新ルールをひっさげ「シーズン2」満を持しての再開【家そば放浪記】第276束:道の駅「果樹公園あしがくぼ」で買った、武蔵屋『武蔵屋 秩父そば』670円(1人前168円)

お蕎麦が食べたい! もうじき夏は終わるというのに、この感情を、この瞬間を、待っていた。

なんとなく「お蕎麦でも食うかァ」ではなく、「お蕎麦食べたい!(迫真)」な感情になるまで当連載「家そば放浪記」は控えようと思っていたのだ。

その理由は──

【画像】ちなみにこちらが道の駅「果樹公園あしがくぼ」の舞茸天そば(冷)

ずばり、「手の届くところは食べ尽くした感」にある。スーパー、コンビニ、デパ地下、ドラッグストア、アンテナショップ……そのあたりで入手できるお蕎麦は、ある程度食べ尽くした。

新商品が出たとしても、よほど大舵(たいだ)を切った商品でない限り、見覚えあるメーカー(製造所)だとデジャブのように「これはどこかで……」となってしまう。

そこで私は考えた。今後は、できる限り、出会ったことのない製造所の商品を食べてみようと。※商品的に気になるものであれば過去に取り扱った製造所もアリ。

また、それら「お初」の蕎麦が集まり、かつ、心の底から「食べたい!」となった時、この連載を再開しようと。

そして前回から約4ヶ月の間を空けて、ついに、ついに、時は来た。家そば放浪記シーズン2、満を持してのスタートである。

仕切り直し1回目の商品は、数ヶ月前に実行された「ロケット荘ピクニック券」の最後の最後に行った道の駅「果樹公園あしがくぼ」で発見したお蕎麦『武蔵屋 秩父そば』。

埼玉県秩父市にある製造所「武蔵屋」の登場は、当然ながら当連載初。なにげに秩父は蕎麦のメッカでもあるが、パケ裏の品名欄も「秩父そば(干しそば)」と、秩父そばであることを最大にアピール。

これは期待。それではさっそく──

調理開始!

デカい鍋に湯を沸かし……

6分ゆでて、冷水で冷やす。

なお、今回より「冷水で冷やす」の工程は、今の時期、我が家の水道から “ヌルい水” しか出ないという事情もあり、デフォルトで「氷水でシメる」に変更してみた。今後も氷水シメで行くので、そこんとこヨロシク。

てな感じで、ハイ完成。

して、そのお味は──

悪くはない。普通にウマい。だが、さしたる特徴は感じない。いわば、特筆すべきものがないのである。

そこまで蕎麦感もないし、コシもないし……いわゆるド真ん中の普通の蕎麦。

家か外ならギリ外だけど……と、何口目の試食で私はハッと思い出した。

これ、まさに、この干し蕎麦を買った場所「道の駅あしがくぼ」にある2つのお蕎麦屋さんの片方の店で出てくるお蕎麦に、よく似ているのだ。

完全一致ではないが、遠く離れたところでクロスするような、“親戚” 的なデジャブを感じる。

目を閉じれば、道の駅あしがくぼ。これに「舞茸の天ぷら」が添えられていたら、気分はもう秩父である。

買った場所が同じだから……なのだろうか。情報が先に頭に入っていたからのプラシーボ効果なのだろうか。

いずれにしても、もう少しだけ特徴がほしいところ。普通にウマいが、もう一歩、何かが欲しい。その何かは、もしかしたら「舞茸の天ぷら」なのかも……?

執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥

Photo:RocketNews24

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