池田エライザ、NHK「舟を編む」海外評価に「とても幸せ。『激おこぷんぷん丸』はどう翻訳されたのか…(笑)」 6・17放送スタート

「舟を編む」主演の池田エライザ
女優、池田エライザ(29)が主演を務め、2024年にNHK BSで放送された「舟を編む~私、辞書つくります~」が、17日から毎週火曜午後10時に放送される(全10回、再放送は木曜深夜0時35分から)。BSで放送したバージョンの「短縮版」ではあるが、再編集した内容となる。放送を前に、主人公・岸辺みどり役のエライザからコメントが到着した。
同作は作家・三浦しをんさんによる小説「舟を編む」が原作。辞書「大渡海」を完成させるまでの編集部員たちの奮闘物語で、24年にBSで放送されると「ドイツ・ワールドメディアフェスティバル2025」で金賞を受賞するなど国内外で評価された。エライザのコメントは以下の通り。
――日本語の面白さや奥深さとは?
海外にも「ケ・セラ・セラ」のような、日本語で表現するには何が一番正しいのかがわからない言葉ってあると思うんですけど、一話で「悪い言葉なんてない」っていう野田洋次郎さんのセリフがあるんです。きっと言葉って、誰かに何かを伝えたくて、必要に迫られて生まれてきたものなんだろうと思うので、その言葉をどう使ってあげるかによって、とっても美しい言葉になるな、と。
特に日本語だと、昔から言葉遊びが多いので、そこに込められた意味で、人の想像力をかき立てて、いろんな表現をすることができる。人の想像に委ねて、それを楽しむということができるのが、私はすごく好きです。俳句とかも、詳しいわけではないのですが、すごく楽しく読んでいますし、大好きです。
――実際に辞書作りに携わっている編集者や研究者の方へ、どんな思いを抱くようになりましたか?
この言葉を残さなきゃいけないって、言うのは簡単でも、本当に大変な作業なのです。ひとつの辞書にたくさんの先生が関わっていて、それをたった8センチが限界の辞書の中に、言葉をきれいに収めてあげなきゃいけない。(ドラマに出てくる辞書)「大渡海」は、結局つくるのに16年ぐらいかかっていると思うんですけど、すごく重みのある、未来へのバトンだなと思います。
――「ワールド・メディア・フェスティバル」金賞受賞について、日本語を扱うドラマが海外で評価されたことについて改めて一言お願いします
お芝居の仕事をしていると、脚本家さんがどうしてこの言葉を選んだのだろうと考えることが多くて、きっとこの言葉を選んだことには理由があるんだろうな、とその思いをくみ取る作業をよくしています。その度に、日本語の奥深さとか、そこに込められた配慮や思いやりを感じています。
改めて、こうして日本語の、この言葉がなぜ生まれたのか、どういう意味が込められているのか、ということを題材にした作品が海外で評価してもらえたということは、とても幸せです。「激おこぷんぷん丸」はどう翻訳されたのかが気になります(笑)。
――総合テレビで初めてドラマを見る視聴者へのメッセージをお願いします
ご覧いただく方々にとって、心の休息の時間になったらうれしいです。辞書の話となると、少し重たい、真面目なニュアンスを感じられる方もいらっしゃると思うんですけど、案外ライトに気兼ねなく見られて、見終わった後に自分を大切にしたくなるような優しいお話だと思います。この時間は自分のことをいたわってあげよう、温かいものを飲んで、ちょっと美味しいものを食べようと、リラックスして楽しんでいただけたらなと思います。

「舟を編む」場面写真
■池田エライザ(いけだ・えらいざ) 1996(平成8)年4月16日生まれ、福岡県出身。2009年に人気ファッション誌のオーディションでグランプリを獲得し、モデルデビューを果たす。映画やテレビドラマへの出演に加え、「ELAIZA」名義で歌手としても活動、映画監督としても作品を発表するなどマルチな才能を発揮している。

「舟を編む」場面写真