トマトに不足している栄養素を補う!黄金の組み合わせ食材は?管理栄養士が解説

トマトの栄養

トマトの代表的な栄養素であるリコピンはカロテノイドというトマトの赤い色を構成する成分の一つです。リコピンには強い抗酸化作用があり、肌の健康を保ち、老化の進行を防ぐ働きがあります。リコピンは生で食べるよりも加熱調理されたものの方が吸収率が高く、油脂と合わせると更に吸収率もアップします。他にもコラーゲンの生成に関わり、肌の健康を保つビタミンCや、塩分の排出を助けるカリウムも豊富に含まれています。

トマトに不足している栄養

ビタミンD

カルシウムやリンの吸収を助けて骨や歯の健康を保ちます。また血中のカルシウムの濃度を一定に保つことで神経の伝達や筋肉の収縮を正常に行う働きがあります。ビタミンDは日光に当たることで皮膚で合成されますが、屋外での活動が少ない方など日光に当たる機会が少ない方は食事から摂取することが大切です。ビタミンDはきのこ、魚介類、卵、乳製品に多く含まれています。

ビタミンB12

ビタミンB12はたんぱく質の代謝に関係している成分です。また赤血球の成熟に関与し、葉酸と共に骨髄で正常な赤血球を作る働きがあります。ビタミンB12は腸内細菌によって合成されるので、一般的に欠乏しにくい栄養素です。しかし胃を全摘出した方など、胃から分泌される内因子が不足している場合は欠乏する可能性があります。ビタミンB12は野菜、果物、きのこ、いもなどの植物性の食品のみに含まれるため、動物性の食品を摂らないヴィーガンの方も不足しやすい栄養素です。

ビタミンB12は肝臓に蓄積ができるため、数年は摂取しなくても問題が出ない場合もありますが、蓄えが枯渇すると貧血や筋力の低下、疲労感などの症状が現れることもあります。

トマトに不足している栄養素を補う!おすすめ食材は?

きのこ

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トマトときのこをセットで食べるとビタミンDを補うことができます。トマトに含まれるグルタミン酸ときのこに含まれるグアニル酸を組み合わせると相乗効果を発揮しうま味を強く感じられます。特に干ししいたけはグアニル酸が豊富なので、干ししたけの出汁にトマトを漬け込んだ冷製おでんなどもおすすめです。

ツナ缶

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トマトにも少量のたんぱく質は含まれますが、1日に必要な量を補うには不十分です。肉、魚、たまご、大豆製品など、たんぱく質が豊富な食品と組み合わせることが大切です。ツナの原料となるカツオにはイノシン酸が豊富に含まれ、トマトのグルタミン酸と組み合わせると相乗効果を発揮しこちらもうま味を増強します。トマトとツナを和えたサラダやそうめんのつゆに加えるアレンジもおすすめです。

まとめ

トマトは栄養がたっぷり詰まっていますが、トマトだけでは補えない栄養素もあります。きのこやツナなどの食材をうまく組み合わせて、おいしく効率良く栄養を補給しましょう。

【参考文献】

トマト|とれたて大百科|食や農を学ぶ|JAグループ

うま味の成分 | 日本うま味調味料協会

田中ひろか

管理栄養士。保育園栄養士、ダイエットインストラクターとして食事指導とレシピ提供の経験を経て渡豪。バイロンベイでのヨガリトリート中ベジタリアンの食生活を経験したことから、幅広い野菜の食べ方を知る。食を楽しみながら健康的なライフスタイルを築くため、’’野菜をおいしく手軽に食べる方法’’を研究中。現在はメルボルンに在住し、オンラインの食事指導とカフェのヴィーガン、ベジタリアンメニューの提案に携る。