“ちりわらし”に“おむつこぞう”…赤ちゃんの子育て中に現れる妖怪たちに「心が浄化された」の声【漫画】
赤ちゃんの手の上に現れる妖怪のおててみつけ
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回取り上げるのは、SNSに育児漫画を投稿しているいとうもちこさんの『育児で出会う妖怪の話』だ。
同作は乳児期の子供に関わる妖怪たちを紹介する一作で、以前いとうさんのX(旧Twitter)にポストされると、2万を超える「いいね」が寄せられている。そこで作者のいとうさんに、同作を描いたきっかけについて話を伺った。
赤ちゃんの行動のすべては妖怪が絡んでいる?

『育児で出会う妖怪の話』(1/23)
同作には「ちりわらし」「あかごがえし」「おててみつけ」「おやごゆすり」「けふき」「おぼろなき」「ひゃくつき」「おむつこぞう」「まぶたま」といった9種類の妖怪が登場する。
例えば、ちりわらしは赤ちゃんの皮膚の間に埃を溜める妖怪で、赤ちゃんが成長して埃を隠す場所がなくなると旅立ってしまう。また、おててみつけは、赤ちゃんの手の上で遊び始める妖怪。急に赤ちゃんの手の使い方が上達し始めたら、おててみつけの仕業と言われている。
このように赤ちゃんの行動や現象を招く妖怪たちの実態が紹介されており、読者からは「優しい話で心が浄化される」「どの妖怪も愛くるしい」などの声が上がっている。
妖怪誕生のきっかけは子育て中に目撃した現象

『育児で出会う妖怪の話』(16/23)
――『育児で出会う妖怪の話』のような様々な妖怪が登場する作品を描き始めた経緯をお教えください。
息子が生後6ヶ月ぐらいの頃の実体験がきっかけでした。なかなか寝返りが始まらない息子が、家族の誰も見ていない間に何回か寝返りを成功させたことがありました。その様子が「もし妖怪のせいだったら面白いな」と思い漫画を書き始めました。
――各妖怪はどのような流れで思いついたキャラなのでしょうか?
「ちりわらし」は赤ちゃんの皮膚の隙間によく埃が入っていることから、「おててみつけ」はハンドリガードという生後2ヶ月の赤ちゃんによく見られる現象、「けふき」は仰向けに寝かされて枕の摩擦で月齢の低い赤ちゃんの後頭部の髪の毛が薄くなる現象など…すべて子育て中に目撃した現象をもとにしています。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
「ちりわらし」が赤ちゃんの成長によって埃を隠す場所がなくなり、次の居場所を探して旅立ってしまうシーンです。子育ての短い間にしか見られないということを事実として描いたつもりでしたが、後から読み直すと、子育ての時間は短く子供との時間を大切にしようと自分の中で何度も何度も再確認できるからです。
――いとうさんは、世の中で言い伝えられている妖怪のなかで気に入っているものはあるのでしょうか?
魃(ひでり)という妖怪です。気に入っている…というか自分の中の妖怪のイメージを変えてくれた存在なので思い出深いです。
子供の頃から妖怪は、おとぎ話や有名なアニメで接してきました。ずっと妖怪は「そういうキャラクター」としか見ていなかったのですが、魃は一本腕と一本足で早く走る妖怪で、竜巻が妖怪となったものではないかという説に出会いました。
こちら諸説あるので真偽の方は正確に分からないのですが、自然現象が妖怪になっているという話が自分の中でとても面白かったのを覚えています。
――読者へメッセージをお願いします。
いつも漫画やイラストを見ていただいてありがとうございます。いつも投稿するときは緊張していますが、皆様の温かいメッセージが制作の支えになっています。良かったら、これからも見ていただけると嬉しいです。