後半4点 歴史的勝利の舞台裏 指揮官のゲキでレイソル覚醒 「俺たちは逆転できる。自分を信じろ」
冷静な口調で試合を振り返るリカルド・ロドリゲス監督
サッカーJ1の柏レイソルが22日、本拠地・三協フロンテア柏スタジアム(千葉県柏市)で浦和レッズと戦い、前半に2失点したが後半で4点を取り返し、逆転勝利した。リカルド・ロドリゲス監督(51)が「クラブの歴史、記憶に残る勝利」と称賛する逆転劇は、いかにして起きたのか。舞台裏に迫った。(平野梓)
試合前、指揮官はイレブンに厳しい言葉を投げていた。17日のファジアーノ岡山戦は、勝てば首位に立てたのに惜敗。「チームがあと一歩前進するために、重要な瞬間に一人一人が勇気を持って前に出てほしい。その気概があったのか。違和感があった」
今季、2度首位に立ちながらいずれも1試合で陥落。幾度かあった、勝てば首位奪還の大一番も負け、勝負弱さが目立った。主軸の古賀太陽選手(26)は「優勝争いをした選手が少ないけれど、そう言っている場合じゃない」と指摘し、「大事な場面で取りこぼしたのは、メンタルも含めて実力不足。自覚して乗り越えるマインドにならないと」と反省していた。
浦和レッズとの試合は前半、ゴール前を徹底的に守られ、こじ開けられないまま2失点。だがパスを回してボールを保持することは徹底し、守備一辺倒の相手を走らせた。高湿度と30度前後の高温という気候も味方する。次第に相手は疲れて足を動かせなくなり、足をつる選手も出てきた。
ロドリゲス監督はハーフタイム後に選手たちを送り出した際、「俺たちは逆転できる。自分たちを信じて攻撃的にいこう。間違いなく3点はとれるから」と伝えた。後半、得点力のある選手の投入を続け、一気に畳みかけた。
1点目を決めた瀬川祐輔選手
開始直後に投入された瀬川祐輔選手(31)は「前を向いたら俺を見ろ、絶対に逃さないから」とイレブンの意識を前線に向けさせ、反撃の1点目を決めた。細谷真大選手(23)も同点弾で続く。試合終了間際に逆転弾を放った小西雄大選手(27)は、「相手の足が止まっていたし、こちらもじれなかった。90分あれば絶対にチャンスがある」と確信していた。
勝負強さをピッチで表現でき、古賀選手も「みんなが諦めずにパワーを出し切った。チーム力を見せられたと思う」と手応えを語る。
ロドリゲス監督は「前半は少しナーバスになり、位置取りも崩れたが後半に修正を加えた」と振り返り、「チームの得点能力を信じていたし、選手たちはそれを証明してくれた」とたたえた。
逆転ゴールを決めて仲間と抱き合う小西雄大選手(左端)=いずれも三協フロンテア柏スタジアムで
この試合で一時首位に立ったが、他クラブの結果で4位に後退。首位とは勝ち点1差で奪還のチャンスはまだある。次戦はアビスパ福岡と。本拠地で31日午後7時キックオフ。
【関連記事】"広いな 明るいね 新教室 千葉日大第一小「教室棟」が一新 タブレット授業に対応 超大型電子黒板も
【関連記事】"熱中症対策の水筒で? 50代男性受刑者が頭から血を流し死亡 千葉刑務所が配ったステンレス製で殴られたか
【関連記事】"<2025年 戦後80年>親子4代でつむぐ 平和への願い 戦前 米国寄贈 成東小「青い目の人形」 紙芝居を孫姉妹が英訳