近本光司FAの巨人参戦報道と梅野隆太郎の去就 高木豊氏が見解

近本光司
今月19日に国内フリーエージェント(FA)権を取得した阪神の近本光司外野手(30)の去就が注目されている。
近本の今季の推定年俸は3億7000万円。プロ7年目の今季は、26日時点で、ここまで114試合すべてで「1番・中堅」で先発し、打率.284、リーグトップの27盗塁をマークし、不動のリードオフマンとして打線を牽引している。
「巨人が総額30億円」FRIDAYの報道に阪神ファン騒然
こうした中、26日の「FRIDAY DIGITAL」が、「巨人が阪神・近本光司獲得に向け『調査開始』…『総額約30億円』&家族へのサポートで熱烈勧誘か」という見出しの記事を配信したことで、阪神ファンたちからは驚きや残留を願う声と共に、批判的な反応が集まっている。

高木豊氏
FRIDAY以外にも、26日の「AERA DIGITAL」は「阪神のリードオフマン近本がFA権取得 残留が有力視されるも『巨人が獲得に参戦』の可能性」と題した記事を配信。
27日の「日刊ゲンダイDIGITAL」も、「阪神は引き留め料“大出血”必至…国内FA近本光司の残留に使う巨額マネー」というタイトルの記事を配信し、休暇関係者の話として、もし近本がFA権を行使し、争奪戦になった場合に、ソフトバンクが参戦する可能性を報じている。
前参院議員の浜田聡氏(48)は26日、自身のX(旧ツイッター)で、FRIDAYの近本に関する報道の信ぴょう性について、「巨人が近本光司の獲得調査を開始、総額30億円+家族支援との報道。 FRIDAY記事では実名コメントなしのため信憑性は未知数。 近本選手が先日、国内FA権取得したが故にこういう報道は今後も出てくるでしょう。 #阪神タイガース #近本光司」との見解を示した。

