川口市のクルド人問題:今、何が起こっているのか?
川口市の外国人問題に迫る

トルコから来日したクルド人が急増したことにより、地域住民との摩擦や治安への懸念が高まっている埼玉県川口市。行政と住民、クルド人コミュニティの間で解決に向けた模索が続いているようだ。
画像:Kyodo / Kyodo News Images
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クルド人とは

クルディスタンと言われるトルコ、シリア、イラン、イラクにまたがる地域で暮らしているクルド人。国を持たない最大の民族とも呼ばれている。
日本では埼玉県付近に集住

在日クルド人の多くは埼玉県・JR蕨駅を中心とした川口市・蕨市エリアに居住。出入国在留管理庁の統計によると、日本に住んでいるクルド人の人数は少なくとも2500人程度と考えられる。
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なぜ川口に集まるのか

『日本経済新聞』によれば、蕨や川口は中小の町工場が多く、以前から外国人労働者が多い土地柄だという。加えて都心から近いが家賃が安いということもあり、集住しているのだという。
相次ぐ出稼ぎ目的での難民申請

川口市・蕨市エリアに居住しているクルド人は、難民申請を行なっている人がほとんど。申請中は特定活動という在留資格が与えられ、就労が認められるため、実際は出稼ぎ目的での難民申請が相次いでいる。
不安定な生活を送る

正式なビザや滞在許可が認められなかった場合、母国への送還を待つ間は入国施設で過ごすのが原則である。しかしながら収容を免れ、日常生活を送っている人も多い。そうした在日クルド人たちは、いつ国外退去させられるか分からない不安定な立場に置かれているのだ。
川口市で相次ぐトラブル

『産経新聞』によれば、日本の法令や習慣を逸脱したクルド人による、ごみの放置や深夜の騒音、迷惑駐車などの苦情が川口市に相次いでいるほか、無免許でのひき逃げや、性的暴行などの事件も起きているという。
共生を目指すクルド人

駐日トルコ大使もコメント

同紙の取材に対し、コルクット・ギュンゲン駐日トルコ大使はクルド人が難民としてではなく、就労目的で来日していることを認め、「違法な形で日本に滞在し、難民認定制度を悪用して滞在を引き延ばしている」と、現状の課題を指摘した。
画像:Unsplash(Imad Alassiry)
外国人との共生の道はあるのか

テレビやSNSなどで注目される機会も増え、私たちの耳に入ることが増えているクルド人問題。今後も、外国人との共生を目指すための取り組みが求められている。
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