ホンダ「フィット」と「シビック」が一部改良を実施。最新アップデートの中身とは
ホンダは2025年7月10日、「FIT(フィット)」を一部改良、また2025年7月17日に「CIVIC(シビック)」の一部改良を実施。両車とも原材料価格や物流費などの世界的な高騰に伴い、全国メーカー希望小売価格を改定を行う。フィットは7月11日(金)に発売、シビックは7月21日から全国のホンダカーズで受注を開始し、10月2日に発売することを発表した。

ホンダの主力車種が改良でより魅力的に進化

シビックは2024年9月にマイナーチェンジで6速MTを搭載した「RS(写真右)」を追加している。
フィットとシビックは、それぞれ異なるキャラクターを持ちながらも、ホンダの個性と思想を色濃く体現したモデルだ。
フィットはコンパクトで扱いやすく、誰にでも優しいユーティリティ性が魅力の一台。一方のシビックは、走りの楽しさを重視しつつも、日常での快適性やデザイン性にも妥協のないグローバルモデルである。
このふたつのホンダの主力車種が、2025年夏に相次いで商品改良を受けた。そこには「日常を、もっと快適に」「運転する楽しさを、もっと深く」というホンダらしい進化の方向性が見える。
フィットはクロスターの内外装をリフレッシュ
フィットの現行モデル(4代目)は2020年に登場以来、優れた視界や使い勝手の良さ、そしてe:HEV(イーエイチイーブイ)による低燃費などで幅広い層に支持されてきたが、今回の改良では一部グレードでその強みをさらに引き上げる内容となっている。

フィット e:HEV ホーム。ボディカラーはシーベッドブルーパールで3万3000円高。
最大のトピックは、SUVテイストを持たせた「CROSSTAR(クロスター)」の内外装のリフレッシュだ。外装ではドアミラーはブラック塗装からシルバー塗装に変更されたほか、アウタードアハンドルはブラック塗装からボディ同色へ、さらにリアライセンスガーニッシュはボディ同色からシルバー塗装へ変更し、見た目の質感向上を図っている。
内装ではステアリングパネルとセレクトレバーエスカッションにブラックを採用したほか、助手席ダッシュボードおよびアームレストカラーをグレーからネイビーに変更。さらにシート部のサイドにライムイエローステッチを追加して、遊びゴコロのある仕様に仕上げている。
また、クロスターには専用色となるボタニカルグリーンパールを設定(メイン写真)。SUVが似合うアウトドアレジャーで映えるボディカラーで、ユーザーも喜ぶことだろう。

クロスターは助手席ダッシュボードとアームレストカラーをグレーからネイビーに変更している。

シートのサイド部にライムイエローステッチを追加している。
シビックはスポーツ×洗練を極める。ハッチバックとe:HEVが進化

これまでRSグレードに先行採用されていた新しいボディ塗装を他のグレードにも採用。ボディの艶やかさがより向上している。
一方のシビックも一部改良を実施した。対象はハイブリッドモデル「e:HEV LX」と「e:HEV EX」、ガソリンモデル「LX」と「EX」。ホンダが誇るグローバルスポーツセダンの魅力を、より幅広い層に届けるべく洗練が図られている。
今回の一部改良では、シビックの「RS」グレードや、ミドルサイズSUV「ZR-V(ゼットアールブイ)」などで先行採用されている最新の外装塗料技術を、新たに標準モデルにも展開。ボディ塗装に使用されるクリア層の素材を、従来のアクリルメラミン系から、より高機能な新素材へと切り替えた。
この変更により、ボディ表面の艶やかさが一段と向上。光の反射に奥行きが生まれ、クルマ全体の存在感をより際立たせる仕上がりとなっている。
さらに塗膜の耐久性も飛躍的に向上しており、従来比で約1.5倍以上の耐候性能を実現※。長期的な使用においても色褪せやツヤの劣化が抑えられ、美しい外観を長く保つことが可能となっている。
※ホンダ社内評価による比較値。使用状況や環境により異なる場合があります。
動力性能については大きな変更はないが、e:HEVならではのスムーズかつ力強い加速感や、ハッチバックに搭載されるVTECターボエンジンのレスポンスは健在。快適な通勤からワインディングまで、幅広い走行シーンで楽しめるクルマに仕上がっている。