実は逆効果?良かれと思ってやっていたのに…腸が汚れてしまう「食物繊維」のNGな摂り方3選

実は逆効果?良かれと思ってやっていたのに…腸が汚れてしまう「食物繊維」のNGな摂り方3選
食物繊維の摂り過ぎはNG!
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健康や美容によいとされる食物繊維。日本人の平均の食物繊維摂取量は、1950年頃には1日20gを超えていました。しかし2023年の調査では17.8gと減少傾向にあります。現代の食生活では食物繊維が不足しがちな人が多いことから、手軽に摂取しやすい健康食品が増えているといえるでしょう。通常の食生活において食物繊維の過剰摂取になることはほとんどないといわれていますが、サプリメントなどで摂り過ぎた場合、腸に大きな負担をかけてしまい、下痢や便秘などの不調を引き起こします。ほかの栄養素においてもいえることですが、どんなに体に良いとされるものでも、摂り過ぎはNGです。
NG①食物繊維が添加された健康食品の摂り過ぎ
近年、難消化性デキストリンが添加された健康食品が数多く販売されています。難消化性デキストリンは、トウモロコシなどのデンプンを原料として作られた水溶性食物繊維です。「おなかの調子を整える」「食事の糖や脂肪の吸収を抑える」といった機能性をもち、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品の関与成分として使用されています。日頃から野菜不足などで食物繊維の摂取量が少ない方にとって、手軽に取り入れやすいサプリメントといえるでしょう。一方で、難消化性デキストリンが添加されたお茶や炭酸飲料はゴクゴク飲み進めてしまうことから、食物繊維の過剰摂取になりやすいという注意点もあります。パッケージに書かれた目安量を守りながら、食事における不足分を補う形で活用しましょう。
NG②水分を控えてしまう
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食物繊維を意識的に摂っていても、水分を控えるのはNGです。水溶性食物繊維は水に溶けることでゼリー状になり、食後の血糖値の急激な上昇やコレステロールを下げる作用があるといわれています。また、不溶性食物繊維は水分を吸収して膨らむことで便の容積を増やし、腸に刺激を与え、排便をスムーズにします。つまりどちらの食物繊維も、水分とともに整腸作用を発揮します。食物繊維が豊富なきのこや海藻は、汁物に入れて食べるのもおすすめです。
NG③乳酸菌を摂らない
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腸活のためにと食物繊維を摂っていても、乳酸菌が豊富に含まれた発酵食品を食べないのはもったいないといえます。なぜなら食物繊維は乳酸菌などの善玉菌のエサとなって悪玉菌を減らし、腸内環境のバランスを整えてくれるためです。食物繊維は乳酸菌、そして前述のとおり水分もセットで摂ることを意識してみてください。
まとめ
食物繊維入りの健康食品は過剰摂取に注意し、補助的な役割で使うようにしましょう。また食物繊維は単体ではなく、水分や発酵食品も組み合わせて摂ることで、腸活の効果をより高めることができます。食物繊維を上手に取り入れることで、おなかだけでなく体全体の健康維持に役立てていきましょう。
〈参考文献〉
・厚生労働省|e-ヘルスネット|食物繊維
・厚生労働省|e-ヘルスネット|食物繊維の必要性と健康
・公益財団法人長寿科学振興財団|健康長寿ネット|食物繊維の働きと1日の摂取量
・厚生労働省|令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要
栗城智子
大学卒業後、食品メーカーにて商品開発や品質保証の業務に従事し、管理栄養士を取得。特定保健指導やドラッグストア勤務において、人々の食事や健康、サプリメントに関する悩みに寄り添う。上記資格のほかフードスペシャリスト、離乳食・妊産婦食アドバイザー、日本化粧品検定1級、アロマテラピーアドバイザーなどの資格を保有。食と健康について学びを続けている。現在は子育てをしながら管理栄養士ライターとして執筆や商品監修に携わる。