りんご酢、バルサミコ酢、柿酢──爽やかな風味が異なる3種の「果実酢」を使った、夏疲れ解消レシピ

撮影・津留崎徹花 スタイリング・駒井京子 構成&文・板倉みきこ

夏に欲する酸味には、体を整える効能が満載。料理家で養生デザイナーの井澤由美子さんに、食養生の観点からひもとく、すっぱくて美味しいレシピを考案してもらいました。

りんご酢| キウイソースのカルパッチョ

りんご酢、バルサミコ酢、柿酢──爽やかな風味が異なる3種の「果実酢」を使った、夏疲れ解消レシピ

果実味たっぷりで後味スッキリのりんご酢は魚介と好相性。疲労回復効果がある。アミノ酸の一種タウリンが豊富なホタテにも疲労回復効果が期待でき、消化を促すキウイや整腸作用がある塩麹と組み合わせて。

【材料(2人分)】

A[りんご酢…大さじ1

おろし冷凍キウイ…1個分

オリーブオイル、塩麹…各小さじ1

刺身用ホタテ…4〜5個

葉野菜…適宜

【作り方】

1. Aを混ぜ合わせる。

2. ホタテは繊維に沿って縦に手でちぎって器に並べ、Aをかける。好みで葉野菜を散らす。

バルサミコ酢| ポテトサラダ

芳醇な香りとまろやかな酸味が特徴。バルサミコ酢に含まれるポリフェノールは黒酢の3倍ともいわれる。定番人気のポテトサラダにバルサミコ酢をかけるだけで、ワインにも合う大人向きの一品に変わる。

【材料(2人分)】

じゃがいも…2個

きゅうり…1本

紫玉ねぎ…1/2個

半熟ゆで卵…1個

A[米酢…大さじ1

蜂蜜…小さじ2

B[牛乳…大さじ2

アーモンドパウダー…大さじ1

C[マヨネーズ…大さじ2

粒マスタード…小さじ1

砂糖…小さじ1

バルサミコ酢…大さじ1

【作り方】

1. じゃがいもは塩ゆでし、水分を飛ばして粉吹きにする。熱いうちに潰しながらAとなじませる。きゅうりと紫玉ねぎはスライサーで薄切りに。きゅうりは塩もみして洗い、紫玉ねぎは水にさらし、共に水気をしっかり絞る。

2. Bを混ぜてCに加え、全体を混ぜてソースを作り、1のじゃがいもと混ぜる。器に盛り、きゅうり、紫玉ねぎ、半分に切った半熟卵を添え、バルサミコ酢をかける。

柿酢| 酢を食べるための和え物

ほのかな甘みと、スッキリ上品な後味が魅力の柿酢は、和食とよく合う。海藻由来のアガーを使ってジュレ状にし、酢の効果を丸ごといただく。アガーはゼラチンより低めの温度で固まるので、時短料理に最適。

【材料(2人分)】

柿酢…大さじ2

A[甜菜糖…小さじ1

アガー…小さじ1/2

出汁…80ml

甘海老…6尾

オクラ…4〜5本

塩麹…小さじ1/2〜1

【作り方】

1. Aをよく混ぜる。小鍋に出汁を入れ、Aを加えて沸騰させる。火を止めて容器に入れ、柿酢を加え混ぜて冷ましておく。

2. オクラは柔らかめに塩ゆでし、甘海老と一緒に叩いて塩麹と混ぜ合わせ、器に盛る。

3. 1をスプーンなどですくい、2にかける。

薬膳に精通する、料理家で養生デザイナーの井澤由美子さん。食で体を労る、整えるという“食養生”の観点から、今回は夏疲れを解消する、酢を使ったレシピを考案してもらった。

「胃腸の働きが弱まりやすい夏。酢の主成分の酢酸には、唾液や胃酸の分泌を促して消化をスムーズにし、免疫力の維持や強化に役立つ働きがあります。また、酢には血流を改善したり、疲労回復効果なども期待できます」

酢の効果に加え、旬の食材を組み合わせれば滋養強壮が叶うレシピが完成。米酢、黒酢、果実酢など風味の異なる酢を使い分け、夏を乗り切ろう。

井澤由美子さん(いざわ・ゆみこ)

料理家、養生デザイナー

国際中医薬膳師、国際中医師。「東京食薬LABO」主宰。発酵食や薬膳、郷土食に精通し、食養生の観点を取り入れたレシピを開発。

『クロワッサン』1147号より