ぽっちゃり系グラドル「磯山さやか」が女優として開花 志村イズムを継承した「やりすぎない演技」とは?

 4月7日にスタートしたドラマ「夫よ、死んでくれないか」(テレビ東京系)で、安達祐実、相武紗季とトリプル主演を務めているタレントの磯山さやか(41)。本作は、結婚に後悔する大学時代の同級生3人が、結婚で奪われた幸せを取り戻す姿を描いたマリッジサスペンスで、磯山はモラハラ夫に恨みを募らせる専業主婦役を演じている。

 磯山といえば、高校2年生のときにグラビアデビューして以降、長年にわたってグラビア界をけん引してきた。親しみやすいビジュアルや人柄でタレントとしても人気を集めたが、女優というイメージを持っている人はあまり多くないだろう。そんな中、今作の磯山の演技に対してSNS上では「演技想像以上に上手でびっくり」「主婦感がすごい」など評価する声が目立っている。今後は女優業への転身も期待できそうだが、実力は本物なのか。

「昨年は月9ドラマ『嘘解きレトリック』にもレギュラー出演しました。昭和初期を舞台としたミステリーで、磯山は主人公たちを見守るお食事処の女将役。優しく気の利いた女将さんという役どころを暖かい京都弁で演じ、和服姿も似合っていて人気キャラクターとして強い印象を残しました。また、2023年には18年ぶりに映画主演を果たした『愛のこむらがえり』も公開されました。映画監督としてなかなか芽が出ない同棲相手の才能を信じて、全力でサポートをするヒロインという役どころで、相手のために四苦八苦する姿をチャーミングに演じ、そのコメディアンぶりが反響を呼びました。出演作は少ないですが、どの作品でも演技は好評を博しており、今後、需要は増えていく可能性はあると思います」(民放ドラマ制作スタッフ)

 女優としても存在感を発揮し始めた磯山だが、故・志村けんさんと舞台やテレビでのコントで何度も共演してきた経験が、女優業に役立っているようだ。

「Real Sound」(23年6月27日配信)では、映画「愛のこむらがえり」でのコメディーシーンの演技について、コントやコメディーではオチのリアクションを大きくする人も多いが、そこまでやりすぎずにリアル感を出すようにしていると説明。これは志村さんから教わったことだと言い、「こういう人いるよね」という感じに少し動きを足すくらいがちょうど良いと持論を語っていた。コメディーにおいては今でも“志村イズム”を大切にしているようだ。

■野球選手との噂はいっぱいあったけど…

 また、最近は恋愛や結婚に関する話題がなく、自身はたびたび「私生活で恋愛とは無縁」と語っている。これも女優業にシフトしている一因になのだろうか。週刊誌の芸能担当記者は言う。

「昨年2月に出演したバラエティー番組では、『恋愛経験は少ない』とした上で、最後に付き合った時期を聞かれると『30代あったかな…って感じです』と言い、共演者も驚いていました。一方、今年4月の情報番組『ぽかぽか』では、『色恋沙汰のスクープには細心の注意を払っているっぽい』とMCから指摘されると、磯山は『△』と答えていました。というのも、色恋沙汰がほぼないイメージなので、週刊誌に撮られることがないそうです。また、大の野球好きで知られることから『野球選手と噂はいっぱいあったんですけど』と振り返りつつも、恋愛に関しては『チャンスがないだけ』と明かしていました。実際に最近もこれといった熱愛報道はありませんし、結婚はまだ先なのかもしれません」

 一方、“本職”であるグラビアの仕事は堅調だ。

「23年発売の写真集が最近、4度目の重版が決定したことを報告するなど、グラビアのほうも好調です。しかし、今年2月のマスコミ会見では、『もしも写真集を次、出版させていただくとしたら“ラスト”になると思います』と返答。毎回、これがラストかもと思いながらやっていて、写真集を出せるのは当たり前じゃないとも話していました。グラビア界のレジェンドという印象が強い磯山ですが、そんな発言から、女優業に本格シフトチェンジしていきそうな予感もあります。これまで以上に演技に取り組めば、40代にして女優としてのポジションを確立することができると思います」(前出の週刊誌記者)

 元「SPA!」副編集長で芸能デスクの田辺健二氏は磯山の今後をこう予測する。

「グラビアアイドルとしては“ぽっちゃり系”というジャンルを打ち立てただけでなく、バラエティーで見せる愛嬌の良さから、男女ともに支持率が高いことでも知られています。一方で、プライベートでは長く恋愛をしてないことを公言したり、意外とミステリアスな一面も。柔和で幸せオーラ全開の外見とは裏腹に、私生活は意外と“陰がある”というギャップは、タレントとしての伸びしろをまだまだ感じさせます。お芝居もできる人なので、女優なら水野美紀さんのような怪優を目指すのもハマりそうですし、バラエティーでも、芸能界をサバイブしてきた40代の等身大女性としての哀愁はきっと武器になるはず。きっかけさえつかめば大ブレークできるタレントだと思います」

 庶民感や柔らかな雰囲気の癒やし要素もあり、ハマる役柄はまだまだありそうな磯山。志村けんさんの意志を継いだ女優として、どんな演技を見せてくれるのか注目したい。

(丸山ひろし)