『国宝』人気キャラ投票 1位は「喜久雄」、2位は「俊介」、3位は「万菊さん」

映画『国宝』が現在公開中。本作は、「パレード」「悪人」の吉田修一の最高傑作と呼び声の高い、歌舞伎界を舞台にした同名小説の映画化。

興行収入110億円を突破し、邦画実写映画歴代2位まで上りつめた本作は、歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公・喜久雄の50年を描いた壮大な一代記を描く。壮絶で胸が熱くなると観る者を圧倒し、公開から絶えず話題を呼んでいる。

このたびシネマカフェでは、映画『国宝』に関する読者アンケートを実施。8月19日から8月24日までのアンケート期間中に976人からの回答が集まり、読者が選ぶ“好きなキャラクター”ランキングが決定した。

※以下からは、ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。

第1位 立花喜久雄(花井東一郎)/吉沢亮

第1位は、本作の主演を務める吉沢亮が演じる喜久雄。任侠の家に生まれるも、数奇な運命をたどり歌舞伎役者の家に引きとられる。歌舞伎役者としての才能を開花させ、芸の道に人生を捧げていく。

今回行ったアンケートでは、「歌舞伎の演技、雰囲気がまさに悪魔との取り引き。血筋には叶わない才能でもその才能がでかすぎるただただ芸を極め俊介と共に夢を追いかけ何もかもを捨てて生きていく様が見ていて心が締め付けられるのと同時に惹かれる。国宝はキャラ全員それぞれに魅力があるが喜久雄の存在は何とも言葉に表せない魅力、悪魔との取り引きに関連するが魔力に近い魅力がある」、「不器用ながらも芸に生き芸を極めた喜久雄の姿に心を打たれました。国宝になった喜久雄を照らしてあげたい、拍手をおくってあげたいそう思わせるキャラクターでした」。

「歌舞伎しかない、でも血では受け継ぐことができない、覚悟生き様がすごい、これだけのめり込むことのできるかっこよさ。でもとても悲しい人。つかみどころのない唯一無二な感じがとても好きです。見た後心に何か消えないものを与えられた感がすごかったです」、「舞台にせり上がる時の喜久雄の正面からのアップのシーン。一瞬で心を持っていかれました。美しいだけでは言い表せない、もしかしたら神様だったのかもしれないし、悪魔だったのかもしれません。表現するものの魂、覚悟のようなものに魅せられ、それからは喜久雄から目が離せなくなりました。吉沢亮さんだからこその、凄みのある演技に始終魅了されました」、「物語と現実の境界が消え『幸せに生きて欲しい』『幸せに生きているのだろうか』と数日思ってしまうほど自分の心に深く入ってきた物語の主人公は初めてだったので」と鑑賞後も喜久雄のことを考えてしまう、そんな読者が多数。

第2位 大垣俊介(花井半弥)/横浜流星

続く第2位は、横浜流星演じる俊介。名門の跡取り息子として芸の世界に生き、歌舞伎役者になることを運命づけられてきた。喜久雄が引き取られた家の息子で、喜久雄と親友でありライバルとなり、共に芸を磨いてスターダムを駆け上がっていく。

読者からは、「一番苦しみながら生きたのは俊介だったのではないかなって思いました。観れば観るほど、この人の物語を知りたいと思う様になりました。最後の曽根崎心中は本当に心を持っていかれました」、「父の代役を喜久雄と聞かされた後の橋のシーン。葛藤を曝け出した後気持ちを抑えて なーんてな!と収める場面や、震えが止まらない喜久雄に化粧を手伝う俊坊のやるせなさと同志を突き放せない優しさが好き」。

「繊細な演技、悲しみ、優しさ、絶望、色々な表情が心を揺さぶる。弱い人なのかも知れないけど、純粋で、愛情深く…俊介という人どなりが全て滲み出てる感覚。病室で喜久雄が代役と言われた時の表情。春ちゃんのアパートの階段での会話、開演前喜久雄を励ます涙。喜久雄の演目見ての溢れる涙。……。彼のシーン全てが言葉だったり、表情だったり、心に残ります」、「俊介がお初を演じる曽根崎心中には度肝を抜かれ、今なお心に住み着いています。あの表情、足、化粧、瞳、、汗、首の角度、まつ毛の影、それら全てを目に焼き付けてもなお、また見たいとリピートしています」、「歌舞伎オタクから見ても、御曹司らしさが完璧!さらに後半は逃避をやめて歌舞伎に向かいあう姿は素晴らしかった。俊ぼんがいての喜久雄、横浜流星がいての吉沢亮だった」と絶賛のコメントが寄せられた。

3位以降はこちら。

第3位:小野川万菊/田中泯

歌舞伎界の稀代の女形といわれる人間国宝。喜久雄と俊介は、若いときに万菊と出会う。

【読者の声】

・小野川万菊さんのモデルとなった六世歌右衛門の大ファンでしたので、田中泯さん演じる万菊さんを見ていると大成駒に会っているように感じました。「それでいいの、それでもやるの」の名セリフが頭から離れません。

・圧倒的に存在感が違う。いるだけで空気が変わる。泯さんの実年齢を感じさせない。本物の女形の役者に見える。

・静かな口ぶりながらただ者ではないオーラを放ち続けていたが、最後は煌びやかさのかけらもない部屋が安心すると言って死んで行く。美しいだけでは済まされない、「国宝」たる者の壮絶な生き様・死に様を見せつけてくれた。非常にインパクトがあった。

第4位:少年 喜久雄/黒川想矢

少年時代の喜久雄。

【読者の声】

・最初の踊りの時の目線が色っぽくて、とても良かった。初めて半二郎親子の連獅子を見て、目をキラキラさせている顔も素敵だった。

・目が良いオープニングから彼に釘付けになった。

第5位:竹野/三浦貴大

歌舞伎の興行を手掛ける三友社員だが、世襲の歌舞伎に対して冷ややかな態度をとる。

【読者の声】

・芸道に魂を奪われている登場人物が殆どの中で、唯一冷静な客観的な視点を保っている。それでいながら、情の深い包容力というか温かみを感じる。

・最初は殴り合いの喧嘩をしたけど、誰より喜久男の事を認め、見捨てず、闇の中から救った人だと思います。落ちぶれても「三代目、三代目」と声を掛ける姿には男気を感じました。

『国宝』は全国東宝系にて公開中。