1周目は特に危険かも……スプリントで災難に見舞われたバスティアニーニ、新コースの安全性に疑問

 テック3のエネア・バスティアニーニは、MotoGPハンガリーGPのスプリントレースのカオスなオープニングラップで負傷したことから、新しいバラトンパークでのレースの安全性に疑問を呈した。

 4番グリッドからスタートしたバスティアニーニは、ヤマハのファビオ・クアルタラロにタックルされるような形で、スタート直後のターン1で大きく外に弾き出された。この衝突により、クアルタラロは決勝レースでのロングラップペナルティを科せられたが、その際にバスティアニーニは背中に怪我を負ったという。

「接触の際、背中に非常に強い衝撃を受け、今はあんまり良い感じじゃない」と、バスティアニーニはレース後に語った。

「しかし、骨折はしていないので大丈夫だ」

Fabio Quartararo, Yamaha Factory Racing, Enea Bastianini, Red Bull KTM Tech 3

 挽回を試みたバスティアニーニは、同じく1周目のターン9でブレーキを掛ける際、ライドハイトデバイスが故障したことでヨハン・ザルコ(LRCホンダ)と接触してしまった。これにより2台がリタイアに終わり、バスティアニーニには決勝レースでダブルロングラップペナルティが科された。

 バスティアニーニにとっては良くない流れが続いた形だが、クアルタラロのミスについては冷静に捉えており、コースの特性にもその責任があると指摘した。

「このコースは難しいんだ、特にMotoGPマシンにとって、最初のラップはね。ファビオのミスは理解できる。彼は僕のピットに来て謝ったけど、現実は変わらない」

「ひとりで走っている時のコースは素晴らしいし、気に入っている。でもMotoGPクラスのレース最初のラップは危険かもしれない。なぜなら、やるべきことがたくさんあるからだ。多くのデバイスがあり、多くの要因に依存している。そしてエアロダイナミクスも……ご存知の通りコースが狭いんだ」

 グランプリ初日の走行を終えた段階では、ライダーたちからのサーキットへの反応は概ねポジティブだったが、最初のラップでの事故に関する懸念は残念ながら的中してしまった。

 さらに予選では、ターン8でペドロ・アコスタ(KTM)がクラッシュした際、バイクがテレビカメラに衝突する様子を捉えた動画がソーシャルメディアで拡散されている。

 そのため、決勝レースをクリーンに終えることができるかどうかは、バラトンパークの評判において極めて重要になるだろう。

 サーキットの理事会メンバーであるジャンパオロ・マテウッチは、週末のこの段階で、満足と楽観的な見方を示した。

「これまでのイベントとライダーたちのサーキットへの反応に大変満足している」

 そうマテウッチはプレスリリースにコメントを寄せた。

「ここでテストを受けたライダーたちは既にそのコースに感銘を受けており、今週末初めて体験したライダーたちも同様の感想を述べている」

「『ユニーク』という言葉は、ライダーたちからよく聞かれる表現だ。彼らは皆、挑戦を好むため、当コースが彼らにその機会を提供したことは明らかだ。今日はファンも大いに楽しんだだろうし、明日のグランプリでも同じようになるだろう」

 バスティアニーニは、決勝レースも4番グリッドからスタートするが、ダブルロングラップペナルティを抱えているため、表彰台獲得は難しい状況だ。また、クラッシュの余波がグランプリに影響を与える可能性もあると指摘した。

「明日の結果は、朝の体調次第だ」と、バスティアニーニは締めくくった。

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