50代「おばさんはノースリーブ着るな」問題について思うこと。心と体の変化に、自分らしく向き合う
年齢を重ねた女性がノースリーブを着ることに対し、だれかの批判の声が聞こえてくる夏。文筆家の朝倉真弓さん(50代)が、体の変化や心のあり方に寄り添いながら、自分らしいノースリーブの楽しみ方について語ります。
毎年増えるノースリーブコレクション
【写真】ノースリーブを着る朝倉さん
年齢を重ねたら、ノースリーブは避けるべき?
毎年この時期になるとSNSで盛り上がる「おばさんはノースリーブを着るな」という論争。先日も「50代にもなってノースリーブを着る女性が信じられない」という趣旨の投稿を見かけました。
私自身は、若い頃はあまりノースリーブを着ることはありませんでした。冷え性なので冷房が効いた室内用に上着を持ち歩くのが面倒と感じることもあり、夏は半袖を選ぶことが多かったのです。
でもそれは、40代までのことでした。
ノースリーブ愛が止まらなくなってきた50代
自分でも驚くことに、50歳を過ぎた頃から袖がある服が暑いと感じるようになりました。おまけに、冷房が効いた室内でも昔ほど冷えを感じません。
猛暑のせい? 代謝がよくなった? それとも…恋? …いやいやそうではなく、更年期の影響によるもののようです。
ホットフラッシュの瞬間には汗だくになってしまい、半袖を着ていると汗で濡れてしまいます。その濡れた布が、今度は体を冷やすという悪循環。腕のプヨプヨが気になるとか、筋張った首や鎖骨を見せたくないとか、そんなことは言っていられません!
そういえば私が小さい頃には、おばさん世代はこぞって「アッパッパ」と呼ばれていたノースリーブのゆったりワンピースを着ていましたっけ。最近のマキシ丈ワンピースにも似ていますが、当時はミニスカートが流行していたこともあり、膝丈ほどのアッパッパもあったように記憶しています。あのスタイルは、更年期女性の夏の救世主だったのかもしれません。
隠したい部分はアームカバーで対処
アームカバーと大ぶりのアクセサリーの組み合わせがお気に入り
夏の装いといえば、今年初めて買ってみたのが、日焼け防止のアームカバーです。私の場合、日焼け防止というよりも、腕や手の甲の静脈が目立つ体質であることが気になり、見せない方が美しいかなと思って取り入れてみました。
これが想像以上にすぐれもので、アームカバーをしている方が涼しく感じられる素材のものもあります。また、ひじまで隠れる長いタイプは、ひじの黒ずみやたるみも隠してくれます。大きな指輪と合わせるとすてきだなと感じ、最近のお気に入りになりつつあります。
そうそう、SNSで「ノースリーブに長いアームカバーを合わせている人ってなに?」という投稿もありましたが、それ、最近の私です!
体型をどう感じるかは他人ではなく自分次第
なにを着てどう振る舞うかは自分で決めていい
私は、体つきはその人が生きてきた歴史を刻んでいるのだから、決して恥ずべきものではないと考えています。
ヨーロッパのマダムが、細くてシワシワでも太くてパンパンでもお構いなく、堂々とノースリーブを着こなして腕や脚を出しているのを見ると、潔くて美しいとさえ感じます。他人の批判にうろたえて、自分の体型や体質を恥ずかしく感じる必要はないと思うのです。
大切なのは、自分が自分でどう感じるか。「いやだな」と思ったら、変化までの努力を楽しんだり、おしゃれに隠したりすればいい。「悪くはない」と思うのなら、そのまま前を向いて堂々としていればいい。
私は、腕の振袖肉には目をつぶってノースリーブを楽しんでいますが、手の甲のゴツゴツが好きではないので、アームカバーを使い始めました。一方で、年齢を重ねたらノースリーブはやめておこうと考える人がいても不思議ではありません。それぞれ、他人の批判は横に置いて、自分の選択を楽しめばいいと思っています。
酷暑が続くとおしゃれをしたいという気持ちも失せてしまいがち。できる範囲でご機嫌に、自分らしい装いを楽しんでまいりましょう!