独裁者を望む米国民は少なくない? トランプ大統領の発言が波紋を呼ぶ
聞き捨てならないトランプ発言

トランプ大統領が迷言を繰り出すのは毎度のことであり、いまさら驚くこともない。しかし、独裁者を望む米国民は少なくないという、8月24日の発言はさすがに波紋を呼んでいるようだ。
開き直るトランプ大統領

トランプ大統領は犯罪抑止のため、一部都市に州兵を派遣するという政策を推し進めているが、これは独裁的だという批判も招いている。ホワイトハウスの執務室に集まった記者らはこの点について、同大統領に質問を行ったが、トランプ氏は開き直って悪びれる様子もなかった。
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開き直って
新たな大統領令

このとき、トランプ大統領は保釈金なしの保釈制度を縮小し、米国旗の焼却を犯罪とみなすための大統領令に署名することとなっており、記者会見はこれに先立って行われた。
民主党が主導する都市に対する不満

記者らとの質疑応答ではいつものトランプ節が炸裂。その際、民主党が主導する都市はトランプ政権による犯罪取り締まりに非協力的だと述べ、不満をあらわにした。
「シカゴは今、殺戮の場になっている」

『インデペンデント』紙によれば、トランプ大統領は「ご存知の通り、シカゴは今、殺戮の場になっている」と発言。なお、同大統領はその前週に、イリノイ州シカゴに州兵を派遣すると述べていた。
批判の声に対する不満

同大統領はさらに、「ところが、やつらはそのこと(シカゴが殺戮の場所になっていること)を認めようとしない。それで、『トランプはいらない、自由万歳。あいつは独裁者だ』などというわけだ」とした。
大衆は独裁者を待ち望んでいる?

そして、「『われわれは独裁者を待ち望んでいるのかもしれない』と言う人は少なくない。もちろん、わたしは独裁者が好きではないし、わたし自身は独裁者ではない。スマートな常識人だからね」と言葉を続けたが、これが反発を招くことになってしまった。
イリノイ州知事の反応

イリノイ州のJ・B・プリツカー知事はこのトランプ発言について、「危機をでっち上げ、軍隊を政治利用し、権力を濫用し続ける」目論見だと述べ、怒りをあらわにした。
「イリノイ州は連邦政府の介入を求めていない」

同知事はさらに、イリノイ州は州兵の派遣に関して連邦政府から何も知らされていないほか、同州が連邦政府に対して介入を求めたという事実もないとした。
シカゴ市長も反発

一方、シカゴ市のブランドン・ジョンソン市長(民主党)は次のようなX投稿を行なっている:「トランプ大統領の提言は21世紀最大の憲法違反となるでしょう。シカゴ市は軍事占領など必要としていません」
「犯罪の取り締まり強化」に乗り出すトランプ政権

一方、『インデペンデント』紙によれば、トランプ大統領は連邦政府の法執行機関を全米各地に派遣し、犯罪を徹底的に取り締まると宣言。その第一歩として、首都ワシントンD.C.に州兵が展開された。
ワシントンD.C.に対する州兵派遣

トランプ大統領がワシントンD.C.に派遣した連邦政府の法執行機関には州兵800人が含まれていた。しかし、シカゴにも州兵を展開できるのかどうかは、現時点では不明だという。ニュースサイト「Axios」が報じた。
イリノイ州は訴訟を起こす構え

一方、『ニューズウィーク』誌によれば、イリノイ州のプリツカー知事は8月24日、「トランプ大統領を法廷で訴えるつもりです。シカゴの街角に連邦軍を展開してよいという法律は存在しません」と述べたという。ただし、トランプ大統領が本当に、シカゴに州兵を派遣するかどうかはまだわからない。
各都市をサポートするための取り組み?

また、トランプ大統領の立場では、州兵の派遣は各都市をサポートするための取り組みだとされている。そのため、同大統領はこの政策が人々から感謝されていないことに不満をにじませている。
「正気の沙汰ではない」

トランプ大統領いわく:「各都市の状況を目の当たりにして軍隊を派遣しているのに、感謝されることはない。それどころか、『おまえは合衆国を乗っ取ろうとしている』と責められるんだから、正気の沙汰ではないね」
暴力犯罪の件数は減少傾向

同大統領は州兵派遣の根拠として、各地での犯罪増加を挙げているが、米国における暴力犯罪の件数は全体として減少傾向にある。『インデペンデント』紙が報じた。
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