梅野隆太郎
「年俸5億円は下らない」高木氏が予想する近本の市場価値
現役時代は横浜や日本ハムでプレーし、指導者としてDeNAのヘッドコーチを務めた野球解説者、高木豊氏(66)は25日に自身のユーチューブチャンネルに投稿した動画の中で、近本のことを欲しがる球団について次の通りに解説した。
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1番バッターっていうのは1番打順も回ってくるし、そこに安定感があって率も残せて出塁率がある。近本なんかは勝負強い。そうなってくると獲りたいだろうな、欲しいところはたくさんあるだろうな。
だってルーキーから年間130本はずーっと7年間打ち続けてきているから。もうそれだけの安定感というのはなかなか出せないからね。手を挙げれば人気になるだろうな。巨人なんかは絶対欲しいだろうね、1番バッターというのはね。中日も欲しいだろうし、ほとんど欲しいと思うよ、安ければね(笑)。
そりゃDeNAだあって1番候補はいるにしても安定感にかけるからさ、近本・桑原(将志)で1・2番組ませたら嫌だぜ。なんかしつこそうだもんな(笑)。そういう意味では巨人とか、ヤクルトももちろん欲しいよな、来てくれるんだったら。パリーグだってロッテだって欲しいだろうな。でも外野手が多いからなあそこは。
(西武は)西川(愛也)は1番として打たせているけど、本当は3番ぐらいを打てるバッターにしたいもんね。そうなってくると、1番で近本がいてくれたらって思うよね。
(年俸は)5億は下らないと思うよ。5億の4~5年(契約)だよな。ソフトバンクも欲しいだろうな。(外野は)いるけど、1番・近本、2番・周東(佑京)、逆でもいいよ、嫌だぞ?
(日本ハムがなさそうかは)いや~分からん。やっぱり安定感が1番だよね。ゲームは休まないし。強さもあるし。そういう意味ではすごく重宝できる選手だよ。
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球団側は昨年の契約更改交渉で、今季中の国内FA権取得を見据えて複数年契約を提示したが、近本は「1年で勝負したいと思った。球団の思いもたくさん聞かせてもらって、それでも『単年でいいかな』と」と説明し、3億7000万円(同)で単年契約を結んだ。
近本本人は今月19日、FA権の行使について、「まずここまでけがなくこれたことと、毎年試合に出ることができたというところで、いろいろな人に感謝しながら、7年間関わった人、またそれまでに関わった人、色々な人に感謝したいなと思います」とコメントしている。
球団側は全力で慰留する方針だ。粟井一夫球団社長(61)は18日までに、「そんなの聞くまでもないこと。彼(近本)がもうすぐ権利を取得するわけだから、それに合わせて準備はしている」とコメントした。
19日の「サンケイスポーツ」によると、阪神の竹内孝行球団副本部長は、「本人にはもちろんお声がけをさせていただきました。こちらとしてもまだシーズンを戦っている最中ですので、シーズンが全部終わってからしっかり話はしたいなと思っておりますし、本人にもその話はしました」と語ったという。
近本は、2019年にドラフト1位で大阪ガスから阪神に入団し、1年目から故・長嶋茂雄さんが持っていた153安打のセ・リーグ新人記録を塗り替える159安打を放ち、2年目以降も阪神の中心選手として不動の地位を築いていった。
2021年は178安打で最多安打のタイトル、盗塁王は5度獲得し、俊足を生かした守備では21年から4年連続でゴールデングラブ賞を受賞するなど輝かしい成績を残してきたスター選手で、FRIDAYの報道を見た阪神ファンたちの心中は穏やかではないだろう。
梅野隆太郎捕手のFA動向にも注目集まる
阪神については、正捕手の座をつかみつつある坂本誠志郎捕手(31)の陰で出場機会が減っている梅野隆太郎捕手(34)の去就にも注目が集まっている。
梅野は昨季、95試合に出場したが、今季の出場はここまでで41試合。梅野の今季推定年俸は1億6000万円で、今季は、2021年に国内FA権を行使せず結んだ4年契約の最終年だ。
今季終了後FA権を行使して移籍する可能性がある梅野について、前出の高木氏は25日のユーチューブの動画の中で、次の通りに語った。
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阪神は(移籍を)全力で止めると思う。それはなぜかと言うと、坂本(誠志郎)の後だとすると、まだ梅ちゃんだもんね。榮枝(裕貴)出たけども、まだまだ経験値だとかいろいろ考えると梅ちゃんだしな。
でもそれでも出たいというんだったら、どこか獲るところはあると思う。やっぱり分業制みたいなのが流行ってるし、100試合以上だとかそういうことは考えてないと思う。半分半分でいいから、阪神よりも出番があるようなところで行きたいのかな、そんな感じだよね。
中日とかも面白いだろうし。石伊(雄太)が伸びてるし、おそらくレギュラーとしては石伊を使っていくと思うけども、2番手とかそういうところに入っていくのかなという感じはする。木下(拓哉)もケガしてるしな。そういう意味ではどうなるか分からんけども、でも、中日が『来ないか?』と言ってくれるとさ、手を挙げて、行くと面白いよ。
(阪神にいるよりは試合に)出られるのと、『梅ちゃんが来たから強くなった』ことの可能性があるチームだからね。そう意味ではいく価値はあると思う。ヤクルトはないしな、巨人もない、DeNAもない。
広島はチャンスがあるかも分からないけど。會澤(翼)がほとんど出なくなってきて、石原(貴規)を2番手として使っているけど、坂倉(将吾)がどうなんだろうと思って、キャッチャーとして。キャッチャーじゃない方が坂倉のバッティングは生きるなと思う。それだけ大変だということ、キャッチャーが。
パリーグはオリックス。ケガがちだよね、森友哉がね。若月(健矢)のサポートをする意味では、梅ちゃんとか俺は最高だと思う。
日本ハムはいらない、楽天も多分いらないだろう、いろんなキャッチャーいるしね。ソフトバンクはワンチャン獲る可能性もあるな。嶺井(博希)もいるけども、いても悪くない。その中で2番手にはなるなと思う。主戦になる可能性だってあるし。
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近本と梅野の去就に注目が集まっている。
(zakⅡ編集部・小野田聡)
■小野田聡(おのだ・さとし) ライター歴2年。産経デジタル新卒入社6年目。現在はzakⅡ編集部に在籍。エンタメ・スポーツ分野の執筆経験が豊富。1996年生まれ。X(旧ツイッター)のアカウントは@zakdesk。