見た目も涼しいお漬物──松田美智子の「くらしの歳時記」
撮影・鍋島徳恭
古くから伝わる習慣やしつらい、暮らしの知恵。松田美智子さんが取り入れている“歳時記”を紹介します。今回は「お漬物」。
見た目も涼しいお漬物
見た目も涼しいお漬物──松田美智子の「くらしの歳時記」
旬のきゅうりを叩いて、ビー玉の重石で漬けます
露地もののきゅうりが出回っています。春に比べると、だいぶ安くなってきました。不揃いの安価なきゅうりを見つけると、必ず作るのが、きゅうりのお漬物です。糠漬け、浅漬け、味噌漬けとその時の気分で様々ですが、漬けている間も楽しみます。
ガラスの漬物器には密封蓋があって便利なのですが、ガラスの重石が1種類なので、小さなものを漬けるときには均等に重みをかけられません。そこで思いついたのがガラスのビー玉。簡単に重量を増減できますし、見た目が爽やかで、キッチンが涼やかに。
調理の際は、きゅうりを塩で板摺りして、沸騰した湯でさっと茹でてから漬けてみて下さい。色が鮮やかに仕上がり、調味液の馴染みも良くなります。また、火を使いたくない場合は、叩いたきゅうりを少し手で崩し、きゅうりの内側に調味料がしっかり触れるようにすること。こうすることで短時間で美味しく仕上がります。添加物なし、塩分調整可の自家製漬物、おすすめです。
醤油と八角で中華風漬物に
醤油大さじ3、酒大さじ2、米酢大さじ2、三温糖小さじ1、八角ひとかけ、赤唐辛子1センチを小鍋でさっと煮立て、しょうがの千切り大さじ1を加えて漬け汁を作る。きゅうり2本は板摺りして縦半分に切り、種を除いて縦3等分にし、両端を落として5センチ長さに切りそろえる。沸騰した湯に塩を加え、きゅうりを入れてさっと茹でこぼす。保存容器にきゅうりを入れ、きゅうりの上一面にビー玉をのせ、全体が漬かるように漬け汁を注ぐ。3〜5時間冷蔵庫に置く。酸味と甘みは好みで加減する。水分が上がったらビー玉を除く。
松田美智子さん(まつだ・みちこ) 料理研究家
近著『家庭料理は郷土料理から始まります。』(平凡社)ほか著書多数。調理道具「JIZAI」をプロデュース。m-cooking.com
『クロワッサン』1147号より