Pixel 10のSoC「Tensor G5」は過去最大の性能向上。Qi 2対応で充電も便利に
Pixel 10を紹介する中条あやみさん
米Googleは8月21日、スマートフォン「Google Pixel 10」シリーズを発表、予約販売を開始した。価格はPixel 10が12万8,900円から、Pixel 10 Proが15万9,800円から、Pixel 10 Pro XLが19万2,900円から、Pixel 10 Pro Foldが26万7,500円からとなっており、発売はPixel 10 Pro Foldのみが10月9日で、それ以外は8月28日。
本稿ではPixel 10シリーズのハードウェア面について紹介する。新しいAI機能などソフトウェア面については別記事を参照されたい。
Pixel 10シリーズではGoogleが独自開発したSoC「Tensor G5」を採用。TSMCの3nmプロセスで製造され、これまでの5世代で最大級の進化とされており、前世代と比べCPU性能は平均34%、AI処理に関するTPU性能は60%向上したという。
また、Tensor G5は、AI専業であるGoogle DeepMindが開発に協力しており、最新のGemini Nanoをローカルで実行できる初のチップとなる。具体的には、通話時に双方話者の声色をそのままにAI音声で翻訳する機能など、20以上のAI機能を端末上で実行できる。画像処理を行なうISP(Image Signal Processor)も強化されている。
Tensor G5は前世代と比べ、CPUが平均34%、TPUが60%性能向上
Google DeepMindもSoC開発に協力しており、発売時で20以上の生成AI機能を端末上で処理可能
メモリはPixel 10のみが12GBで、そのほかのモデルは16GBを搭載。ストレージはPixel 10が128/256GBで、そのほかのモデルは256GB/512GBとなる。
パネルはPixel 10が6.3型OLEDで、解像度は1,080×2,424ドット、リフレッシュレートは60~120Hz。Pixel 10 Proが6.3型OLED(LTPO)で解像度が1,280×2,856ドット、リフレッシュレートは1~120Hz。Pixel 10 Pro XLが6.8型OLED(LTPO)で、解像度は1,344×2,992ドット、リフレッシュレートは1~120Hz。折りたたみ式のPixel 10 Pro Foldは外側が6.4型OLEDで、解像度は1,080×2,364ドット、リフレッシュレートは60~120Hz、内側が8型OLEDで、解像度が2,076×2,152ドット、リフレッシュレートは1~120Hz。
左からPixel 10、Pixel 10 Pro、Pixel 10 Pro XL
側面
上面にNano SIMスロット
底面はSIMスロットがなくなり、デュアルスピーカー構成となった
裏面
Pixel 10 Pro Fold
カメラの仕様はPixel 10が、4,800万画素Quad PD広角(F1.7/画角82度/センサーサイズ2分の1)と、1,300万画素Quad PDウルトラワイド(F2.2/画角120度/センサーサイズ3.1分の1)、1,080万画素Dual PD望遠カメラ(F3.1/画角23度/センサーサイズ3.2分の1/光学ズーム5倍/超解像ズーム最大20倍)、1,050万画素Dual PD前面カメラ(F2.2/画角95度)。
Pixel 10 Proと同XLは、5,000万画素Octa PD広角(F1.68/画角82度/センサーサイズ1.3分の1)と、4,800万画素Quad PDウルトラワイド(F1.7/画角123度/センサーサイズ2.55分の1)、4,800万画素Quad PD望遠カメラ(F2.8/画角22度/センサーサイズ2.55分の1/光学ズーム5倍/超解像ズーム最大100倍)、4,200万画素Dual PD前面カメラ(F2.2/画角103度)。
