妻夫木聡「泣きそうになる瞬間が2回くらいあった」 サッポロ黒ラベル「大人エレベーター」新CMで小説家・川上未映子氏と初共演

「大人エレベーター」第48弾メイキング

俳優・妻夫木聡が出演する「サッポロ生ビール黒ラベル」の新テレビCM「大人エレベーター」シリーズ第48弾に小説家の川上未映子氏が登場。新CMは9月8日(月)から放送され、放送に先立ち妻夫木と川上氏のインタビューが公開された。

「演じる」妻夫木聡×「創り出す」川上未映子氏ならではの会話

この度、妻夫木が出演するテレビCM「大人エレベーター」シリーズに、川上氏が49歳の大人代表として登場。「優しさと嘘篇」「正義と恥篇」「アイディア篇」などが放送される。

CMは、“大人エレベーター”の「49」の光が灯るところからスタートする。開いた扉の先には、どこまでも続く森の景色があり、その中に、ぽつんとピザ釜を構えた小さな円形状の建物が佇んでいる。

妻夫木がその建物の扉を開けると、そこには数多くの本と小説家の川上氏の姿。無数の本に囲まれつつも洗練された、まるで彼女の頭の中を具現化したような空間の中で、二人の会話が始まる。

物語の「演じる側」の妻夫木と「創りだす側」の川上氏。CM内で、そのふたりの関係性だからこそ生まれた質問や答えの数々は、気づきに満ちたものとなっている。

「大人エレベーター」第48弾本編・川上未映子氏

妻夫木聡も思わず「かっこいい!」と声を漏らす

新テレビCM「優しさと嘘篇」では、妻夫木の「優しさとは?」という問いに対し、川上氏は柔らかな表情で「本当の優しさは、優しくされたことに気づかないかもね。それぐらいささやかなもの」と語り、その言葉を噛みしめるように、妻夫木が何度も深くうなずく。また、「嘘は必要ですか?」という問いに対して、川上氏は「必要だと思います。真実だけだったら輝きを持たない。」と力強く答える。

また「正義と恥篇」では、妻夫木の「正義とは?」という質問に対して、「常に検証しないといけない。だれにとっての正義なのか。」とまっすぐに回答。そのあとの妻夫木さんから「恥とは?」、「かっこ悪さとは?」といった質問に対して、「知性!」、「打算!」と想いを込め、一言で表現された川上氏。川上さんのそれぞれの質問に対する無邪気な笑顔や真剣な眼差しも映し出されている。

更に「アイディア篇」では、妻夫木から「アイデアが枯渇する恐怖」があるか問われると、川上氏は「無いですね!」「世界が外にある限り」と笑顔で手を大きく広げてコメント。力強い言葉に「かっこいい!」と、思わず妻夫木が声を漏らす。

「大人エレベーター」第48弾本編・妻夫木聡

妻夫木「2回ぐらい泣きそうになる瞬間があった」川上氏「“会う”って素晴らしいこと」

ーー撮影後の感想についてお聞かせください。

妻夫木:本当にね、楽しかったですね。もうあっという間に時間過ぎちゃって。以前お会いしたことはあるかなっていうぐらいフランクに話させていただいて、楽しかったです。あっという間でした。今日は。

川上氏:もっと緊張するだろうなと思ってきたんですけど、本当に初めて会った感じがしないぐらい楽しい時間を過ごさせていただいて。たくさんお話ししたんですけど、まだ話し足りないみたいな気持ちになっています。本当に素敵な時間でした。ありがとうございます。

ーー見どころや注目してほしいポイントはありますか。

妻夫木:川上さんから出てくる言葉っていうものの重みというか深さというか。すごくやっぱりズシーンときましたね。16年ぐらいやらせてもらってるんですけど、グッとくる言葉っていうのは、当然あったんですけど、泣きそうになる瞬間って、あんまりなかったんですけど、今日は、2回ぐらいそういう瞬間があって。初めての経験でしたね。不思議な撮影でした。

川上氏:私は、妻夫木さんの人の話を引き出すっていうよりも、耳を傾けて耳を澄ましてくれる感じが素晴らしいなと思っていました。だから、いろんなジャンルの方がここにいらしてお話をして、CMは数秒のところ使われるんだけれども、そこに、ずっと残る言葉が出てくるのは、本当に妻夫木さんのおかげなんだなってことをすごく感じました。

あと、人ってやっぱりオーラっていうか波長っていうのがあるじゃないですか。妻夫木さん本当に優しいの。すごい奥行きも、温かい奥行きがあって。本当に本当に稀有なムードの中で今日は時間を過ごさせていただいて、感激してます。ありがとうございます。

