機密情報へのアクセス権を剥奪:情報機関の職員らに報復するトランプ政権
情報機関の職員を狙い撃ちするトランプ政権

米トランプ政権は情報機関の職員37人について、セキュリティ・クリアランス(機密情報にアクセスする資格)を剥奪する方針だという。米国のトゥルシ・ギャバード国家情報長官(写真左)が明かした。
対象者は元職員および現役職員

この措置は現役の職員および元職員を対象としたものであり、セキュリティ・クリアランスの悪用が理由として挙げられているが、どのように悪用されていたのかについては明かされていない。
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政府の建物への立ち入り

セキュリティ・クリアランスを持つ情報機関の職員は機密情報にアクセスできるほか、場合によっては政府の建物に立ち入ることも認められる。
情報機関の職員の保護

また、職務の性質上、身の危険にさらされる可能性がある公務員らを保護する上でも重要だ。
職務を遂行する上で不可欠

さらに、民間企業に天下りした元職員の収入源となりうるほか、現役職員の場合は職務を遂行する上でセキュリティ・クリアランスが不可欠だ。
ギャバード情報長官による告発

AP通信によれば、ギャバード情報長官はセキュリティ・クリアランス剥奪の対象となった職員の名前を挙げ、「機密情報を政治的な武器として悪用している」と告発。
個人や派閥の利益誘導に使用された?

さらに、これらの職員は機密情報を個人や派閥の利益誘導に使用した上、「専門的な分析技能の基準が守られておらず」、機密情報の保護もなされていなかったという。
証拠はなし

ただし、ギャバード情報長官は証拠を示さなかったため、トランプ政権の意に沿わない情報機関職員を追い落とすための動きだという見方もある。
専門家によるコメント

ある専門家はAP通信に対し、今回の決定はトランプ政権による報復措置であり、違法だとコメント。対象となった職員らの一部はトランプ大統領にまつわる案件に対処するため、舞台裏で活動していたという。
トランプ大統領の意に沿わない職員たち

さらに、ロシアがトランプ氏を支援するため、2016年の米大統領選に介入した可能性について捜査していた職員が含まれるほか、2019年にトランプ氏を批判する書簡に署名した職員もいたとされる。
今回がはじめてではない

トランプ政権はこれまでにも、情報機関職員に報復するため、セキュリティ・クリアランスの剝奪を用いてきた。さらに、トランプ氏の政敵を弁護した弁護士についても、同様の制裁を試みたことがある。
画像:Tingey Injury Law Firm / Unsplash
ジョン・ボルトン元大統領補佐官

また、第1次トランプ政権において国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン氏も、回顧録の中で懸案を暴露したために、セキュリティ・クリアランスを剥奪されている。
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