Pixel 10 Pro Foldは、4,800万画素Quad PD広角(F1.7/画角82度/センサーサイズ2分の1)と、1,050万画素Dual PDウルトラワイド(F2.2/画角127度/センサーサイズ3.4分の1)、1,080万画素Dual PD望遠カメラ(F3.1/画角23度/センサーサイズ3.2分の1/光学ズーム5倍/超解像ズーム最大20倍)、1,000万画素Dual PD前面カメラ(F2.2/画角87度)、1,000万画素Dual PD内側カメラ(F2.2/画角87度)。
カメラについては、AIを用いた各種新機能の追加もあるが(別記事で解説)、シリーズ共通でC2PAコンテンツクレデンシャルに対応した。これにより、Pixel 10シリーズで撮影した写真にはC2PAコンテンツクレデンシャルにもとづいたメタ情報が付加され、写真編集アプリでの編集履歴や、生成AIによる加工履歴の有無などを確認できるほか、生成AIモデルに学習されないよう要求もできる。
Pixel 10のカメラバー。全機種とも背面に3眼カメラを備える
Pixel 10 Pro XLのカメラバー
もう1つのシリーズ共通の新機能として、ワイヤレス充電規格「Qi 2」に対応した。Qi 2はAppleのMagSafeをベースとした標準規格で、マグネット式に対応したので、スマホを充電台/充電器にくっつけて充電できる。従来のQiより電力出力(15W)が向上したのに加え、スマホと充電器のコイルを最適な位置に容易に合わせられるため、充電効率も向上する。
Pixel 10 Pro Foldは初のQi 2対応折りたたみ式スマホとなる。また、Pixel 10 Pro XLはスマホとして初めてQi 2.2規格に対応。Qi 2.2では25Wの急速充電が可能となる。Qi 2に対応したことで、既存のiPhone向け充電器が使え、Google自身もQi 2対応の充電器「Pixelsnap」を発売する。
Qi 2に対応し、Pixelsnapという名称で対応する充電器やアクセサリを発売
Pixelsnap対応充電器
充電部分のみ取り外せる
Pixel 10に装着したところ
ケースなどのアクセサリもPixelsnap対応
いずれの機種もIP68準拠の防塵/防水に対応。Pixel 10 Pro Foldは折りたたみ式スマホとして世界で初めてのIP68対応となるほか、ヒンジの強度を高め10年以上の開閉に耐えるという。
バッテリ容量はPixel 10が4,970mAh、Pixel 10 Proが4,870mAh、Pixel 10 Pro XLが5,200mAh、Pixel 10 Pro Foldが5,015mAh。バッテリ駆動時間はいずれも30時間以上。Pixel 10 Pro XLは別売の45W充電器利用時に約30分で最大70%、そのほかの機種は別売りの30W充電器利用時に約30分で最大55%(Foldは50%)まで充電できる。
無線は、全機種Bluetooth 6に対応。Wi-FiはPixel 10のみWi-Fi 6Eまでで、ほかの機種はWi-Fi 7に対応。5GはPixel 10 Pro Foldのみミリ波/Sub 6両対応で、ほかの機種はSub 6のみの対応。SIMは全機種Nano SIM+eSIMかeSIM×2のデュアルSIM構成。このほか、NFC、Felicaに対応する。
本体サイズと重量は、Pixel 10が152.8×72×8.6mm/204g、Pixel 10 Proが152.8×72×8.6mm/207g、Pixel 10 Pro XLが162.8×76.6×8.5mm/232g、Pixel 10 Pro Foldが155.2×76.3×10.8mm(折りたたみ時)/155.2×150.4×5.2mm(展開時)/258g。
Pixel 10の概要
Pixel 10 Proシリーズの概要
Pixel 10 Pro Foldの概要
Pixelのアンバサダーとして、新たに俳優/モデルの中条あやみさんが就任したことも発表された。事前説明会では、同じくアンバサダーである車いすテニス選手の小田凱人さんとともに登壇。Pixelの新機能を紹介した。
中条あやみさんと小田凱人さん
事前説明会では前日に収録したCM撮影の舞台裏話や、Pixel 10を使った感想などを語った