中国、カンボジアとタイの国境係争地衝突に「深い懸念」表明

中国、カンボジアとタイの国境係争地衝突に「深い懸念」表明
【AFP=時事】中国は24日、カンボジアとタイの間で発生した武力衝突について「深い懸念」を示した。両国は国境をめぐり長年にわたり対立している。

中国、カンボジアとタイの国境係争地衝突に「深い懸念」表明
中国外務省の郭嘉昆報道官は「現在の事態を深く懸念しており、双方が対話と協議を通じて問題を適切に解決することを望んでいる」と述べた。
また、「隣国として友好関係を保ち、意見の相違を適切に処理することは、双方の根本的かつ長期的利益に合致する」とも語った。
24日の衝突は、タイのスリン県とカンボジアのオッダーミエンチェイ州の国境地帯にある二つの寺院付近で発生。タイ側によると、カンボジア軍の越境攻撃により、子ども1人を含む民間人9人が死亡し、14人が負傷したという。

中国、カンボジアとタイの国境係争地衝突に「深い懸念」表明
カンボジア軍はロケット弾や砲弾を発射し、これに対しタイ軍はF16戦闘機を出動させて空爆を行った。
カンボジアは中国と友好関係にあるが、郭報道官は「(中国政府は)公正かつ公平な立場を取る」と述べ、「中国は独自のやり方で和平と対話を促進するため最善を尽くしてきたし、今後もそうしていく。情勢の緩和と沈静化に向けて建設的な役割を果たしていく」と強調した。

中国、カンボジアとタイの国境係争地衝突に「深い懸念」表明
両国とラオスの国境が交わる「エメラルド・トライアングル」と呼ばれる地域をめぐり、タイとカンボジアは激しく対立している。この地域には複数の古代寺院が存在する。

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この争いは数十年にわたり続いており、15年以上前にも軍事衝突に発展。今年5月には銃撃戦が発生し、カンボジア兵1人が死亡している。(c)AFP
【翻訳編集】AFPBB News