フェラーリF1のバスール代表、”クリック数稼ぎ”のためだけの根拠のない報道に大激怒「あまりにも度が過ぎている」

 今季こそF1タイトル争いに加わることが期待されていたフェラーリ。ルイス・ハミルトンの加入も、その期待に拍車をかけた。

 しかし蓋を開けてみれば、マクラーレンが圧倒的強さを発揮。フェラーリは前半戦を終えた段階でランキング2番手につけているとはいえ、レッドブルやメルセデスが勝ち星を手にする中、決勝レースでは1回も勝てていない。

 このフェラーリの状況を受け、シーズンが進むに連れて、フレデリック・バスール代表の去就をめぐる噂が飛び交った。バスール代表の立場は危機に瀕していると報じられ、イタリア・マラネロの本拠地では緊張感が高まったかに見られた。

 しかしハンガリーGP前にフェラーリは、バスール代表との契約を複数年延長したことを発表。これにより混乱は終結したが、バスールは今回の出来事について、根も葉もない噂が広まったとして、非常に腹を立てている。

「噂が混乱を引き起こしたんだ。それは私から出た話ではなく、メディアから出されたものだ。フェラーリも私も、何の声も上げなかった」

 バスールは『Auto Motor und Sport』誌にそう語った。

「しかし昨今では、こういう混乱を避けることは難しいだろう。全てのジャーナリストが悪いわけではないが、インターネットによって報道ははるかにアグレッシブになっている。彼らには、クリック数を増やすためのプレッシャーがかかっているんだ」

「カナダで初めて噂が浮上した時、私は本当に腹を立てた。度が過ぎていたんだ」

「テクニカルディレクターのロイック・セラも、チームに加わった時点で2025年のマシンがほぼ完成したいたにもかかわらず、きちんとした仕事をしていないとして非難されたんだ」

 バスール代表によれば、シャルル・ルクレールとハミルトンの将来に関する話も含め、噂はチームに影響を及ぼすのだという。

「特にイタリアでは、人々は感情的に反応する。もしこうした雑音がなければ、フェラーリとの話し合いはもっと早く進んでいただろう」

「これは私の問題ではないが、こういうことがチーム内の人々の集中力を失わせるんだ」

 ただこれはフェラーリに限った話ではないと、バスール代表は言う。

「レッドブルを見ればそれが分かる。ここ数週間で何が起きたかをね。マックス・フェルスタッペンの将来に関する噂ばかりだった」

 フェルスタッペンは今季限りでレッドブルを離れ、来季からはメルセデスもしくはアストンマーティンに移籍するのではないかという噂が立っていた。しかしフェルスタッペンは、来季もレッドブルで走ると宣言し、噂を打ち消した。

「それはマクラーレンにとっての強みでもある。彼らはそういう噂や緊張感系に全く干渉されることなくやってきたのだ。だからこそ我々は、昨年のシーズン開幕前にルイスの加入を発表していたんだ。もしイモラとモナコの間に発表することになっていたら、多くの人がパニックになっただろう」

「カルロス(サインツJr./現在ウイリアムズ)は、最初から状況を把握していた。状況が悪化する前に、詳細を把握することができていたんだ。そのおかげで、彼は仕事に集中し続けることができた」

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