「動かない時間」が老廃物を溜めてしまう?更年期の疲れ・むくみに効く〈1ポーズ〉で溜めない体づくり

「動かない時間」が老廃物を溜める原因に?

イラストAC
毎日の生活の中で、長時間座りっぱなしの状態が続いたり、運動不足が重なると、なんとなく全身が重だるく感じたり、疲労が取れにくくなることがあります。これは一時的な体調不良ではなく、体内の循環機能が低下しているサインかもしれません。
同じ姿勢を続けることで筋肉の活動が低下すると、血液やリンパの流れが滞りやすくなります。これにより、むくみや疲労感が生じやすくなるのです。
私たちの体内では、血液やリンパ液が酸素や栄養を各組織へ届け、不要な老廃物を回収して肝臓や腎臓などの臓器へ運び、最終的に汗や尿として排出されます。しかし、体を動かす機会が少ないと、この「巡り」がうまく機能せず、老廃物が体内に滞留しやすくなるのです。
更年期世代は「巡りの低下」に要注意
とくに更年期の時期は、女性ホルモンの減少によって基礎代謝が落ちやすくなり、冷えやむくみを感じやすくなる傾向があります。このタイミングで運動量が減ってしまうと、体内の循環はさらに低下し、疲れやすさや不調を感じやすくなります。
老廃物を溜めすぎないようにするには
老廃物を効率よく体外に排出するには、下半身の血流やリンパの流れを促すことが重要です。脚の付け根(鼠径部)や膝の裏はリンパ節が集まる場所であり、ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、下半身から心臓へ血液を戻すポンプのような役割を担っています。
これらの部位を日常的にしっかり動かすことで、全身の循環がスムーズになり、むくみや重だるさの軽減につながります。
こうした下半身の巡りを高めるためにおすすめなのが、ヨガの「ハイランジ」ポーズです。股関節や太もも、ふくらはぎをバランスよく刺激できるこの動きは、筋肉をしっかり使いながら柔軟性も高めてくれるため、血流・リンパの流れを促進するのに最適です。
「ハイランジ」で巡りを良くして老廃物を排出しやすく
<やり方>

Photo by Kayoko Yoshida
1)足を前後に大きく開いて立ち、後ろ足のかかとは床から浮かせる。

Photo by Kayoko Yoshida
2)息を吸いながら両腕を頭上に伸ばし、吐きながら前脚の膝をゆっくり曲げていく。
3)後ろ脚のそけい部、膝裏、ふくらはぎの伸びを感じながら、5呼吸ほどを目安にキープする。
4)終わったらゆっくりと足を戻し、反対の脚も同じように行う。
吉田加代子
オーストラリア・ブリスベン在住、東京都出身。日本とオーストラリアでの会社員生活を経て、2012年よりオーストラリアでヨガ講師としての活動を開始。ハタヨガやリストラティブヨガクラスの他、音響楽器シンギング・リン®を使ったサウンドセラピーも提供。ヨガや音の効果を活かして、クライアントの心身の健康をサポートしている。