中国内モンゴル自治区で漢文石刻「皇帝北巡之碑」を発見

内モンゴル自治区ウランチャプ市で見つかった漢文石刻「皇帝北巡之碑」。(フフホト=新華社配信)

 【新華社フフホト8月10日】中国内モンゴル自治区文物考古研究院は、ウランチャプ市四子王旗白音朝克図鎮(バインチョグト・バルガス)でこのほど自治区が実施した第4次全国文物普査(文化財調査)の野外調査で、同研究院とウランチャプ市文化財部門の合同チームが漢文石刻を発見したと発表した。

 石刻が刻まれていたのは独立した巨大な花こう岩で、縦2.6メートル、横1.9メートルの範囲に文字が確認でき、最上部には篆書で「皇帝北巡之碑」と刻まれていた。表面の風化は著しいものの、内部に硬質の玄武岩が多く含まれており「代」「一月」「諸国子西域商」「光烈祖」「莫弗(モフ)」など50字余りが識別でき、中でも北方民族の東胡系諸部族の首領を意味する「莫弗」は、少なくとも7カ所に記されていた。時代の特定につながる王朝名や年号、人名、地名などの情報は含まれていなかった。

内モンゴル自治区ウランチャプ市で見つかった漢文石刻「皇帝北巡之碑」(部分)。(フフホト=新華社配信)

 内モンゴル自治区文物考古研究院の孫金松(そん・きんしょう)院長は、「皇帝北巡之碑」は既に同研究院がデジタルスキャンと拓本採取を終え、現在は専門家チームによる現地調査と論証、碑刻に関する学術研究と鑑定が進められていると説明。今後は同研究院が石刻の緊急保護措置を優先的に講じ、国家級文物保護単位(国宝・重要文化財)への登録も積極的に働きかけていくと語った。(記者/哈麗娜、李志鵬)

「皇帝北巡之碑」に頻繁に登場する「莫弗」の文字。(フフホト=新華社配信)