「女性が苗字を変えなきゃいけないと思い込んでいた」人気絶頂で結婚・妊娠を公表、黒島結菜(28)が語った“選択の理由”

 人気絶頂のさなか、事実婚を選択し、公表した俳優の黒島結菜さん。その決断は、多くの人々に新しい家族のあり方や多様な生き方の可能性を感じさせました。

 今回は、出産や子育ての経験から感じたことから、婚姻制度への疑問、理想の家族像に至るまで、率直な言葉で語っていただきました。黒島さんの選択の裏側にある、揺るぎない信念とは。

事実婚と出産、私が選んだ夫婦のかたち

黒島結菜さん。

――事実婚を選択されてから、ご自身の価値観で何か変わったところはありますか?

黒島 あまり変わっていないかもしれません。その決断に至るまでに、今後の自分の人生について十分悩んだので。

――選択に至るまでの悩みは、どのようなものだったのでしょう。

黒島 ありがたいことに仕事も順調で、ひとりの人生が楽しくて、以前は結婚したり子どもを育てたりということはまったくピンときていなかったんです。ですが、朝ドラという大きな作品を成し遂げて、これまでの人生にちょっと満足してきたというか。そもそも私は最初からパートナーとは、「ずっと一緒にいることはできるけど、結婚には興味がない」という思いを共有していました。だけど「今のパートナーとだったら子どもがいる人生も面白いかも」と、なんとなく思えるようになってきたんです。

 そのタイミングで友達が結婚して、「そっか、苗字変わったんだね」と言ったら、「違う、相手が変わったんだよ」という話を聞いてハッとしました。そうか、別にどっちが変えてもいいのか。私は「結婚したら女性が苗字を変えなきゃいけない」と思い込んでいたことに、その時気がつきました。そこから苗字を変えずに子どもを育てられるのか、子どもが不利益を被らない方法はあるか、いろいろ調べ始めました。

――それが事実婚の選択につながったわけですね。

黒島 私が結婚にあまり興味がなかったのは、「自立していたい」という思いが強かったからなんです。あと単純に、苗字を変えるのが面倒だと感じたことも正直な理由の一つです。そんな中で、法律上の籍を入れなくても、ちゃんと普通に子どもを育てられるんだとわかったことが大きくて。「それぞれ自立しつつ責任を分け合えたら、子どもを産み育てることができるかもしれないね」とパートナーと話し合いました。苗字という自分のアイデンティティを大事にしたいという思いは、互いに同じでした。

――以前は結婚に対してどのようなイメージをお持ちでしたか?

黒島 実は10代の頃は「24歳で結婚して子どもを産む」と思っていたんです。そして24歳になり、「結婚ってなんだろう?」と改めて考えるようになって。その際に、「結婚=幸せ」「結婚して子どもを持つのが普通」「授かり婚は順番がおかしい」といった、結婚に対して社会的に広く共有されているステレオタイプについての疑問が芽生えてきました。戸籍の制度についても調べたりして。籍を入れないということは、それこそ「子どもの苗字はどうする?」とか、自分たちで考えて決めなければならないことが増えるんですよね。でもそれが、お互いの考えを伝え合う良いきっかけにもなっているなと思います。

朝ドラヒロインが人生を変える転機に

黒島結菜さん。

――そこからパートナーとともに生きるイメージが湧くようになったのは、結婚や出産が重要な出来事として描かれる朝ドラという枠でヒロインを演じたことがやはり大きかったのでしょうか。

黒島 そうかもしれません。妊娠がわかったのが、まさに子どものいる人生を考え始めていたタイミングだったので、この道を進むべきだという気がして。もちろん出産を選んだことで、お仕事でご迷惑をおかけしてしまった部分もあるのですが、それでもその先の人生の方が楽しみだったというか、いい変化が自分の中にあるんじゃないかなと思いました。

――特に女性だとキャリアとの葛藤があると思います。

黒島 そうですね。でも、仕事は正直何歳になっても、この仕事じゃなくても、できると思ったんです。だからそれについてはあまり悩みませんでした。自分が全部前向きに捉えられるという自信があったので、そこは大丈夫だと思っていました。

――出産はどうでしたか?

黒島 私とパートナーのスケジュールが合うよう、またパートナーが宿泊できる部屋を希望していたので、計画分娩を選択しました。出産した次の日には家族みんなで過ごすことができ、育児のスタートをふたりで一緒にできたことはとても良かったなと思っています。

――事実婚の選択について、家族の反応はいかがでしたか?

黒島 両親に伝えた時は、「そうなんだね」とすぐ受け入れてくれました。母からは法律婚を選ばなかったことに対して「あとで後悔しても知らないよ?」と釘を刺されましたが、それについては、今後、選択的夫婦別姓が認められるといったように、社会の制度が変わったときその都度考えればいいと思っています。同時に同性婚もぜひ認められてほしいし、専業主夫のような生き方ももっと広がっていったら良いなと思っています。

 続きは「CREA」2025年秋号でお読みいただけます。

黒島結菜(くろしま・ゆいな)

1997年、沖縄県生まれ。2012年デビュー。映画『カツベン!』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』でヒロインを演じる。映画『港のひかり』が11月14日公開。

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CREA創刊35周年企画「35Questions」に黒島結菜さんが登場!