【万博】朝イチがねらい目!サウジアラビア王国パビリオンで味わう本場の「サウジコーヒー」で異国の朝食体験を

本場のサウジコーヒーと軽食が味わえる「IRTHカフェ」をレポート

 大阪・関西万博(以下、万博)の海外パビリオンの中でも、まるで現地を旅したような感覚に浸れる「サウジアラビア王国」パビリオン。今回は併設カフェのレポートをお届けします。

【画像】飲んだらハマる…!?「サウジコーヒー」を味わえる「IRTHカフェ」を詳しくチェック(13枚)

 まるで異国の街へ迷い込んだような空間が印象的な「サウジアラビア王国」パビリオン。現地の伝統的な市場「スーク」をイメージした石造りの建物の一画に溶け込むようにあるのが「IRTH(イアス)カフェ」です。

 本場のサウジコーヒーが味わえるとあって時間帯によってかなりの待ち時間が発生しますが、朝早い9時台にパビリオンを訪ねると比較的空いていました。

おもてなしに欠かせない「サウジコーヒー」とは?

 生まれて初めて体験するサウジコーヒー。コーヒーをいただく前に、パビリオン広報担当の方にサウジコーヒーの特徴や作り方について教えていただきました。

<サウジコーヒーの特徴>

 大切な客人のおもてなしの場面で欠かせない飲み物。淡い金色をした浅煎りの豆にカルダモンをたっぷり加え、スパイスの香りを引き立てるために苦みやコクよりも香りを重視しています。加えられるスパイスは地域や家庭、部族によって異なるそうです。

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カフェのサウジコーヒー材料。グリーンカルダモン(左)、浅煎りアラビアコーヒー豆(中央)、クローブ(右)

<サウジコーヒーの作り方と飲み方>

・「ハワン」と呼ばれる伝統的な道具でコーヒー豆やカルダモンをすり潰します。豆を砕く際に、リズミカルな音を鳴らしておもてなしの気持ちを表現するそう。

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サウジコーヒーの伝統的な道具。コーヒーやスパイスをすり潰す「ハワン」(中央)、コーヒーの煮出しや保温に使うポット「ダッラ」(左右)。熱した砂の上にダッラを置いて保温中。

・伝統的なポット「ダッラ」に水を沸かし、コーヒーを加えて10~15分ほど煮出します。そこにスパイスを加え、さらに3~5分煮てから火を止めて蒸らし、粉が沈むのを待ちます。その後、「ダッラ」へ漉しながら注ぎ、保温します。

・ホストが左手で「ダッラ」を持ち、右手でサウジコーヒーを注ぎ、客人に提供します。本来は「フィンジャーン」と呼ばれる小さな器にコーヒーを注ぎますが、カフェでは紙コップに注いで提供されます。

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サウジコーヒーの本来の注ぎ方(提供:サウジアラビア王国)。実際のカフェでは小さな紙コップに注がれ、提供されます。

 なお、コーヒーには砂糖やミルクは入れず、そのままホットで、添えられたデーツと一緒にいただくのがサウジ式の飲み方。おかわりは3杯までがマナーとされ、4杯目は「毒の杯」と呼ばれ、縁起が悪いと言われているそうです。「4」の数字を忌み嫌うことは日本に通じるものがありますね。

初めての味! スパイス香るコーヒーと甘いデーツを実食

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これがサウジコーヒー(1杯税込み700円)。

 注ぎたてのサウジコーヒーを、いただいてみました。見た目も味もコーヒーというよりも、スパイスが効いたお茶に近い印象。カルダモンの香りがフワッと口の中に広がり、体の芯から温かくなるような感覚とスーッとする清涼感の両方を感じました。

 添えられたデーツは日本の干し柿に近い食感と味わいで、サウジコーヒーとよく合います。どちらも私は気に入ってしまい、「また味わいたい」と思いました!

お土産や軽食も充実

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デーツが美味しかったのでギフトショップでお土産に購入(写真はミニサイズ税込み1360円)。缶のデザインも素敵でグリーティングカードを添えてくれました。

 なお、コーヒー豆やデーツ、コーヒーをいただく器(フィンジャーン)は隣接するギフトショップで購入することもできます。筆者はデーツを買って帰りましたが、時間帯によって売り切れてしまう場合もあるようです。

 朝一番に立ち寄ったこともあり、カフェには様ざまなサンドイッチや焼菓子が並んでいました。どれも気になったのですが、季節のジャムとホワイトチーズなど伝統的な朝食の具材を挟んであるという「ターティーマ」、カシューナッツとカルダモン入りのバナナケーキ「マスーブ・ケーキ」、5種類のクッキーを詰め合わせた「クッキー缶」を購入しました。いずれもスパイスの香りが程よく感じられ、美味しかったです。特に、甘いお菓子とスパイスの組み合わせにどハマりしてしまい、クセになりそうです!

カフェの名前に込められた想い

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パビリオンの建物を眺めながらサウジアラビアの焼菓子をパクリ。それだけで旅気分!

 なお、「IRTH(イアス)」はアラビア語で「遺産」を意味する言葉だそう。サウジアラビアの伝統的な味の遺産を気軽にテイクアウトできるのがカフェの魅力。異国の食文化に、ぜひ触れてみてください。

※掲載情報は8月上旬の取材時点のものです。

(野村ゆき)