オコン、ハース移籍は大正解? ”古巣”アルピーヌと比べて「はるかに健全な環境にいる」と絶賛
ハースF1チームに所属するエステバン・オコンは、アルピーヌ時代と比べてはるかに健全な環境に身を置くことが出来ていると語った。
「僕たちの意見が常に聞き入れられてきたわけじゃない。だからこのチームで5年過ごしているけど、一部の課題が依然として残っている」
これは、オコンが2024年シーズンの夏休みの直前に、アルピーヌでの自身の経験を振り返った言葉だ。当時オコンは、ハースとの契約を締結したばかりだった。彼はアルピーヌでは報告した問題が改善されるどころか悪化したと嘆き、ハースでは効率的な作業環境を築くための「コミュニケーションの輪」を築くことを誓っていた。
それから1年後、ハースで14戦を戦った後のオコンの感想は明確だ。彼はまさに求めていたチームを見つけたのだ。
「以前の経験と比べれば、ここは健全な環境だ」と、オコンはmotorsport.comに語った。
「誰も何かを隠そうとしていない。もし何かを間違えたなら、そのことを話し合い、二度と繰り返さないように努める。そして、レース終了直後にすぐにそのことを話し合うんだ」
「素晴らしいことだ。なぜなら、話し合わなければ……それは僕が過去に経験したことだけど、同じ過ちを繰り返すことになるからだ。それが最も重要な点だ」
「このチームは極めてモチベーションが高い。信じられないかもしれないが、過去にはF1のパドックで働いていた人でもモチベーションが低い人を見たことがある。それはおそらく最悪なことだ」
「僕のように、仕事に情熱と努力を注ぎ、トラックに立つ前に全てを完璧に仕上げようとするドライバーにとって、月曜日にチェックインがどうなっているか確認している人を見かけると、かなり厳しい状況だ。過去にもそのような場面を目にしたことがある」
「今、すべてが完璧だというわけじゃない。改善が必要な点は当然ある。だけど僕が加入して以来、非常に堅固な基盤が築かれており、前進している。今の進捗に満足しているんだ」

Esteban Ocon, Haas F1 Team
オコンはハースに加入した当初から、チームに感心していた。チームは彼の個人的な好みに合わせてステアリングホイールを迅速に再設計したからだ。
「ダブルクラッチ付きのステアリングホイールを設計するのに1ヵ月しかかからなかったのは、おかしなことだよ」
オコンは興奮しながらそう振り返った。
「それには非常に驚いたし、僕が働いたことのあるビッグチームを含め、他のチームがそんなことをしたのを見たことがない。通常、時間がかかることなんだ」
「僕たちは最も小さなチームだと言われている。実際にそうかもしれないけど、そうした対応の一部は最高レベルなんだ」
ハースはコンストラクターズランキング9番手に留まっているが、これまでの14戦で35ポイントを獲得。1戦あたり2.5ポイントというアベレージは、チームの歴史で2番目のハイペースだ。
開幕戦オーストラリアGPでは、オコンが予選18番手、チームメイトのオリバー・ベアマンはトラブルで予選ノータイム。決勝でも完走したマシンの中で最後尾の2台を占めるという散々な開幕だったハースだが、オコンはその後の対応に驚かされたという。
「アヤオ(チーム代表の小松礼雄)とチームについて多くのことを話したけど、あのレース(オーストラリアGP)後の巻き返しには本当に驚かされた」
「誰も隠れていなかった。全員がひとつになって、オーストラリアでの最初の週に抱えていた問題を解決するために、本当のチームとして団結したんだ」
「そして僕たちは(第2戦)中国に到着し、状況を完全に逆転させることに成功した。これは単なる運ではない。これがこのチーム内に存在する雰囲気だ。誰かひとりに責任を転嫁したり、指を差したりすることはないんだ」
言うまでもないが、ハースがトップ争いの有力候補となるためには、まだ多くの改善の余地がある。だがオコンは2026年から適用される新たなF1レギュレーションに期待を寄せている。
「僕たちには、より高速なプラットフォームが必要だ。当然、来年どうなるかは見ていく必要がある。そして、今年を良い形で締めくくることも必要だ」
「だけどより上位で戦うためのプラットフォームがあれば、”大物”たちと戦う準備は100%整っている。レースコースで取り組むに値するものを手に入れれば、あとは僕たちで対処できるんだ」
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