没後80年で初めて明かされる信念の生涯 彼はいかにして“ヒトラー暗殺”の共謀者になっていったのか?

『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』© 2024 Crow’s Nest Productions Limited

第二次世界大戦下のドイツで、牧師とスパイの二つの顔を持ち暗躍した実在の人物の半生を描いた『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』が、11月7日(金)より公開される。このたび、本予告と場面写真が解禁となった。

没後80年で初めて明かされる信念の生涯

第二次世界大戦下、ナチスはユダヤ人迫害や教会を弾圧し圧政を進めていた。そのナチスと闘い続けた実在のドイツ人牧師ディートリヒ・ボンヘッファー(1906年-1945年没)。平和を祈る聖職者でありながら、彼はいかにしてスパイ活動に身を投じ、ヒトラー暗殺の共謀者になっていったのか?彼の死から80周年を迎えた今年、家族思いの青年であり、勤勉なキリスト者であり、そして抵抗運動の闘士と化して生き抜いた39年間の短くも濃厚な生き様と、“20世紀を代表するキリスト教神学者の一人”と呼ばれる英雄の知られざる人物像が明らかとなる。

監督・脚本・製作を務めたのは、『ハドソン川の奇跡』や『博士と狂人』など実話を得意とする名シナリオライター、トッド・コマーキニ。知られざる真実に斬り込む人間ドラマに定評のあるコマーキニが、ドイツでは誰もが知る歴史上の人物であり、現在もなお人々の思想に大きな影響を与え続けるひとりの男の生涯を描き切る。

ボンヘッファー役を演じるのは、舞台演劇出身のドイツ人俳優ヨナス・ダスラー。2019年、ファティ・アキン監督作『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』で主人公の連続殺人犯を演じ、ドイツ映画賞の主演男優賞にノミネートを果たした。後にVariety誌「注目すべきヨーロッパの若手映画人10人」にも選出されている。共演には、『イングロリアス・バスターズ』『名もなき生涯』のアウグスト・ディールや『エイリアン:ロムルス』のデヴィッド・ジョンソン。

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本予告では、ボンヘッファーがヒトラー暗殺計画に参画した経緯と奮闘が映し出される。第二次世界大戦下、教会はナチスに支配され“帝国教会”となり、ナチズム支持派の牧師が声高らかに「新たな聖書のキリストはアドルフ・ヒトラー総裁だ!」と宣言する。

かねてからナチスの行いを疑問視していたボンヘッファーは、ナチスに目を付けられながらも帝国教会の教えを否定するような説教を続けるが、ある日同志たちがヒトラーの暗殺を計画していることを知る。「“敵(=隣人)”を愛せ」を教えとしている牧師を生業とするボンヘッファーだが、「“ウソの塊”のような男に勝つためには、より巧妙なウソを」と暗殺計画に加わることを決め、改心したフリをしてナチス組織の中に潜入する——。

牧師として平和を説き、スパイとして反ナチ運動を扇動し、暗殺者としてヒトラーの命を狙う……3つの顔を持ち、己の“正義”を掲げたボンヘッファーの行いは罪か、それとも愛なのか——?80年の時を経て、ナチスのユダヤ人迫害に抗い続けた一人の男の知られざる生涯がいま、明かされる。

場面写真には、ボンヘッファーがナチス・ドイツの国旗の前で思い詰める様子や、胸元に銃を突きつけられる緊迫した一コマのほか、同じ志をもつ牧師、人生の転機となったアフリカ系アメリカ人の友人たち、そして心許せる妹とくつろぐひと時などボンヘッファーを取り巻く人々の姿もおさめられている。

『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』は11月7日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開