインドウを助手席側のみとした大胆な左右非対称デザインを採用。そのルックスはまさに、モーターショーに展示されるコンセプトカーに匹敵するレベルでした。

 新型「ルークス」のルックスは、そんな2代目「キューブ」に通じる世界観が魅力的。“キューブミニ”と呼びたくなる衝動を抑えるのに苦労するほどの個性派です。

 ちなみに新型「ルークス」は軽自動車であり、ライバルはホンダ「N-BOX」やスズキ「スペーシア」、そして同ジャンルの開拓者であるダイハツ「タント」といったところ。

 もちろん2代目「キューブ」はひと回り大きいコンパクトカーだったたので新型「ルークス」はどう転んでもその後継車ではないのですが、その雰囲気から“キューブミニ”と呼びたくなる存在だというわけです。

 新型「ルークス」のスタイリングに2代目「キューブ」らしさを感じる理由は、デザインの随所に四角がモチーフとして用いられている点。

 全体のフォルムはもちろんのこと、フロントグリルやヘッドライト、リアコンビネーションランプ、さらにはホイールまで四角をモチーフにするなど、こだわりがとことん貫かれています。

 またインテリアも、ヘッドレストやスピーカーのデザインに四角いモチーフを採り入れているのはもちろんのこと、メーターにも正方形をモチーフとした表示が設定されるなど、隅々まで徹底されています。

 そんな新型「ルークス」のルックスがもたらすものは、個性だけではありません。感じられるのは「実用的でいて、ほかよりちょっとおしゃれ」という雰囲気。いうなれば、おしゃれ雑貨やデザイン文具のような存在感なのです。

 さらにインテリアには、サプライズが用意されています。それは、なんといっても上質感でしょう。

 ファブリックを張ったダッシュボードを始め、仕様によってカシミアやウール、そしてコットンを感じさせる肌触りのいいシート表皮をコーディネート。インテリアの上質感は明らかにライバルを凌駕し、さらにクラスが格上の2代目「キューブ」をも超えています。

 リラックスしてくつろげるモダンリビング感が満点。軽自動車でここまでのクオリティを実現したのには脱帽です。

 ちなみにインテリアは、室内長が従来モデルより115mmアップし、クラストップの2315mmを実現。リアシート乗員のヒザ回りは、大人が楽に足を組んで座れるほどの広さを確保しています。

日産の新型「ルークス」

 またラゲッジスペースは、こちらもクラストップとなる荷室最大長675mmを確保。48リットルのスーツケースを4個積載した状態でも大人4名が広々と座れるなど、実用性の高さも見逃せません。

 加えて、インフォテインメントシステムも最新のものを採用。12.3インチの統合型ディスプレイを中央に配した運転席まわりはかなり先進的です。

 なお、メーカーオプションの純正カーナビにはGoogleを搭載。「Googleマップ」などスマホなどで慣れたアプリを車内でも手軽に利用できます。

 新型「ルークス」の商品企画担当者は、「軽自動車のスーパーハイトワゴンといえば実用品として選ばれがちですが、新しい『ルークス』は所有することで毎日が楽しくなる、ライフスタイルを充実させる存在として選んで欲しい」といいます。

 おしゃれ雑貨やデザイン文具のような感覚、かつ、ライバルよりも上質な雰囲気が、新型「ルークス」を前にすると確かに伝わってきます。

人気の「ハイウェイスター」は新コンセプトを導入

 そんな新型「ルークス」で注目すべきは、華麗なる“キャラ変”を果たしたことです。

日産の新型「ルークス」

 ハッキリいって、従来の「ルークス」は特筆すべき個性がなく、キャラクター自体がライバルたcいの中で埋もれがちでした。

 しかし新型は、カジュアルかつ個性的で、ちょっとおしゃれ。そして上質という特徴をしっかり確立しています。これならライバルたちの中にあっても埋もれずに済みそう。むしろ指名買いが増えるかもしれません。

 そうした華麗なる“キャラ変”の影響を受けたのが、上位グレードである「ハイウェイスター」のポジショニングです。

 従来は「ハイウェイスター」イコール“スポーティ”という位置づけで、スタイリングはエアロ仕様、インテリアは黒内装を貫いていました。

 しかし新型は、そうした概念を一新。「ハイウェイスター」であっても、エクステリアはエアロパーツを多用してスポーティに演出するのではなく、独自の世界観をより強調しています。

 また、インテリアカラーも黒ではなくグレー基調で、オプションでアイボリー系の明るい色合いも設定。つまり、これまでの「ハイウェイスター」とは全く異なる仕立てとなっているのです。

 そんな新型「ルークス」は、4タイプのグレードをラインナップ。ベーシックな「S」と助手席側電動スライドドアなどを追加した中級グレードの「X」、さらには、「ハイウェイスターX」とターボエンジン搭載の「ハイウェイスターGターボ」を設定しています。

「ハイウェイスター」系は両グレードとも、左右の電動スライドドアなどを備える上級装備が魅力的。ACC(アダプティブクルーズコントロール)や高速道路での車線維持支援機能を備えた“プロパイロット”を標準装備した仕様も用意されています。

 そんな中で筆者のおすすめグレードは、「ハイウェイスターGターボ」。街乗り中心なら自然吸気エンジンでも十分なのですが、実際にドライブしてみるとターボエンジンの力強さはやはり魅力的。

 峠道や高速道路を走る機会があるのなら、動力性能に余裕があるターボエンジン搭載モデルを積極的に選びたいところです。