『俺たちの旅』50周年で映画化 懐かしのメンバー勢ぞろい「かつて若者だった3人がどうなってんのか」

俳優の中村雅俊さん(74)が主演した、昭和を代表する青春ドラマの金字塔『俺たちの旅』が50年の時を経て映画化されることが決定。中村さん、秋野太作さん(82)、田中健さん(74)、岡田奈々さん(66)と懐かしのメンバーが勢ぞろいしました。

1975年に放送された青春ドラマ『俺たちの旅』。中村さん演じるカースケと田中さん演じる同級生のオメダ、そして秋野さん演じる先輩・グズ六の3人の友情が描かれています。人生にもがきながらも生きることの意味を見つけていく彼らの成長が多くの若者の共感を呼び、当時一大ムーブメントを巻き起こしました。

左から秋野太作さん、岡田奈々さん、田中健さん、中村雅俊さん 日テレNEWS NNN

ドラマ『俺たちの旅』は放送開始から今年で50周年。彼らの“今”を描く映画『五十年目の俺たちの旅』(2026年1月公開予定)では、3人と共に作品を彩ってきたマドンナ・中谷真弓を演じる岡田さんの出演も決定し、オリジナルのキャラクターたちが再び集結。そして、中村さんは本作で映画初監督をつとめます。

■映画化のオファーを聞いて「ありえないと思った」

中村雅俊さん 日テレNEWS NNN

――『俺たちの旅』の映画化のオファーを受け、率直にどう思いましたか?

中村:ありえないって思いましたね。でも、“3人元気じゃないか”っていうのはあったので、やればできるなと。あとはいろんな困難なものがあるので、それを乗り越えれば大丈夫なのかなっていう。結果としては“いけるかも”と思いました。

田中健さん 日テレNEWS NNN

田中:“来たか”と思いました。50年ですけど(話が)終結していなかったんですよ。自分の中でもずっと終結してなくて、“これで終わり”っていうのがないと、ずっと引きずっていて。

■中村雅俊、初めての映画監督

初めて映画監督をつとめた中村雅俊さん 日テレNEWS NNN

――初めて映画の監督をつとめた心境は?

中村:(齋藤)監督が『俺たちの旅』の世界を作ったっていうのがあるので、残念なことに齋藤監督が亡くなって、“じゃあ誰ができるんだ”っていう話になると、みんなでジャッジしてもやれる人はいないんじゃないかと思っていた。脚本の鎌田(敏夫)さんから“雅俊、お前やれ”って言われた時は、“え!?”って思って。“俺?”みたいな。絶対できっこないっていうのがあった。

秋野:現場でも堂々たるもんだよ。必ずいい作品になると僕は思っています。

■映画『五十年目の俺たちの旅』のテーマは“切なさ”

映画のテーマを語る中村雅俊さん 日テレNEWS NNN

――どんな映画になっていますか?

中村:“生きていることがどうなんだ”って問いに対してはやっぱり切なさ。“生きていることって切ないよ”っていう。青春ものっていうと、どうしても光の部分をそう表現したがるんですけど、『俺たちの旅』ってそういう影の部分の切なさみたいなのがあった。そういう意味で50年たった時の、かつて若者だった3人がどうなってんのかとか。

■50年前の撮影時を振り返って

岡田奈々さん 日テレNEWS NNN

――50年前の撮影はどんな感じでしたか?

岡田:私は当時16歳だったんですね。高校生だったので学校に通いながらだから制服のまま、こちらに来て、着替えて仕事をしてたので大変でしたね。ツインテールで、学校もそうだったので、そのまま役柄でも髪の毛を2つに結って。齋藤光正監督に“そのままでいい”って言われまして。

田中:50年目に妹と2人で話すシーンが結構あった。めちゃくちゃ成長している。

秋野太作さん 日テレNEWS NNN

秋野:若かったから一生懸命頑張って多少は達成感もあったけど、今見返すといろんなことが本当にうまくかみ合ってた。この仕事は共同作業だとつくづく思った。自分の作品というより、客観的に見られたからさ。本当にうまく行ってたんだなって思う。印象としては、楽しかった。とにかくね、役者人生を振り返ってみても、こんなに楽しい仕事はなかった。

■映画で見てほしいところ

左から秋野太作さん、岡田奈々さん、田中健さん、中村雅俊さん 日テレNEWS NNN

――映画の見どころを教えてください。

中村:『俺たちの旅』が何でウケたんだろうって考えると、普遍のテーマってありますよね。人を好きになることとか、親子の問題とか、人生をどう生きるかっていう。そういう何十年たっても変わらない普遍のテーマを真摯(しんし)に描き続けてきたってところがウケたんじゃないかという。それは今回もちゃんとあるということと、見た人に“『俺たちの旅』やっぱりいいな”って、そう言ってほしい。その一言ですね。