妻夫木:こんなに言ってもらえると思わなくて(笑)。恐縮です。ありがとうございます。嬉しいですね。

ーー会話で印象的だったことはありますか。

妻夫木:「アイデア枯渇」の話で、”しない”と言い切っているのが、本当に印象的で。川上さんに言ってもらえるっていうのが、あの時も結構グッときてたんですけど、救われた気がしたんですよ。生みの親なわけじゃないですか。物語を作ってくださる、そういう方々がいないと僕たちは演じることはできないし、その生みの親の川上さんが”枯渇しない”って言ってくれたっていうのは、僕は一生役者にいれるってことなので、感動しましたね。嬉しかったです。

川上氏:いろんな時代がいろんなものに感化されながら変わっていく中で、人と人が同じ空間で会って話をするって、こういうことなんだなっていうことを今日すごいずっと感じてたんですよ。それは、ただ目を合わせて頷いたりとか、話す言葉に相槌を打つっていうことは、こうやって同じ時間を過ごして話をするということでしか、共有できないものがあって。多分その延長に、お酒を飲んだりとか、一緒に何かを見たりとかっていうのがあって。人にこうやって会うっていうことって素晴らしいことなんだなって、ずっとこの数時間をかけて、妻夫木さんからすごく感じてました。

ーー演技・執筆の壁にぶつかったとき、どのように乗り越えられていますか。

妻夫木:ぶつかった時は、僕は家族に恥じらいもなくすぐ相談しますね。一番演技と近くない人。だけど多分自分の人生で、死ぬとき一緒にいてほしい人たちに相談するかもしれないな。何か分かんないけど演技の壁にぶつかってる時って、別に演技のアドバイスが欲しいわけじゃない気がするんですよね。何だろうな、「多分大丈夫」って言って欲しい気がするんだよな。家族ですね、僕は。

川上氏:胸のその、つっかえとかを言葉にすることでも、ちょっとは動きがありますしね。それを聞いてくれたってことでも、空気が変わるのかもしれないですよね。自分の中のものが。私が執筆の壁にぶつかった時って、本当にもうしょっちゅうなんですよね。私は、アシスタントのみみ。みみさんがいて、彼女にとにかく電話をして、頭の中にあることを一方的に喋って切るんですよ。

妻夫木:切っちゃうんですか(笑)。返答は、いらないんだ。

川上氏:(みみさんが)「はいはいはい」って言ってくれて、(川上氏ご自身が)「こうであれで、今こうやっていて、これこうだと思うんだよね。じゃあまたかけるよ」って言って切る。それを、5セットぐらいやると、みみさんが優しくて全部聞いてくれるんですよ。そうすると書くときに、進めることが多いんですよ。

妻夫木:それって一切、みみさんからのレスポンスはないんですか?

川上氏:みみさんは都度都度で方向をね。「いいじゃないですか」とか、「なるほど!」とか、ちゃんとそういう、いい餡餅つきのこのコネみたいな。私が打つ、こねる、うつ、もむ、みたいな、この呼吸が、もう10年ぐらい一緒にやっているので、できてて。その聞いてもらうっていうことが、すごく(妻夫木さんと)共通していると思う。聞いてもらって無意識のうちに整理もできているみたいな。

「大人エレベーター」第48弾メイキング

ーービールに合う“オススメなおつまみ”があればぜひ教えて下さい。

妻夫木:僕これは、もうね。もう定番中のど定番になっちゃうんですけど、やっぱり枝豆ですね。

川上氏:えー!ヘルシー!

妻夫木:枝豆以上に合うものなくないかなビールって。大体のものに合いますけど、やっぱり枝豆食べたくなるなビール飲むと。

川上氏:めっちゃ食べますか?

妻夫木:めっちゃくちゃ食べます。一袋買ってきたやつを自分で湯がいて、一袋は余裕で、一人で全部食べちゃいます。

川上氏:ああ。めっちゃ好きですね(笑)。色も綺麗ですしね。茹でたてのグリーンが良い。目からも入ってくる栄養が。

妻夫木:枝豆だな、僕は。ありますか?

川上氏:私はその加工肉全般が好きなんですよ(笑)。サラミとか、ビーフジャーキーとか、そういうのがすごい好きなんですよ。でも次の日パンパンにむくむんですけど。

妻夫木:塩分がね。

川上氏:でもなんか美味しくないですか?あんまりですか?

妻夫木:美味しいですね。食べますよ(笑)。

川上氏:サラミとかも本当に大好きで、なんでこんな美味しいんだろうと思いながら食べるんですよ。ちょっとでも、体にいいサラミをと思って探すんですけど、でもやっぱり塩分はみんなしっかり効いてるので、サラミときゅうりを挟んで食べるんですよね。

妻夫木:ちょっとおしゃれですね。

川上氏:罪悪感をきゅうりでちょっとこう。サラミ食べて、きゅうりで少しでも(笑)。

妻夫木:少しでもね。利尿作用もあるし、促して。

川上氏:交互にいただくという。最高に好きです。

「大人エレベーター」第48弾メイキング