好結果続いたホンダ。マリーニは慎重姿勢も「今、ホンダは速く走るために必要なことを可能にしてくれる」

 MotoGPハンガリーGPは、ルカ・マリーニとホンダにとって明らかに明るい話題をもたらした週末だった。チームメイトのジョアン・ミルと共に予選Q2に進出したマリーニは、9番手で予選を終えると、スプリントでは4位フィニッシュ。決勝でも5位と結果を残した。

 わずか3ヵ月ほど前、鈴鹿8耐への参戦を視野に入れたテスト中におそらくキャリアで最も深刻な怪我を負ったマリーニにとって、大いに励みになるホンダでのベストリザルトだった。

 前戦オーストリアGPでもミルが6位入賞を果たしているホンダ。レッドブルリンクもバラトンパークも、MotoGPのカレンダーの中では特異なサーキットであるため、マリーニは慎重な姿勢を崩してはいないものの、ホンダの進歩は確かなモノだと語った。

「非常に良いレースだった。楽しめたよ。スタートは完璧で、最初の2コーナーでうまく動けた。その後はほぼ計画通りに進んだ」

「皆が0.5秒圏内に密集していたからね。ホルヘ・マルティン(アプリリア)と僕はフランコ・モルビデリ(VR46)より速かったと思うが、ここではオーバーテイクが非常に難しい。だから彼のタイヤが少し摩耗するのを待った。ホルヘが彼を抜いた時、自分も試さねばと決意し、見事に成功した」

「週末の成果、全ての作業内容、そして僕たちの成長ぶりに非常に満足している」

 マリーニは、狭いバラトンパークではオーバーテイクが容易ではないことを強調した。

「スプリントレースより数回多くオーバーテイクがあったかもしれないが、レースは距離が長くなっている。燃料消費量が増え、タイヤの摩耗も進むため、変数が多くなる。レースに勝ったマルク・マルケス(ドゥカティ)が追い抜きをしたのは順位を落としたからだ。もしトップにいたら誰も抜かなかっただろう。総合順位を判断する際にはその点を考慮すべきだ」

Luca Marini, Honda HRC

 マリーニは、ホンダRC213Vのポテンシャルが明らかとなるのは、より典型的なサーキットで行なわれる今後のレースになると考えている。

「(次戦)バルセロナでは全てが未知数だ。今は修正すべき点が多いため、頭を下げ、懸命に作業を続けている」

「これはプロセスの一部だ。昨年のスタート地点から大きく前進していることを考えればね。僕たちは多くの変更を加え、それがここバラトンパークとオーストリアで、特にグリップが効く区間において良好なスピードを実現させてくれた」

「だけどバルセロナは未知数だ。エンジン性能が大きく影響し、路面グリップが極めて低いサーキットであり、これらは僕たちのふたつの弱点だからだ。そこでどう戦うかは、実際に走ってみなければわからない」

 今週末の結果が個人的にも大きな満足感をもたらしたかと問われると、彼は「昨年初めから、こうした結果が可能なことは分かっていた」と説明した。

「自分の可能性を信じているからだ。マシンと作業方法の多くの点を変更する必要があっただけで、正しい方向に向かっている今こそ、結果を出すためにプッシュする時だ。ホンダは僕たちが速く走るために必要なことを可能にしてくれるからね」

 ホンダのバイク開発におけるマリーニの貢献を多くの関係者が認めている。そのため、パドックではマリーニとの契約継続は当然だと考える者も多いが、優勝経験のあるライダーをパートナーにすべきだという意見もある。

 マリーニは、まず最強のバイクを作り上げることに集中するべきだと語った。

「ホンダはグリッド最強のマシンを作り、それから最強のライダーに勝たせるべきだと思う。僕にも勝つチャンスはある。今はジョアンと非常に満足している。ファクトリーチームで素晴らしい仕事ができているからだ」

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