小池百合子知事、日大三の戦いぶりに「大きな夢と感動」…甲子園で決勝観戦
第107回全国高校野球選手権大会第15日の23日、日大三(西東京)は沖縄尚学(沖縄)に1―3で敗れ、14年ぶり3度目の優勝はならなかった。

アルプス席で日大三の応援団を激励する小池知事
この日は東京都の小池知事がバックネット裏の観客席で試合を見守った。五回裏終了後のクーリングタイムにはアルプス席に姿を見せ、チームを応援する生徒たちから「小池さん」と呼びかけられると、笑顔で手を振って応えた。
試合後、「チーム一丸となって戦い抜いたことに、都民を代表して、心から拍手とねぎらいの言葉を贈ります。気迫のこもった戦いぶりは、大きな夢と感動を与えてくれるものでした」とコメントを出した。
興奮最高、潮各地でPV

試合終了後、両チームの敢闘をたたえる日大三の在校生ら(23日、町田市で)
東京都町田市の日大三高の講堂では23日、在校生や地域住民らによるパブリックビューイング(PV)が行われ、300人以上が詰めかけて声援を送った。
初回に主将の本間律輝選手の適時二塁打で先制すると、「ウォー!」と雄たけびのような歓声がわき起こり、会場の雰囲気はいきなり最高潮に。その後は、青色のメガホンを打ち鳴らしたり、各選手の名前を呼んだりし、「頑張れ!」と声をからした。終了後も、沖縄尚学の校歌斉唱が終わるまで多くの人が席を立たずに見守り、両チームの敢闘をたたえて拍手を送っていた。
剣道部の仲間らと応援した2年の斎藤蒼大さん(16)は「最後まで戦い続けた姿がかっこよかった。敗れはしたが、こうした努力が別の場面で報われてほしい」と話した。
新宿区の都庁第1本庁舎南展望室で開かれたPVにも、都民ら約300人が駆けつけ、日大三の熱戦を見守った。
足立区の少年野球チーム「カバラホークス」主将の小澤蒼大君(12)は、野球塾の先輩が日大三の選手として出場したといい、「頑張っていたと思う。(負けはしたが)悔いのない試合を見ることができた」と語った。
国分寺市の会社員で日大OBの濱田潤さん(53)は「あと一歩だった。両チームとも力を出し切った。拍手を送りたい」と話していた。
選手の心身支える…トレーナー・庄司さん

選手たちを見守る庄司さん(甲子園球場で)
アルプス席では、野球部で約20年にわたってトレーナーを務める庄司智則さん(51)がナインを見守った。
柔道整復師とはり・きゅう師の資格を持つ庄司さんは2006年、同部のトレーナーに就き、週1、2回グラウンドに足を運び、選手のアップのメニューや投手陣の練習メニューの一部を考えてきた。けがをした選手にはリハビリを行うなど、チームを支える。大会期間中はチームに同行。自身の部屋をケアルームとして開放し、マッサージをしてきた。
安部翔夢選手は西東京大会準々決勝で右肘を痛めた。落ち込んでいると「俺が何とかしてやる」と声をかけ、アイシングやマッサージを施し、精神面も支えてきた。
この日は選手のプレーごとに「よしっ」と喜び、ナインに拍手していた。惜しくも準優勝に終わり、「悔しいと思うが、本当に成長してくれて感動した。『ありがとう』と伝えたい。これからも選手たちの一生のトレーナーという気持ちで支えていきたい」と話した。
本紙が号外発行

読売センター町田木曽で配られた号外を受け取るファン(23日、町田市で)
読売新聞は23日、日大三の準優勝を伝える号外5000部を発行した。このうち、1150部を日大三に贈った。町田市内の読売センター(YC)で配布しており、YC町田木曽で受け取った相模原市の30歳代の男性は「日大三は残念だったが、よく頑張った。胸を張って帰ってきてほしい」と話していた。号外は24日も希望者に先着順で配る。